テーマ:今日のワイン(6005)
カテゴリ:Degustation
久しぶりのアップ。
Bourgogne、Cote d`Orの村で一番知られてない村と言えば大抵LadoixかSt. Romainを挙げるだろうが、実はBrochonでは無いかと思っている。FixinとGevreyの間に位置しDangue et Aubertin (1891)では名醸村として紹介しているにも関わらずこの村の名を知らない人は多いだろう。一部はGevreyを名乗り(これはアペラシオン策定の時にporte-drapeauとして例外的に認められた制度)、残りは敗者復活としてComblachien村と同様Cote de Nuits Villageとしてのアペラシオンが付与されている。.私の記憶では90年代にINAOがBrochonというアペラシオンを創設する事が打診されたが村全体の意思としてこのアペラシオンは要らないという結論になった。結果この村を名乗るアペラシオンはなく、これがこの村の知名度が低い事に繋がっているのだろう。
閑話休題、この米ではかなりの人気なのだが日本ではさっぱりの作り手、前にBourgogne ACの素晴らしさを書いたがこのワインもかなり良い。フラッグシップのCharmes(100年を超える超VVだ)は元よりCorbeaux(これも超VV)も日本には僅少しか入らないが、これはまだ日本に入ってくる。Cote de Nuits Villageというとどうしてもちょっと泥っぽいComblachienのイメージが強いがこの人は全てBrochon、しかもGevreyに隣接する畑から。樹齢は70年越え、完全除梗、18ヶ月樽熟と上のキュベと同一スペックで作られるところだろう。
果たしてワインの質だがこれはmediocreな作り手のGevrey1級を遥かに凌駕する。香りは黒すぐりが支配的で味わいも適度なコンポート。深み、厚みも十分あり、伸びやか。優れたGevreyに共通するテノールのような妖艶なmasculinの要素、フィネスすら感じる。Marsannayの軽薄さ、NuitsやMoreyのような土の要素はなく、Fixinのような粗雑さもない。勿論今流行りの酢酸のナチュールは微塵もない。Bourgogne ACも素晴らしかったかが、これを飲んでしまうとやはり平地のワインらしく単純で(それはそれで良いのだが)このワインの素性の素晴らしさは特筆に値するのではと思ってしまう。下山にはちょっと良すぎるワインだ。
生産量は約6000本、米では「気楽に飲める数少ないブルゴーニュ」として既に争奪戦、値段も70ドルと上がってきている。日本ではこのアペラシオンと作り手の知名度の低さで6000円ちょっとと現在のレートで半値近い。米のファンから見るとこの宝の山が放置されているのは信じられない。
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Last updated
2022/11/03 08:49:02 AM
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