|
カテゴリ:行政
非営利組織は、よき意図をもってよいことをしたというだけでは十分ではない。
成果を上げ、この世の中に何かをもたらすために存在しているのだ。(ドラッカー) ここで言う成果は、アウトプット(output)ではなくアウトカム(outcome)である。アウトプットとアウトカムの違いを意識することが、成果を分けるとも言える。 住民に対する講習会を開催したとする。 その講習会に何人来たかがアウトプットである。そして、その講習に来た人が講習から学び活動に移したとすれば、それがアウトカムである。 非営利組織はアウトプットを意識しがちであり、HPなどでもそのアウトプットを成果として公表しているところが少なくないという。アウトプットの段階では社会に対する影響力はまだ測ることができない。アウトカムになって初めて社会を変えることにつながるのである。 非営利組織がアウトカムを意識すべきなのには理由がある。それは、非営利組織が外部から評価されにくい立場であるためである。企業は市場で評価される。政府は選挙によって評価される部分がある。しかし、非営利組織は確立した評価手段をもたない。 特に福祉分野の非営利法人については、その活動自体が「ありがたい」と思われることがあるから、評価という視点で活動の効果や効率性を測られにくい。 現在、非営利組織の評価として取り組まれているのが自己評価である。正しい自己評価をすることは、サービスの受け手はもちろん、非営利組織の運営にも非常に役に立つものである。 ドラッカーによる評価ポイントは次のとおり ・われわれの使命は何か? 使命を端的に述べられるか。その使命は今でも有効であり、組織の存在意義が保たれているか。 ・われわれの顧客は誰か? 顧客を定量化、分析できているか。顧客が減っているという問題に直面したとき。減っているのは男か女か、年齢は、増えている顧客層はないのか、と詳細に把握・分析できているか。 ・顧客は何を価値のあるものと考えるか? 自分たちのニーズだけでなく、顧客のニーズを明確に述べられるか。顧客に尋ねているか。 ・われわれの成果は何か? 使命に即した成果であるか。成果を具体的に定義、定量化しているか。 ・われわれの計画は何か? →計画は使命、顧客と価値、成果の関係性のギャップを改善するものである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[行政] カテゴリの最新記事
|