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カテゴリ:園芸
中日春秋 (書写) ラマダンや祈り届かず春の雹 イスラム教徒のラマダン(断食月)は本来、辛いばかりではない 。日中の飲食の我慢は楽ではないが、夜になれば家族、親戚などが 集まって食事を楽しみ、語り合う▼雰囲気は絵本『ラマダンのお月 さま』(解放出版社)からも伝わる。文、絵はそれぞれ英国出身者 が担い、前田君江さんが訳した。夜の食事を準備する家族の絵に添 え、こう書かれる▼「ひるまは おなかが ぺっこぺこ。あと す こしだけ がまん、がまん。おひさまが しずんだら、ごはんをた べよう。じんわり ひろがる ほっこり あじわう おいしいって しあわせだ!」▼パレスチナ自治区ガザでも11日からラマダンに 入ったが、幸福感には遠い。イスラム組織ハマス掃討を掲げるイス ラエルの軍事作戦が続き、食料が足りない。餓死者も出ているとい う▼飲食を断ち、いつも空腹の貧者に思いをはせる人が多いラマダ ンに、深刻さを増す飢え。夜に雑草入りスープを食す家族の話を読 売新聞で読んだ。胸がふさがる。戦闘休止に向けた交渉も再開され たが、これを書いている時点で朗報は聞かない。焦燥に駆られる▼ ラマダンでは困窮者への喜捨が尊ばれる。絵本では、そのためにま だ使えるものを集める人々の絵にこう添えられる。「だれにでも やさしく できるかしら? ぷりぷり おこったり してないかし ら?」。憎悪でなく、優しさがほしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.03.21 05:01:24
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