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テーマ:映画レビュー(890)
カテゴリ:映画 ア行
『オール・ザ・キングスメン』を観ました
政治の腐敗に憤り知事選に名乗りを上げた理想に燃える一人の男が、いつしか自らも 悪の道へと落ちていく姿を描く政治ドラマです >>『オール・ザ・キングスメン』関連 原題:ALL THE KING'S MEN ジャンル:ドラマ 上映時間:128分 製作国:2006年・アメリカ 監督: スティーヴン・ザイリアン 出演: ショーン・ペン、ジュード・ロウ、アンソニー・ホプキンス、ケイト・ウィンスレット 【ストーリー】 1949年、ルイジアナ州メーソン市。 郡の出納官を務める実直な男ウィリーは、小学校建設に絡む役人の汚職を告発して 逆に自分が職を追われるハメに。 上流階級出身の新聞記者ジャックは、そんなウィリーに興味を抱き交流を持つ。 やがてその小学校で欠陥工事が原因の事故が起こり、ウィリーは一躍注目の存在となる。 それに目を付けた州の役人タイニーに担がれ、いきなり知事選に出馬するウィリー。 しかしそれは、対立候補の票を割るためのタイニーの策略だった。 ことの真相をジャックから聞かされたウィリーは、与えられていた演説原稿を破り捨て、 自分の言葉で聴衆に語り始めた。 この演説が貧しい人々の心を打ち、ウィリーは地滑り的勝利を収め、ついに知事の座を 射止めるのだったが…。 ここから先はネタバレを含みます。ご注意を 善は、悪からも生まれる。 オリジナルの方は観た事がないので比較はできませんが、政治の裏側を覗いてしまった 気がする、そんな映画でした。 ショーン・ペンが演じる実直で社会革命の理想に燃える郡の出納官だったウィリーが、 州知事選に成り上がっていく過程は凄かったです 対立候補の票を割るためのタイニーの策略だったことを知った後の 水を得た魚のようなパワフルで人々の心に訴えかけるような演説にはゾクゾクしました。 この人なら社会を変えてくれるかもと期待したくなる気持ちが良く分かります しかし、権力を手に入れたウィリーは、自らが忌み嫌っていたはずの汚職、 恐喝などのスキャンダルにまみれたダークサイトへと落ちていってしまうわけです… 力と金を手にした人間はなんと浅はかさなんでしょうか 結局いつの世も、政治家の性質は変わりがないもので…ガッカリ度も増します それでも全てが”悪”というわけではなく、貧しい人のために学校やら、病院やらを 建設したりして、まさに”悪”から”善”が生まれている事例を目の当たりにさせられ、 善悪がはっきりと切り離せない現実を知る事になります。 う~ん、深いです いつにも増して力が入った演技のショーン・ペンには嫌でも注目してしまいますが、 中盤からは実際の主人公上流階級出身の元新聞記者で ウィリーの側近のジャックを演じたジュード・ロウの演技に魅了されました 理想に燃えるウィリーという男に興味を持ち、ジャーナリストらしく 冷静な目線から語るクールな姿、 徐々にウィリーのカリスマ性に引き込まれていく姿を見事に演じきってました ウィリーたちを乗せた車が通り過ぎるたびに映し出される十字架、 ラストの善と悪の血の交わり等、印象的な映像も見応えありました 人物構成がごちゃこちゃしちゃう点と、 人物の背景を深く掘り下げて描いてくれていないので、 ケイト・ウィンスレットが演じたアンが昔のジャックの行いの仕返しを 今頃になってする気持ちが僕には良く分かりませんでした アンの他にもマーク・ラファロが演じたその兄アダム、 アンソニー・ホプキンスが演じたアーウィン判事など、 ウィリーに関わる興味深い人物の描写はもっと掘り下げて欲しかったです。 それでも、これだけの豪華キャストなので、 それぞれの魅力的な俳優同士の演技力対決のような様相で、 見応え十分な重厚な映画でした お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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こんばんわ♪
こちら、未見でした~。 出演者豪華ですね! このメンツで社会派ドラマっていうことは、 少し難しく出来てるのかな~? ショーン・ペンには『インタープリター』以来お目にかかってないので、 次回要チェックですね~(^^ゞ (2008.08.02 00:10:42)
こんにちは♪
なんかいつの時代でもどこの国でも、権力者の行きつく先は一緒なんだなぁ~と思ってしまった話でした。 豪華俳優陣の共演はなかなか楽しめましたね。 ショーン・ペンは堕ちてゆく政治家をなかなか好演してました。でも清廉潔白な市民のはずだった時に既に「悪いことしそうな」顔をしていたのには違和感ありましたけど(笑)。元々悪人顔なのか、内容を知っていたからそう見えちゃったのか…う~ん、ちょっと惜しい! どんな役でもこなしてしまうカメレオン俳優(?)のジュード・ロウは流石でしたね。本当に上手だよなぁ~。 (2008.08.02 16:49:53)
こんばんは♪
お返事が遅くなってしまいスミマセン…。 >こちら、未見でした~。 >出演者豪華ですね! >このメンツで社会派ドラマっていうことは、 >少し難しく出来てるのかな~? 多少難しいかなって部分は感じました。 豪華なキャストの描写を丁寧に出来てないとも…(^_^;) でも、独特の映像感覚はすばらしいので必見だと思います! >ショーン・ペンには『インタープリター』以来お目にかかってないので、 >次回要チェックですね~(^^ゞ 是非是非、感想を楽しみにしてます♪ (2008.08.08 23:23:28)
こんばんは♪
>なんかいつの時代でもどこの国でも、権力者の行きつく先は一緒なんだなぁ~と思ってしまった話でした。 そうでしたね。 あんなに正義感に燃えていたショーン・ペンが 豹変にはがっかりでしたね(^_^;) >豪華俳優陣の共演はなかなか楽しめましたね。 >ショーン・ペンは堕ちてゆく政治家をなかなか好演してました。でも清廉潔白な市民のはずだった時に既に「悪いことしそうな」顔をしていたのには違和感ありましたけど(笑)。元々悪人顔なのか、内容を知っていたからそう見えちゃったのか…う~ん、ちょっと惜しい! 確かに、悪人顔ですよね(^_^;) 僕もこの人には裏があると思ってしまってました…。 >どんな役でもこなしてしまうカメレオン俳優(?)のジュード・ロウは流石でしたね。本当に上手だよなぁ~。 ジュード・ロウってすごいですよね♪ おっしゃる通り、”カメレオン俳優”って感じがします! 二枚目で演技力も備わっていて、嫉妬しちゃうくらいすばらしい俳優ですよね(^^ゞ (2008.08.08 23:29:30)
TB&コメントさせてもらっちゃいますねぇ~。
政治家って何時の時代もお金が絡むとダメになっちゃいますねぇ。 ちょっと内容は平凡ですけど、ショーン・ペンの演説にはワタシも聴き入ってしまいました。 ワタシも含めて何時の時代も投票者はこう言うのに騙される(爆 (2010.04.22 00:11:51) |