SUNROOM

　昨夜は、ＮＨＫでワーキンブプア２が放送されました。

　見たいと思っていたのですが、うっかり違う番組を見ていて、後半１時間くらいを見ました。


　まじめに生きていて、きちんと仕事をしていて、それでも生活するのがやっと、というか、極端に切り詰めないと生きていかれないくらいの生活・・・・。
　見ていて切なくなる現実ばかりでした。

　しかし、今は他人事のようであっても、私だって、主人が病気になって働くことが出来ず、治療費がかかって・・・という状態になったら、同様の事態に陥ってしまうだろうと思います。
　私自身は、会社勤めは４年しただけであとは専業主婦になってしまいましたから仕事におけるキャリアなんて、ないに等しいです。特殊技能があるわけでもなし、４０歳過ぎてて正規雇用もなかなか難しいでしょうから、非常に厳しい現実と向き合わなければならないだろうな・・・・と、思いました。（住宅ローンもまだ３０年以上残っています）

　改めて、この社会のあり方はおかしい、と思いました。

　しかし、それでも、国の予算など、実際の細かなプランを立てるのは役人だとしても、大きな方向を決めるのは、政治家です。
　はっきりいってしまえば、自民党です。

　『国の施策は、多くの、働く貧困層を誕生させている。セーフティネットなど、社会として国民を下支えするシステムのあり方を考え直すべき』

　と、テレビでいくら有識者が訴えたところで、国民に国のあり方を問う選挙では、
　　『このままでいいです！』
　と、いう返事が返ってくる・・・・（政権与党圧勝）。

　まあ、民主党も（私の個人的意見ですが）、小沢党首のおっしゃることを聞いている限り、何がしたいのか、どこがどう自民党と違うのか、わからない、伝わってこない・・・というのがあって、基本的には似たようなものなのかな、という印象があります。
　こんな調子では、次の参議院選挙も、投票率が低いのだろうな・・・などと思ったりします。

　こんなことになるのも、野党がしっかりしてくれないから・・・！と、ぼやきたくなります。

　選挙に行かない、国の施策にも興味がない、という人が多いから、こうなるのでしょうが・・・。

　そんな風に考えると、あの、ワーキングプアの人たちは、どこに投票しているんでしょうね？
　彼らはどういうビジョンの政治家に投票しているのか・・・・。

　無気力になって、投票にも行っていないのかな・・・。
　忙しすぎて、行くことができないのかな・・・・。


　岐阜の、繊維工業の町で、中国人労働者に押され、所得が低く抑えられている、という部分では、日本の、衣類のメーカーの社会責任を問いたい気持ちになりました。

　安く大量に提供するメーカーと、デパートのブランドのような、高級衣料のメーカーがあり、せめて、高級ブランドのメーカーは、縫製もしっかりとしている日本の工場に仕事を出すべきではないかと思いました。

　アメリカなどだと、現地の工場は、物資の調達に関して、何パーセント以上は、米国内の、地元の企業から調達しなければいけない、というような規制があったと思います。かなり昔ですが、テレビで、アメリカに進出した日本の（確か自動車の）メーカーが、地元の、ネイティブアメリカンの人の経営する工場に部品を発注したら、納品された物が、サイズも不ぞろいで質も悪く、使い物にならなくて苦悩している様子が映し出されていました。
　当時まだ学生だった私は、アメリカってへんな国、日本だったら、こんなものを納品していたら淘汰されてしまう・・・・こんなものを強制的に使わせるなんて、ひどい国だなぁ・・・などと思っていました。

　でも、強引なまでにそうやって守るべきものを守ったといえるのではないでしょうか。

　何しろ、つい最近、トヨタ自動車のアメリカの工場ラインのことなどを（やはりＮＨＫで）放送していましたが、すっかりトヨタ方式が定着し、物資調達を請け負う現地の子会社も、トヨタは育ててしまっていました。育てるシステムを確立しつつある・・・というほうが正しいかもしれません。


　日本では、いま、目先の問題しか考えていないように見えます。

　食べていかれないから、縫製工場などはこの１０年間で１６万件も廃業したのだそうです。

　残っている企業も、自分たちが生き残るために、安い労働者を育てようと、中国の労働者を育成しています。

　今はまだ、日本の製品のほうが質が良い、というセールスポイントがあるかもしれませんが、数年のうちに、そういうセールスポイントも失ってしまうのでしょう。
　数年後には、日本人が育てた、優秀でまじめで、安い労働力が、中国に満ち溢れるようになる・・・・。


　技能を伝授する、ということを、日本はどう考えているのでしょうか？


　今、海外から日本に来て生活している労働者は、１５５万人以上いるのだそうです。

　そういう人たちの社会保障も、今後大きな問題になってくるでしょう。


　誰がどのように負担し、支えるのでしょうか？


　１０年後２０年後、日本の社会保障や産業は、どうなってしまっているのでしょうか？


　そのことを真剣に考え、自分の責任であると考えているような政治家や公務員が、どれぐらいいるのでしょうか？


　３０年後のことを、きちんと考えている人は、いるのでしょうか・・・・


　きっと、目先の問題で精一杯という人ばかりなのでしょうね。