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2007.05.13
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カテゴリ:医療
当事者が 辞めればそれで 済むのかな?


 何か事故が起きたとき、当事者の責任として処理するだけでは同じことがまた起きる。元々人間はミスをするものだし、ミスを誘発しやすい環境というものもある。出来るだけミスを防ぐ環境を整えることと、たとえミスが起きてしまっても対処できる体制が必要なのだ。
 
「適切な救命怠った」 遺族側、法人を損賠提訴

記事:毎日新聞社 【2007年5月11日】



湯沢の病院投薬ミス:「適切な救命怠った」 遺族側、法人を損賠提訴 /秋田

 湯沢市の医療法人仁恵会(佐藤恵一理事長)が経営する佐藤病院で03年9月、准看護師が別の患者の薬を服用させ、入院中の女性(当時67歳)が死亡した医療過誤事故で、女性の遺族が「誤投薬したうえ、その後適切な救命措置を怠った」として、医療法人を相手取り、約3000万円の損害賠償を求める訴訟を起こしていたことが分かった。既に第1回口頭弁論は秋田地裁横手支部で3月に開かれており、法人側は「誤投薬と死亡との因果関係はない」として争う姿勢を示した。次回の今月25日以降、秋田地裁で合議で審理される。

 訴状によると03年9月3日、元准看護師が同病院の精神科に入院していた女性に対し、別の大腸がん患者のモルヒネを取り違えて投薬。女性はその後体調を急変させ、同8日に死亡した。遺族側は「死因は急性モルヒネ中毒で、誤投与とその後の対応の不適切が挙げられる」とする鑑定書を基に病院側の重大な過失を主張。一方、法人側は元准看護師のミスを認めたうえで「投薬と死亡との因果関係は認められず、死因は脳出血と考える。その後も適切な処置をした」としている。

 元准看護師は05年9月に業務上過失致死罪で略式起訴され、同年10月に罰金50万円の略式命令を受けている。【百武信幸】



 誤投薬自体は明らかなミスだけど、それと死亡との関係はよく分からない。元准看護師が罰金刑を受けているところを見ると、裁判所の判断は関係ありと言うことなのだろう。でも、一般的に誤投薬で死亡するときは、薬自体が通常に投与してはならない特殊なものであったり、量を間違えたりしたときなのだ。他の患者に投与しただけで死亡するのであれば、本来の患者にも危なくて投与できないだろう。

 今回の事例では、誤投薬が本当に死亡と関係があったとすれば、次のようなことが考えられる。亡くなった患者は精神科に入院していたそうなので、すでに鎮静剤などを大量に投与されていて、そこにモルヒネを投与されたので、呼吸不全で死亡した。あるいは、元々の大腸癌の患者の痛みは非常に激しく、大量のモルヒネが投与されていたので、他の患者にとっては致死量を超えていた。いずれにしても、モルヒネの副作用に対処していれば死亡する可能性はきわめて少ない。准看護師だけに責任を負わせることはフェアじゃないと思う。

 実は患者取り違えによる誤投薬はよくあるミスなのだ。あまりメディアで取り上げられないのは、何も不都合が起きないからだ。たとえば高血圧の薬を他の人が飲んだとしても、血圧が下がりすぎて危険な状態になることはほとんど無い。たいていはゴメンで済むのである。でも、ミスはミスなので、防ぐためにいろいろと工夫はしている。複数での確認や患者識別バンドの採用など、やれることはある。人間の注意力には限界があるから、ミスをしたひとを辞めさせても何の解決にもならないのだ。

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Last updated  2007.05.13 10:47:23
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