tankuro　つれづれに気ままなブログ

​​   　  tankuroです、こんにちは。
　　　
　　　スイカって美味しいですよね。
　　　あの甘さがたまりません！
​​

　「僕の夏休み」にはいくつかの冒険があります。

　その中の一つが「すいか泥棒」です。

　もちろん、計画性はありません。

　つい出来心で従犯です。

　主犯は兄とその同級生のアキちゃんです。

　私はただの下っ端です。

　だって、一番年下ですもん。

　あっ、「田舎」の徳島県の話です。

　「吉野川」の中洲は、整備された一面桑畑です。

　桑は中央から枝が幾本も伸びて大きな葉をつけます。

　それを蛾の幼虫、蚕が食べます。

　養蚕です。

　蚕が繭になり、それから絹糸をとります。

　田舎屋の２階にいっぱいいっぱい桑の葉が敷き詰め
　られたカゴが並びます。

　その中に桑の葉を食べる蚕がうじゃうじゃいます。

　中洲に戻ります。

　アキちゃんが兄にニタッと笑います。

「やろか？」

「うん」

　問い返す事もなく犯行計画を理解します。

　砂地の桑畑の中程に隠すようにすいかがあるのが
　気がかりになっていました。

　ドキドキです。

　私は下っ端でもその計画が理解できます。

　アキちゃんが桑の葉を掻き分けて入っていきましす。

　兄が続きます。

　仕方なく私も続きます。

　アキちゃんが抱えるのに手頃なすいかをもぎります。

　兄も続きます。

　心臓がバクバク。

　アキちゃんと兄はすいかを抱えて雑木林に向かって
　走ります。

　その向こうは「吉野川」の河原です。

　全速力、、、あっ！アキちゃんの草履が脱げた。

　ケンケンでアキちゃんはもどり、草履をつっかけ
　また走ります。

　大丈夫かな、ドキドキです。

　誰も見ていません。

　兄が先頭で雑木林へ、続きます。

　兄が河原の手前の茂みで止まっています。

　身をかがめると誰みも見られないと判断したようです。

　はあはあ、息と心が苦しい。

　すいかを下におろし、中腰で膝に手を置いて3人で
　はあはあ。

　アキちゃんが握りの良さそうな石を持って来ました。

　それですいかを打ち付けます。

　グシャ、粉々です。

　「あれ、なんじゃこれ？」

　すいかは半分も赤く熟れていません。

　アキちゃんが赤い所を口に運んで、吐き出します。

　「だめじゃ、まだ食えん？」

　収穫までまだまだ早かったようです。

　「わっははは」二人は笑いこけました。

　兄は残りの一個を地面に打ち付けます。

　「残念だったなあ？」

　「うん、残念？」

　なんと悪どい二人なんだ！私は笑えません。

　彼らは微塵も後悔していません。

　反省？　もちろんそんなものは、、、。

　「バチが当たるぞ！」私は心の中で訴えました。

　彼らは水辺に向かいます。

　ランニングとゴム草履を脱ぎ捨て泳ぎ出します。

　置いてくなよと心の中で怒りながら続きます。

　入道雲が黙々と湧き始めています。

　数日後にそれが起こりました。

　いつものように水中眼鏡をつけて遊泳していると

　水中に黄色い粒子のようなものが大量に浮揚して
　います。

　なんだろう？

　破れてクシャクシャの古新聞もあります。

　なんなんだぁ？

　その日はなんだか嫌な気分になったので、泳ぎのを
　やめ早々に帰宅しました。

　翌日おばあちゃんから聞きました。その正体を！

　上流の肥を溜める施設から大量の排泄物が流れた
　そうです。

　「えぇ、バチ、バチが当たったんだ！？」

　そう、お仕置きを受けたのです。

　げっ、水飲んじゃった、、、。

　皆さん、すいかやお賽銭、銅製品など盗むのは
　やめましょうね。

　閻魔さんの後ろには、過去の悪事を映し出す鏡が
　あるそうですよ。

　くわばら、くわばら、、、。