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今日は、西南学院大学経済学部提供講座の日。
バスが渋滞で遅れてヒヤヒヤしましたが、何とか間に合いました。 「世界の食料問題をどう見るか」 経済学部国際経済学科教授 本間正義先生 「食料」と「食糧」の違いについて、説明。 あまり意識してませんでしたが、この違いは知っておくべきですね。 「食料」・・・食べ物全般 「食糧」・・・穀物など主食になる食べもの 「もし先進国でハンバーガーを1人週1個節約したら・・・」の説明。 そこで驚いたのは、肉類1㎏の生産に使われる穀物量。 牛肉1㎏ → 穀物8㎏ 鶏肉1㎏ → 穀物2㎏ 豚肉1㎏ → 穀物4㎏ スーパーなどで、肉売り場に並ぶたくさんの肉・・・ 消費された穀物量に換算すると、驚きですよね。 大昔狩猟生活で生活していた時代の人口は、1千万人でした。 つまり、地球が養える人口は、1千万人ぐらいなのです。 狩猟生活から定住農業になり、必要以上に食料を供給可能になりました。 それと共に、人口増加が始まり、今に至っています。 人間1人が日常生活を行うために最低限必要なエネルギーは、1日1800kcal・・・ 栄養不足の原因はいろいろありますが、大きな原因は「貧困」 栄養状態が悪いと、食べても栄養が十分吸収されません。 下痢・寄生虫・発熱などになりやすい衛生状態の悪さも、栄養不足の一因です。 衛生状態を改善するための設備や人々への教育も不可欠です。 世界の人々の栄養状態は、少しずつ改善されています。 特に東南アジア・東アジアは、劇的に改善されました。 しかし、サブサハラ(アフリカ南部)や南アジアは、あまり改善されていません。 これは、食料不足を解決するために、あまり力を入れていない国があることも一因。 発展途上国は、農作物を運ぶためのインフラが整備されていません。 農業に従事する人口は多く、保護政策を行うと、コストがかかります。 教育水準も低く、政治力は弱いのが現状です。 一方工業に従事する人は少なく、保護政策に必要なコストが少なくて済みます。 また教育水準は高く、政治力は高い・・・ ここで興味深い話をされました。 大きくなり過ぎた組織は、組織力が低くなるそうです。 それは「帰属意識」が低くなり、「組織のため」より「自分のため」に働くようになるため。 小さいほど「結束力」が大きくなるそうです。(小さすぎるとそうはいきませんが) 国際協力についても、いろいろ教えていただきました。 ここで注目は、「食料現物による現物援助はしないこと」 これは、世界の食料市場を乱す原因になるから。 たとえば、A国に日本のコメを援助物資として渡します。 A国は、いつもはタイ米を購入していましたが、その必要がなくなりました。 そのため、タイはコメの輸出量が減り、経済活動が低下・・・ そのため、食糧援助は、食料を購入するための資金援助を行います。 そうすれば、A国は安いタイ米をたくさん購入でき、食料不足が改善。 国際協力となると、たくさんの「気使い」が必要なことを教えていただきました。 2100年に世界人口は、100億人だと推測されています。 世界全体でみると、その人口を養うだけの食料は確保できると言われています。 しかし地域によるかたよりが、解決されているかは疑問です。 最後に、日本の有事(戦争など)の際の食料安全保障についてのお話がありました。 自給率100%の食事(2020kcal)を、北海道大学の学生が実践してみたそうです。 ・朝食 ご飯1杯 粉ふき芋 ぬか漬け ・昼食 焼き芋2本 ふかし芋個 リンゴ1片 ・夕食 ご飯1杯 焼き芋1本 焼き魚1切 + 2日毎にうどん、味噌汁 3日毎に納豆2個 6日毎に牛乳1杯 7日毎に卵1個 9日毎に肉1食 1週間で、学生たちは嫌になってきたそうです。 そこで栄養士さんがアドバイス。 調理法を工夫し、油を使用(炒めるなど)することで、3週間の実験は終無事終了。 参加した学生さんたちは、終了後には見事な健康体になったそうです。 幅広い内容のお話を、様々な角度からわかりやすい言葉で教えていただきました。 また、生徒一人一人にしっかり伝えようという熱意を、強く感じました。 時間を超過しても、質問に丁寧にわかりやすく答えてくださってました。 牛肉を生産するために、8倍もの穀物が消費されていることは驚きでした。 先進国のために、発展途上国の人たちが犠牲になっているように感じ、申し訳なさも感じました。 また、北海道大学の実験で、終了後に見事な健康体になったという事実。 やはり私たちは、「食べ過ぎ」と言うことなんですね~ 「経済」を知ると、世界の現状が見えてくる・・・ そう感じられる、有意義な時間でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.10.19 00:02:40
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