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立て込んでいた仕事が一段落したので久しぶりに更新。幾つか印象に残ったワインを纏めていく。今日はこのワイン。
同じブルゴーニュ白でも、CdNとCdBのワインは別物だ。まず、CdNの白はCdBには無い独特の硬質感が有る。CdBのワインではAttaqueに酸が来るため、チャーミングさを感じるのに対し、CdNのワインはまずミネラルを感じ、その後にゆっくりと淡い酸が来る。そのためにあまり膨らみが無く、硬質な感じを受ける。勿論作り手、クリマで違いは有るが、大体はそんなところだろう。CdBであれ程騒がれた(というかまだ現在進行形だ)PmOだが、CdNのワインでは未だ経験した事が無い。単に幸運なだけかもしれないが、CdNで白を作っている地区が大抵は石灰岩がdominantである事や、セパージュにPBは入っていたり、バトナージュが少ない作り等幾つかの要因によるものだと推測している。
さて、ワイン。この年は低気温で赤は最低だが白は酸が綺麗に有り、最上のVTだ。個人的には86と双璧だと思っている。作りはDujacで修行したSmet氏の時代。白だが全房発酵。
色は少し黄色が強くなっているものの、香りはほんのりとした白果実で、この時点でワインは健全である。そして味わい!勿論小柄だが、純度が高い果実とミネラルが完全に溶け合い、それを非常にsubtleで繊細な酸がゆるやかに覆うような構造だ。透明で球体を思わせる浮遊感が有り、フィニッシュも素晴らしい。ある意味でVogueに通じるフィネスが感じられる。
あまり知られていないが、注目に価するワインだと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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