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カテゴリ:園芸
中日春秋 (書写) 県知事の本音か失言蜃気楼 詩人、童話作家の宮沢賢治は盛岡高等農林学校(現岩手大農学部 )で学び、岩手・花巻の農学校で教えた。教職を辞し1人で自炊生 活を始め、畑を耕し、農家の肥料相談に力を入れた▼夏に冷たい風 「やませ」が吹き、冷害が起きる東北。有名な『雨ニモマケズ』で 賢治は、病人ら困った人がいれば東奔西走したいとつづり〈サムサ ノナツハオロオロアルキ〉とも書いた。農民に寄り添った人である ▼尊敬する人に賢治をあげる川勝平太静岡県知事が、県の新規採用 職員への訓示で「野菜を売ったり、牛の世話をしたり、ものをつく ったりとかと違い、皆さまは頭脳、知性の高い人たち」と語って農 家らの怒りを招き、辞意を表明した▼県東部の御殿場を「コシヒカ リしかない」と揶揄したこともあった。農業への愛は正直、あまり 感じられない▼ざっくばらんでいいと支持する人も多く、選挙は強 かった。大井川の水が減りかねぬとリニア中央新幹線の県内着工を 認めないと拳をあげ喝采されたが、近年は対策を示されても自説を 曲げず、頑迷とみえる人も増えた。強烈な個は評価の振れ幅が大き い▼『雨ニモマケズ』で賢治は人に尽くすことに評価を求めなかっ た。〈ホメラレモセズ クニモサレズ サウイフモノニ ワタシハ ナリタイ〉。褒められ、苦にされ、そして去る知事は賢治をなぜ好 んだか。改めて聞いてみたい気もする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.04.04 05:00:23
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