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カテゴリ:映画 ラ行
『ロンリーハート』を観ました
アメリカ犯罪史にその名を残す殺人鬼カップル、レイ&マーサをモデルに描く 犯罪サスペンス・ドラマです >>『ロンリーハート』関連 原題: LONELY HEARTS ジャンル: サスペンス/犯罪/ドラマ 上映時間: 107分 製作国: 2006年・アメリカ/ドイツ 監督・脚本: トッド・ロビンソン 出演: ジョン・トラヴォルタ ジェームズ・ガンドルフィーニ ジャレッド・レトー サルマ・ハエック ローラ・ダーン 【ストーリー】 1940年代、レイモンド・フェルナンデスは戦争未亡人や中年女性ばかりを相手に結婚詐欺を 繰り返す犯罪者。 標的は、新聞の恋人募集欄“ロンリーハート・クラブ”から選び出していた。 ある日、レイは新たなターゲット、マーサ・ベックに近づく。 しかし、そこでドジを踏んだレイだったが、逆に彼にぞっこんのマーサがその危機を救う。 これをきっかけに、2人は強い絆で結ばれることに。 以来マーサはレイの妹と偽り、詐欺の片棒を担ぐようになるが、相手の女性に異常なほどの 嫉妬心を燃やすマーサはついに殺人を繰り返すようになる。 そんなある日、女性の自殺現場に駆けつけたエルマー・C・ロビンソン刑事は、 背後に犯罪の臭いをかぎつけ捜査に乗り出すが…。 ここから先はネタバレを含みます。ご注意を アメリカ犯罪史上、最も悪辣な連続殺人犯:動機は孤独──これは実話 激しい嫉妬で殺して愛す。 極悪非道な犯行を繰り返すレイとマーサの歪んだ愛憎劇に、 彼らを執拗に追いかけるトラウマを抱えた刑事を絡め 展開していくサスペンスは、ジャズが効果的に使われ、なかなか面白い映画でした。 結婚詐欺師の男 レイが、騙すつもりで出会った女 マーサ。 ひょんなことから彼女に助けられたレイは、 マーサを妹と偽りアメリカ横断詐欺旅行に飛び回る事になるわけです。 これがアメリカに実在した歴史に名を残す殺人鬼カップルだったというからさらに恐ろしい。 未亡人や孤独な女性をターゲットにしたレイの結婚詐欺は、 ターゲットの女性と親密な関係にならなければいけないわけですが、 マーサのレイへの激しい愛情はそれが許せなくなってしまうんですね。 そんな彼女の激しい愛情から抜け出せなくなったレイ、 愛情を確認したいマーサに待っていたのは 愛情を示すために行う殺害行為だったわけで、 なんともおぞましい愛憎劇に、言葉を失います。 愛し合っているカップルだったのになぜ幸せな未来がなかったのか? なぜこんな悲惨な状況に陥ってしまったのか、人間の寂しさ、愛情、嫉妬は こんな風にも姿を変えてしまえるのかと思うとさらに怖いです。 途中、幸せそうな将来設計を語る2人の描写も観ているので 理解できない虚しさが残ります。 マーサを演じているのは、サルマ・ハエックなので、なんでこんなに美しい人が こんなに寂しさを抱えているのか、悲惨な過去があるにしてもなんとなく納得できないけど、 彼女の美貌と抜群の演技力はマーサの屈折した心を鳥肌ものの迫力で魅せてくれていて ひたすら怖かったです。 レイを演じたのはジャレッド・レトーで、彼自身はめちゃめちゃハンサムなのに、 この作品ではハゲた頭にテープを貼ってカツラを装着するという滑稽さです。 激しい感情にもがくレイの姿が何度も観られますが、ファンにはショッキングな絵かもしれません。 エルマー刑事を演じているのはジョン・トラヴォルタで、 静かで熱い闘志漲る刑事ぶりとちょいと情けない男、父親ぶりがハマってます。 さらに、『ソプラノズ』のジェームズ・ガンドルが 彼をそばで支える親友兼同僚で登場していて貫禄あるコンビを作り上げてました。 他にも、ローラ・ダーンとスコット・カーンなど、豪華キャストが見応えあります。 人生を取り戻したようなエルマー刑事のポジティヴなラストに救われたい気分なのに、 サルマ・ハエックが残した言葉の方が強烈に残ってしまいました。
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