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花の歳時記 (天南星の魅力&山野草)

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2024.03.16
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カテゴリ:園芸

中日春秋 (書写) 

 
                  新幹線今日開通の春日和音符


      福井県敦賀市の気比の松原は白砂青松の景勝地。同じ県の現・お
     おい町出身の作家水上勉も愛した。紀行文『気比の松原』によると
     、東京からの帰省では北陸線の列車を敦賀で降り故郷に向かう小浜
     線に乗り換えるが、その待ち時間に足を延ばしたという▼妻と別れ
     、故郷の親に6歳の娘を預けに行く途中にも訪れた。浜で娘は靴を
     脱ぎ、松風の中を髪を後ろになびかせて走った。数年後、再婚して
     娘を呼び戻すため、新たな妻と故郷に向かった際も敦賀での待ち時
     間に寄る。妻と浜に座り、娘の反応を案じた▼北陸新幹線の延伸区
     間金沢―敦賀間が今日開業し、東京と敦賀を結ぶ列車が走る。能登
     半島地震から2カ月半。延伸区間沿いは震源から遠く温泉などの観
     光資源も豊富な地だが、風評被害で旅行者は減ったという。日常が
     戻らぬ奥能登に思いをはせつつ、北陸復興の契機にしたい開業の日
     である▼名古屋や大阪から金沢方面に向かう客は敦賀で在来線から
     新幹線に乗り継ぐ。乗り換え客を改札の外へ誘うべく、敦賀市はP
     Rに力を入れている。かの白砂青松の名勝は誘客の看板だろう▼そ
     こで昔、水上が新たな妻とともに抱いた懸念は杞憂に終わり、娘は
     懐いてくれたという。忘れがたい海辺。「敦賀の気比の松原は、私
     にとっては、永劫のものである」と書いている▼忘れがたき思い出
     をつくるべく旅に出たいものである。





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Last updated  2024.03.16 05:26:02
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