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2009年04月16日
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カテゴリ:戯言
金沢駅 鼓門 金沢21世紀美術館 兼六園
この間初めて金沢に行ってきた。金沢駅を出るとガラス製の「もてなしドーム」と木製の「鼓門」に迎えられる。京都駅ビルを連想させるその巨大すぎる玄関には賛否両論あるようだが,ともかくその迫力には圧倒される。時間がなかったこともありとりあえず有名どころを周る。見所の多い金沢だが,それらは比較的集中しているので効率よく周ることができる。21世紀美術館もおもしろい外観をしていた。また,「雪つり」(雪の重みで枝が折れることを防ぐために縄で吊る)が有名な兼六園では,雪つりされた松の多さに驚いた。無数にある枝を1本ずつ縄で縛っていくのは大変な労力だろう。

ガイドブックにあった「蓄音機の実演」の文字が目に留まり,急遽金沢蓄音器館にも行ってみることに。兼六園から割と近く泉鏡花記念館の隣にある。

YouTube - Mason & Hamlin AMPICO plays Leibesleid Kreisler-Rachmaninoff
蓄音機の実演は11時からと聞いていたので,30分程前に行きまずは館内を見物するつもりでいると,その日はちょうど10時半から自動ピアノの実演もあり,運良くそちらも体験することができた。ピアノは1927年米国ボストン製の「Mason & Hamlin AMPICO」で,空気が紙ロールの穴を通ることで鍵盤が叩かれる様子を間近で見ることができた。自動ピアノはもともと音の強弱を記録することができなかったが,このピアノはピアニストのタッチまである程度再現できる。YouTubeにMason & Hamlin AMPICOによる演奏動画がいくつか上がっている。やはり人間の演奏と比べてしまうとどうしても機械的な印象はあるものの,古の名ピアニストのテンポが忠実に再現されるそのダイナミックな演奏を聴いていると,録音手段の乏しかった時代に名演奏をなんとかして残そうとした人々の思いが伝わってくる気がした。

YouTube - Victrola Credenza  クレデンザ  スペイン舞曲 メニューイン 神田神保町・梅屋
続く蓄音機の実演で,エジソンによる蝋管用蓄音器から蓄音機の王様と言われるVictrolaのCredenzaまでを聴き比べた時にも似たような感慨を持ったが,それ以上にそのリアルな音にまず驚かされた。YouTubeでCredenzaによる演奏を聴くことができるが,特にこのグラナドスの「スペイン舞曲」などでのヴァイオリンの美音を聴くと,これが,針の微細な動きが引き起こす振動をただラッパで増幅しているだけの音だとはにわかには信じられない(こちらのページでCredenzaの内部構造を見ることができる)。

YouTube - Edison, The Man Clip
また金沢蓄音器館には,ただ音を聴くだけではなく蓄音機の仕組みを1から学ぶことができるコーナーがある。自分の声の波形をオシロスコープで表示できたり,紙や木などラッパの材質の違いによる音の変化を体験できたりする。上の動画は,スペンサー・トレイシー主演の映画『人間エヂソン』(1940年)でエジソンが蓄音機で「メリーさんの羊」を録音し再生する場面(もっとも,この記事によるとこれより前に録音された音源があるようだが)。この場面でも描写されているように,蓄音機の録音と再生の原理は極めてシンプルで,糸電話と同じものだ。録音時にはラッパに向かって出された音で起こる振動が針に伝わり,円筒に音の溝が刻まれる。再生時には逆に,溝が針を振動させ,その振動が振動板に伝わりラッパから音が出る。確かに,エジソンの蝋管用蓄音器の音は,ハードディスクのデジタルデータをDACでアナログ変換し出てくる音とは比べものにならないほどチープだった。しかしそれでもどの楽器かを認識し話の内容を聞き取るには十分な音であり,それが単なる針の振動から出てくるところに音の不思議さを改めて感じた。高級オーディオの試聴会などに行くとたまに,目隠しをされていれば目の前で実際に演奏が行われていると錯覚しそうなほどにリアルなピアノの音を聴くことがあるが,考えてみればその音も,ピアノとは程遠い材質の振動板が震えることで生まれている音にすぎない。




電気を一切使わないシンプルな機構なので身近なもので再現できないかと思い調べてみると,アナログシンセ(リンク先のデモにコーネリアスや明和電機ら登場)やテルミン(デモ演奏の「朧月夜」がすごい)など,かなりツボを刺激される号の多い学研の「大人の科学」が蓄音機も出していた。音質が良いというベルリナー式円盤蓄音機やSP・EP・LP盤が聞けるというプレミアム蓄音機,磁気記録式の針金録音機あたりもおもしろそうだが,やはりこのエジソン式コップ蓄音機が最もシンプルな分,原理も理解しやすそうだ。糸電話でも使えそうなプラスチックのコップに記録するというのもおもしろい。

YouTube - Only @ the MAKE store - Edison-Style cup phonograph kit
上の動画は海外向け製品の宣伝だろうか。こちらに実際に作られた方の記事がある。やはりそのシンプルさのために,上手く録音できるようになるまでにはちょっとした試行錯誤が必要なようだ。ただ記事は古いバージョンのもので,上の新しいほうは針などが改良され録音・再生機能が向上しているらしい。いずれにしても,色々な材質のコップで音の違いを探ってみるのも楽しそう。学習教材としての価値も高いだろう。


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最終更新日  2009年04月20日 19時03分12秒
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