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カテゴリ:医療
何か事故が起きたとき、当事者の責任として処理するだけでは同じことがまた起きる。元々人間はミスをするものだし、ミスを誘発しやすい環境というものもある。出来るだけミスを防ぐ環境を整えることと、たとえミスが起きてしまっても対処できる体制が必要なのだ。 「適切な救命怠った」 遺族側、法人を損賠提訴 誤投薬自体は明らかなミスだけど、それと死亡との関係はよく分からない。元准看護師が罰金刑を受けているところを見ると、裁判所の判断は関係ありと言うことなのだろう。でも、一般的に誤投薬で死亡するときは、薬自体が通常に投与してはならない特殊なものであったり、量を間違えたりしたときなのだ。他の患者に投与しただけで死亡するのであれば、本来の患者にも危なくて投与できないだろう。 今回の事例では、誤投薬が本当に死亡と関係があったとすれば、次のようなことが考えられる。亡くなった患者は精神科に入院していたそうなので、すでに鎮静剤などを大量に投与されていて、そこにモルヒネを投与されたので、呼吸不全で死亡した。あるいは、元々の大腸癌の患者の痛みは非常に激しく、大量のモルヒネが投与されていたので、他の患者にとっては致死量を超えていた。いずれにしても、モルヒネの副作用に対処していれば死亡する可能性はきわめて少ない。准看護師だけに責任を負わせることはフェアじゃないと思う。 実は患者取り違えによる誤投薬はよくあるミスなのだ。あまりメディアで取り上げられないのは、何も不都合が起きないからだ。たとえば高血圧の薬を他の人が飲んだとしても、血圧が下がりすぎて危険な状態になることはほとんど無い。たいていはゴメンで済むのである。でも、ミスはミスなので、防ぐためにいろいろと工夫はしている。複数での確認や患者識別バンドの採用など、やれることはある。人間の注意力には限界があるから、ミスをしたひとを辞めさせても何の解決にもならないのだ。 ミラーサイト お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.13 10:47:23
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