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偏見かもしれないが、ロワールのワインと言うのはどうもブルゴーニュに対しての徒花で有るように思える。勿論、自然派として情熱的にワインを作るヴィニュロンも多いし、そういうワインを愛している熱狂的なファンがいるのも承知している。ただどうだろう、ロワールのワインの一番の魅力であり、そして残念ながら一番の弱点はセパージュに有るように思う。白に関して言うとSBは野趣に富むが洗練味に欠け、CBはどうも平板で淡白な味になりがちだし、赤は粗忽なCFだ。ブルゴーニュのセパージュ、ChやPNのように高貴な香り、ふくよかな果実味が有る故の樽との相性の良さ、そして熟成のポテンシャル。まあ、私も色々と飲んでみたが、ごく一部の例外的な作り手を除けば、残念ながらロワールの素晴らしいとされる大抵の作り手でもせいぜいブルゴーニュ中堅どころの作り手レベルのような気がする。
このロワールワイン。自根でロモランタンというマイナーなセパージュ、作り手は自然派の旗手の一人で、かなり拘って作られているこのワインは彼のトップキュベだろう。15年経っているが、酸化の要素が全く無いのは見事だと思う。ただやはりロモランタンというセパージュの故だろう、香り、味わい全てに淡い。軽やかと言えるが私にはどうもマチエール不足のように思えた。個人的にはこの値段ならPMの中堅どころの一級辺りの方に惹かれる。
これも偏見で有るがロワール好きと公言するワイン通はどうも天邪鬼で有るようにも思う。勿論、好みで有るから別段何の問題も無いのだが、彼らの発言を見ていると、確立され、高騰してしまったブルゴーニュに対して敢えて背を向けることで、自己を主張している、anti-establishmentとなっている。別段そこまでブルゴーニュを異端視しなくても良いのにと思う事も有る。そしてそういう彼らの発言を聞いていると実はブルゴーニュが好きなのではとも思えてくる事が多い。そしてこの事は日本ワイン好きとされる人たちにも共通するように思う。
やっぱりブルゴーニュは美味しい。ブルゴーニュの森を出て彷徨うとその事がよく判る。彼らも早くブルゴーニュに戻って来れば良いのにと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/06/04 11:43:05 PM
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