55歳の地図
黒咲一人の『55歳の地図』就職しない若者…てより『つまんねーコトやってるヒマがあるんならコレ読んでみろ~』というような久々に『熱い』マンガだった。漫画家や、特撮俳優…って特徴ハッキリしてるから、人気があがるときは、驚異的に上がるのだけど、その『当たり役』『当たり作』の印象が強いと後のキャリアに響いてしまうんだよねぇ。ちょうど、『ストリート・オブ・ファイヤー』のM・パレがあの一作で下降したように。いや、パレは大好きです、でもあの作品以降の彼の作品は、追っかけに支えられてるとしか思えない状態で…(汗)。それと同じように,'70年代、80年代に、デッサン力と、時代性で何とか、週刊誌に作品が掲載されていた漫画家って今、生き残ってるでしょうか。…ホトンド残ってないと思います。某ジャンプの発行部数にしても同人アンソロジー本と変わらないそうです。プロとアマの区別がホトンドないような漫画界、昔の漫画界が懐かしいと思ってる作家さんには当然のごとく仕事はこなくなるでしょう。でもフリーランスとして仕事をしてる以上、仕事を選べない苦痛を選ぶか、それともそれを『捨てる』か。このマンガ家、なんと、『もうツブしのきかない人間だ』と悟り、自宅を処分、20KG近い荷物を自転車に積んで四国お遍路さんに出てしまうその体験記をマンガにしてしまったという。吾妻ひ○おが『仕事があるのに逃げ出した』マンガを描いたのに対して、こっちは『仕事がなくなったら出て行った』という切羽詰った現実感がある。『生きるためならなんとでも』のシーンもナンとでも出てくる。同僚のマンガ家さんに『今からホームレスになる』と言おうものなら『ホームレスはやめとけ!手伝いにでもきてくれ』といわれようとも、あの本宮ひろしに『ビルの5階使ってもいいぞ』と言われても旅にでる、先生。今日もどこかでボロチャリをこいでいるんだろうか。