|
カテゴリ:園芸
中日春秋 (書写) 外食の楽しさ嬉し春衣 巣立ちの春。大手ハンバーガーチェーンの新CМはなかなか秀逸 で、上京した若い女性が慣れぬ都会で店を見かけて入り、ほっとす る▼古里にある店で家族と語らった思い出が懐かしい。ナレーショ ンが心中を伝える。「何もかもが違う街。でもここは地元と同じ匂 いがした」。どこでも同じ味という安心感は、この会社の強みなの だろう▼規模は劣るが、特定の地でのみ味わえる外食チェーンもあ る。「炭焼きレストランさわやか」もそう。34店舗は全て静岡県内 にある▼事業拡大期に店の質が落ちたと投書が来て、無理な出店を 控えるようになった。丸くて大きい牛肉100%の「げんこつハンバ ーグ」などが看板で、県西部の磐田出身の俳優長沢まさみさんもフ ァン。テレビで紹介されたこともあり県外での知名度も高く、東京 や愛知の人も店の行列に加わる▼創業者の富田重之さんが87歳で亡 くなった。若い頃に結核を患い、食は命を支えると40歳で1号店開 店。命を授けてくれたのは両親だと、丸く大きい看板メニューは親 の愛情を表現したという。なるほど揺るがぬ親の愛だと言われれば 、あの歯応えも納得できる▼以前の講演で「最大のライバルは家庭 の食事」と語った。「たまには行こう」と大切な人と足を運び、思 い出を刻むだんらんの場でありたい。規模の大小を問わず、外食に 携わる者なら共鳴する哲学だろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.03.15 06:16:25
コメント(0) | コメントを書く |