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カテゴリ:研究、勉強関連
江戸時代の研究について、とりあえず小作制度をやろうということに決めました。
小作料が収穫に対してどのように決まるのか、ということについて、 標準的なモラル・ハザードの理論は次のことを予測しています。 (以下では簡単化のため、小作料yは収穫xに対して線形、 つまりy=ax+bの形で決まると仮定します。 言い換えれば、小作人の取り分は(1-a)x-bとなります) 1.収穫の分散が大きくなるほど、aは0に近づく。 2.小作人のリスク回避度が低下する、またはリスクへの耐性が強くなるほど、aは1に近づく。 3.リスク回避度が小作人の所得に従って低下すると仮定すると、所得が高いほどaが1に近づく、と言い換えられます。 4.契約解消時の、小作人の外部機会(日雇い労働の賃金など)が大きいほど、aが1に近づき、bが大きくなる。 bの値も重要ですが、余剰の分配に関連するaの値は特に重要なので、 モラル・ハザードのモデルを実証する場合はaの値の決まり方に特に着目します。 ……が、しかし!!! 何冊江戸時代の本を借りてみても、aの値についてのデータが得られないでいます。 得られるのは、言うなれば「xが平均的だったときのyの値」についてのデータで、 これはaE(x)+bということです。 せめてもう少し、例えば「y=0(年貢免除)となるxの値」とか分かれば、 そこからa,bを無理やり解けなくもないんですけどね。 「このデータがあれば終わりなのに!」というところで行き詰るのって、 「この式が解ければ終わりなのに!」というよりもたちが悪いように思います。 後者の場合はもう少し簡単な式が出るようモデルを修正するなど、妥協が利きますが、 前者の場合は妥協も何も、データを見つけるか、あきらめて一から出直すか、 2つに1つしかないわけで……。 というわけで、ここ2日江戸時代について考えている夢を見ております。 昨日は功名が辻っぽい雰囲気の中で年貢の計算をしてました。 ここは一体どこだ……。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.11.09 17:55:46
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