ランニングの作法
中野ジェームズ修一著「ランニングの作法 ゼロからフルマラソン完走を目指す75の知恵」(ソフトバンク新書)を読んだ和歌浦Bayハーフマラソン with Jazz まで1ヶ月を切り、ランニングモードに入ってきた。週末書店でこの本を見つけ、買ってすぐに読んでしまった。とてもとても面白かった。著者紹介:中野ジェームズ修一パーソナルトレーナー/フィットネスモチベーター。効率的で、かつ継続させる独自の指導法で、クルム伊達公子をはじめ、数々のトップアスリートからモデルまで絶大な信頼を得る(予約は2,3年待ち)。「TARZAN」「FRaU」など雑誌でのエクササイズの監修は200冊を超え、全国での講演活動も年間60本を超える。目次走り始めの作法愉しみながら続ける作法ランニングシューズの作法障害予防の作法ランニングウエアの作法レベルアップの作法東京マラソンの作法 赤線を引いた箇所の紹介。朝走るなら、その前に水分をきちんと摂る。朝の水分補給は二段構え→起床直後にコップ一杯、これで睡眠中に失った分を帳消し。家を出る前にまた一杯。1時間以内のランニングなら水分補給で十分。食後に走る際は2時間程度過ぎてから。食後は内臓に血液が集まって、筋肉に必要な血液が行き渡らない。ホームコースを5キロ、10キロと最低二つ決めておくこと夜は路面が見えにくいので要注意「マピオン」が提供する「キョリ測」でキョリ計算→消費カロリーまで!休日などは大阪城や万博などホームコース以外も。地方に行くチャンスなどは宿泊場所のまわりを朝ラン。新鮮で楽しい。信号待ちは休憩時間→ストレッチはダメ「ランステ」とは「ランナーステーション」の略。ロッカーとシャワーを備えたランナー向けの施設「ラン友」を作ると継続性が高まる→80%。ランニングをはじめてもすぐには体重は落ちない。通常3ヶ月で落ちるが、落ちなければ食べすぎ。体重が1キロ減るとフルマラソンのタイムが2、3分短縮。毎日走っても、それ以上に食べれば太る場合もある。「忙しいので走れない」は言い訳。忙しい人ほど走っているし、忙しい人は病気になっている暇も無い。常に健康でいることで、仕事にも全力投球できる。タイムマネジメントの達人はランニングを選ぶ。脳細胞は大人になると減る一方で増えないと言われてきた。だが、最近ランニングなどの有酸素運動によって、脳の海馬で新たに脳細胞が生まれることがわかった。海馬は「脳のコントロールタワー」で、記憶にかかわる重要部位。なぜ走ると増えるかは不明。走るなら新しいシューズの購入から。ランナーの第1歩。軽さを基準にしない→ソールが薄くて軽いタイプは、トップランナー向け。信頼できるメーカーのものなら、重いシューズ=高機能エントリーランナーなら片足300グラムが基準(ちなみに自分は245gのNIKE)福士加代子(ワコール)は練習ではソールの厚い重いシューズ。軽いシューズを好むのは日本人だけ。1万円のものを目安に専門スタッフのいる店で購入→初期投資としては安い!足指。第2指が親指より長いのはギリシャ型、親指のほうが長ければエジプト型。日本人は7割エジプト型。私はギリシャ型。初心者用シューズは特にヒールカウンターが硬くて丈夫にできている→踵を踏んで歩くなんて言語道断!600キロ以上走ったシューズは綺麗でも捨てて、新しいシューズを購入!スポンジやラバーは使わなくても経年劣化する。レースは新品でなく100キロほど走って足になじんだものを。1990年カナダで行われた全国調査。65歳以上の男女約9000人を対象とした大規模調査ではウォーキングやランニングなど中程度以上の運動を週3回以上している人は認知症やアルツハイマー症の発症率が有意に低かった。走り出す前にストレッチをすると怪我のリスクが高まる反動を使わないで筋肉を静かに伸ばし、筋肉の柔軟性を上げる静的ストレッチ(スタティックストレッチ)は運動前は適さない→筋肉は緩んでも筋温はあがらない運動前のウォーミングアップの目的は、筋肉の血液循環を良くして温度を上げること→ウォーキングやゆっくり走ることのほうが良い一般の人がランニングをする場合ならウォーミングアップで十分。ゆっくり歩いて体が温まってきたら走り出す。ランナーがスタティックストレッチをするとすれば走った後。体は既に温まっているので筋肉は伸びやすくケアできるので重要。走る前→動的ストレッチ(バリスティックストレッチ)→反動をつけて体を大きくリズミカルに動かすストレッチ。ラジオ体操が基本。つめ先を軸に足首をくるくる回すような動作はおすすめできない。走らない日も風呂上りのストレッチは欠かさずに。アディダスのランニングサイトのなかで著者監修の「3ウェイストレッチ」の動画あり足裏ストレッチ。正座して足首を立てて、指を折って足裏を伸ばす。これだけ。アイシングは万能・・・日常の軽い筋肉痛から、足底筋膜炎などのスポーツ障害まで、応用範囲が広い。トレーナーの間では「迷ったら冷やす」が合言葉。冷やすべきところを温めたときのリスクより、温めるところを冷やしたときのリスクのほうが低いから。二次的低酸素障害の予防にもなる。