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カテゴリ:園芸
中日春秋 (書写) 人手不足共生しあふ春の闇 箱根駅伝でケニアからの留学生を初めて起用したのは山梨学院大 である。 1989年、2区で1年生オツオリ選手が7人抜きして区間 賞。見る者の度肝を抜いたが、大学には「箱根駅伝の伝統を壊すな 」などと外国人起用への抗議が寄せられた▼地元の甲府の人々も当 初、ケニア人を見て驚いていたが、やがて打ち解け、銭湯で客のお じさんと留学生が洗いっこするようになったという。長く監督を務 めた上田誠仁さんが産経新聞の連載『話の肖像画』で明かしていた ▼箱根で外国人を使うかは各大学の考え方次第だが、日本社会全体 について言えば、もはや彼らなしには回らない。政府は人手不足解 消のため一定の技能がある外国人に与える任留資格「特定技能」の 対象分野にバスやタクシー、鉄道などの業界も加えると閣議決定し た▼2024年~28年度の特定技能の受け入れは最大82万人で、19~ 23年度の見込みの2倍超。ただ人手不足は日本に限らぬ話で安価な 働き手扱いでは来てもらえまい。彼らの日本での生活をどう支える か。共生社会をつくる覚悟が問われるのだろう▼以前、山梨学院大 の練習場に「オツオリさんたちと一緒に走らせてください」と来て 、実際に語りあいながら走った中学生がいたという。後に世界に飛 躍する山梨出身のサッカー選手中田英寿さん▼互いに認め、高めあ う。共生とはそういうことだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.04.03 05:08:14
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