家庭内単身赴任？オヤジの手酌日記

今晩は。独酌です。

春が立ったと言うのに雪でも降りそうな気配の東京です。

朝コーヒーを淹れながらニュースを見ていたらムスコの部屋から目覚ましの音が…暫くするとゴソゴソとムスコが部屋から這い出してきました。

無駄とは思いつつ、声を掛けます。

「何で休みの日に早く起きたんだ？」

「・・・」

血圧が低いせいかは知らんが、ムスコは目が覚めてから30分程は何も見ていないし、何も聴いていない。脳ミソが眠ったままなので昆虫のように神経の反射だけで動いている。

「寒みぃ…腹減った…」

こう呟いて、揺ら揺らヨロヨロと風呂場に向って行った。

独酌の問いに丸で答えてないし、家のベッドから這い出してきたばかりの人間が発する言葉とは思えない。こんな事を寝起きで口にするのは【フランダースの犬】のネロくらい過酷な環境に身を置く子供だけの筈だ。平和な日本の家庭で朝起きて初めに口にすべきは「おはようございます」であろう。

シャワーを浴びると幾らかは目が覚めたらしく「寒みぃー！　寒みぃーー！！」と冷蔵庫の前で牛乳を飲みながら喚いている。

そりゃ寒かろう…パンツ一丁だし、冷蔵庫の扉は全開だし。

「今日は何かあんのか？」

「何か？…何で？」

「休みの日に早く起きるのは珍しいからさ」

「休み？」

学校があると勘違いして起きてきたらしい。
それはヨメも同じ事で、テーブルの上にムスコの朝食用のオニギリが置いてあった。ヨメは昨晩から独酌の母＆叔母と湯河原に出かけている。
父が入院中…と言っても大した事ではなく、以前からある腎臓の結石を定期的に細かく砕くだけ…なので、ここぞとばかりに温泉へ遊びに行った。
お帰りは土用の午後だとか。

「何で休みなんだっけ？」

「建国記念日だ」

「ああ、あれか」

正確には『建国記念の日』だが、何が「ああ、あれか」なのだ？

「お前、建国記念日って解ってるのか？」

「知ってるよ、あれだろ、あれ」

【ムスコの回答＝ムスコの頭の中の日本史？】

昔、何とかという人が海に棒を突っ込んで掻き回したところ、棒から垂れた滴が日本になった。



結婚した奥さんが最初に産んだ子供が手足も目も鼻も何も無い奇形だった。



…ので海だか川だかに流した。



この子は親切なお坊さんに助けられて成長していく。



無かった身体のパーツは武器などのツールで補填。



自分を捨てた親を探して流離う日々…



全身が武器庫のようなものだから付いた渾名が『死神』

親だけでなく何時しか弟とも戦う破目に…



「遠慮はせんぞ、兄じゃ」

骨肉の争いは続き、終いにはよく似た妹とも…



「血は争えんのぉ、足の形なんぞそっくりじゃ！」

↑この子を産んだせいで奥さんが死んだので地獄に会いに行く。



「私を見てはなりませんぞ」



見るなと言われればマスマス見たくなるのが人の性。



約束を破ってコッソリ覗いてみると、奥さん顔の工事中…



「見ぃ～た～なぁ～！」

奥さんがゾンビになっていたので慌てて逃げる何とかさん。



「来るじゃねぇえっ！　アッチ行け！！」



噂ではこの何とかさん、天皇陛下の先祖らしい…



「信じる、信じないはアナタ次第！」


・・・ダメだこりゃ。（TOT）

パン一のムスコよりもっと心が寒くなったオヤジに愛の手を！

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