筋肉や靭帯などの組織に耐えられない力がかかると、局所的に細胞が破壊される。動物の細胞は一つ一つが細胞膜で囲まれている。その膜が破れ、細胞液や「血液が周囲に流出し、ダメージの無い細胞にまで広がる。毛細血管が圧迫され酸素の供給が滞り、低酸素障害で健康な細胞まで死んでいく。死んだ細胞が多いほど治りは遅くなる。これが二次的低酸素障害。怪我の腫れは細胞液や血液が流出したところへ、それを治そうと免疫細胞が集まってきているから。アクシデント直後、腫れる前にアイシングをすると、冷やされた患部の細胞や血管が収縮して、細胞液や血液の流出が最小限に抑えられる。また冷やすと周りの細胞の代謝レベルも下がるので、少ない酸素で活動できるようになり、低酸素状態で死ぬ細胞の数も減らせる。また冷やすと神経細胞の代謝レベルも低下するので痛みを感じにくくなる。筋肉は温度が低いほど粘性があがり、動きにくくなる→不用意に動かさないよう固定化できる。安静に保てる。とにかくケガをしたら1秒でもはやくアイシング!こむらがえりのような筋痙攣は冷やしてはいけない。スポーツ障害の基本的な対処法。『RICE』。Rest(安静)、Icing(アイシング)、Compression(圧迫)、Elevation(患部を心臓より高く)。『2・2・2の法則』・・・患部を2時間おきに20分ずつ、2日間にわたって継続的に冷やし続ける。普段走り終わって疲れや痛みが抜けない部位に、20分ほどアイスバッグを当て続けるだけで十分。保冷剤をテープやラップで。市販のコールドスプレーはスポーツ障害の応急的な処置には向かない保冷剤は無料なのでコールドスプレーを買うより良い膝の外側が痛む→腸ケイ靱帯炎ランニング中は腹筋に注意を向けて、腹横筋のコルセットが緩まないように注意BMIが「25前後ならウォーキング、それ以上は水中ウォーキングや自転車で体重を減らす努力を1日摂取量=体重1キロあたり、30キロカロリー75キロの自分は2250キロカロリー筋力は1%/年落ちる喉が渇く前に給水水分補給:ナトリウム、カリウム、ミネラルを汗と同じ割合で含んだスポーツドリンクがベスト。胃での貯留時間が長いので、イモ類、キノコ類、海藻類は前日、当日は控えたほうが良い。「ランナーズハイ」とは、心身のストレスを和らげるためにエンドルフィンがでること。このことで、大脳の前頭葉に働きかけ多幸感や満足感が得られる。手と足が勝手に動いているような感覚になる。ロングタイツの効用:下半身の筋肉を適度に締め付けるコンプレッション機能あり。足の筋肉の余計なブレが抑えられてフォームも安定する。疲れにくくなる。グローブとイヤーウォーマーは冬の必需品長袖のほうが暑さ対策にある場合もある。キャップは眼への紫外線被爆を約20%軽減サングラスは眼への紫外線被爆を90%以上ブロック日本人は黒目なので、まぶしさに強い人は、透明のサングラスでも大丈夫ストレス代替療法として:今日はランニングに行きたくないと思っても、とりあえず着替えて外に出てみよう!会社で嫌なことがあって落ち込んだ日は、帰宅後ランニングをしてみよう!月間100キロを超えると中級レベル。ジョグノートなどのSNSを利用しよう。ランナーがお互いに自己紹介するときは、キロ何分と月間走行距離が挨拶代わり時速12キロ、キロ5分になると、もう胸を張って1人前のランナーだといえるレベルランニングウォッチ:セイコーのモノ。150本までラップタイム記録可レースを目指そう。具体的タイムも目標に。月間100キロを2ヶ月以上続けてフルマラソン筋肉がつることを「筋けいれん」という。原因は水分不足。疲労回復に『交代浴』。40~45度のお湯に60秒浸かり、15~20度の水を下半身にシャワーでかける。5~10セット。最初と最後はお風呂。「クライオストレッチ」アイスバッグを痛い箇所に5~10分当てて冷やすプールでの水中ウォーキング:レース前に疲労を完全に抜きたいとき、レース後に痛みがひどくて陸上でストレッチできないとき。ヒトより速く走れる動物はたくさんいますが、ヒトより長時間走り続けられる動物はいないフルマラソンに何回で出ても30キロの壁はなくならない東京マラソン:応募26万人、参加3万5千人感想帯で、増田明美さんが「この本は故障の予防薬、楽しいランニングライフに必須です!と推薦コメントを寄せている。ただただ「ランニング」と言っても奥が深く、いろんな技術があるもんだと感じた。1年ほど前からランニングを始めたが、改めて良いことばかりで始めて良かったと心底思う。膝や腰が痛めば休めばいいし、歩いてもいい。好きな音楽を聴きながら、朝の人通りの少ない道を、朝日を浴びながら走る快感は何モノにも代え難い。自分のために太陽が昇ってきたのでは?などと勝手に思って上機嫌になれる。考え方もポジティブになり、いろんなアイデアも湧いてくる。ランニングを楽しもうという精神さえ失わなければ、別にレース前に過度なプレッシャーもないし、苦しそうな顔で走り続けることもない。今の時期はランニングしていて、最高に気持ちが良い。はじめるなら今の季節が絶対いい。ウォーキングからでも散歩からでもいいので、この本を読んで、まだの方は始めてみては?!