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カテゴリ:映画 ア行
『アイム・ノット・ゼア』を観ました
『エデンより彼方に』などの鬼才トッド・ヘインズが、構想から7年をかけて挑んだ ボブ・ディランの伝記映画です >>『アイム・ノット・ゼア』関連 原題: I'M NOT THERE ジャンル: ドラマ/音楽/伝記 上映時間: 136分 製作国: 2007年・アメリカ 監督・原案・脚本: トッド・ヘインズ 出演: クリスチャン・ベイル ケイト・ブランシェット 【ストーリー】 詩人のランボーに傾倒する青年が男たちにプロテスト・ソングを止めた理由を問われ、 詩人らしい言葉で応じていく。 ウディ・ガスリーに憧れる黒人少年が放浪の末に一人のブルース・シンガーの家に転がり込むが…。 その他、プロテスト・フォークの世界で時代の寵児となる新人シンガー、仕事の成功と 裏腹に結婚生活で破綻を迎える映画スター、フォーク・ソングと決別し観客から裏切り者と 罵声を浴びるロックスター、田舎で隠遁生活を送るアウトローといった様々な人格のボブ・ディランが登場し、 彼の多面性と波乱に富んだ人生が多彩なスタイルで描かれていく。 ここから先はネタバレを含みます。ご注意を 詩人・無法者(アウトロー)・映画スター・革命家・放浪者・ロックスター 全てボブ・ディラン 6人の豪華キャストが演じる、生ける伝説 相変わらず音楽には疎いわけでありまして・・・ ボブ・ディランの事もほとんど知らぬまま、 予習もせずに観た自分が悪いのですが、非常に難解な映画でありました。 時代の変化と共に様々な音楽性を魅せるボブ・ディランを 全く共通点のないような6人の俳優が違うキャラクター名で、 時間軸もめちゃめちゃにして演じ分けていくわけでありまして、 一般的な伝記映画とは違ったアートな雰囲気も味わえる異色の伝記映画でありました。 詩人のように語る青年時代アルチュールをベン・ウィショー、 デビュー以前を投影させたらしい幼少時代の描写には、 放浪する黒人少年ウディのマーカス・カール・フランクリン、 フォーク時代のジャックと伝道師ジョン牧師の二役にはクリスチャン・ベイル、 妻との関係に悩む俳優ロビーを演じたのは、亡きヒース・レジャー、 フォークを捨てロックへの転向した時代ジュードをケイト・ブランシェット、 そして米国開拓時代の無法者ビリー・ザ・キッド風の初老のビリーは、 リチャード・ギアが演じ、豪華さ満点ですが難解度も急上昇であります。 中でも一際目を惹くのは、 フォークを捨てロックへの転向し裏切り者扱いされていた時代のディランを演じた ケイト・ブランシェットの演技でありました。 本物のケイト・ブランシェットを忘れてしまうほどのなりきりぶりでひたすら圧巻でありました。 そして、亡きヒース・レジャーの寂しげな様子も胸を締め付けられるような感じで 忘れられません。 時代毎のひとつひとつの出来事とリンクさせたそれぞれのキャラクター性と 演じた俳優の演技力が抜群なのでディランのファンの方々は きっと細かい部分にも楽しめる要素がいっぱい詰まった興味深い映画なのだろうと思います。 勉強不足の僕には、ボブ・ディランについて理解するまでにも至らず残念でありました。 しかし、全く別人のような、これだけの多面性を持っているのが一人の人物 ボブ・ディランだというのだから 改めて驚かさせると共に、監督と出演陣のボブ・ディランへ対する熱い思いが ビシビシと伝わる映画でありました。
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