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カテゴリ:医療
私が医師になった30数年前には、「前回帝切」と言う診断名はあまりなかった。私の同級生の産婦人科の女性医師も、最初の子を帝王切開で産んだが、次の子は経膣分娩だった。もちろん、ある程度の確率で危険もあるのだが、全例帝王切開という必要は、実際にはないのだろう。でも最近は、前回帝切の症例は、全例帝王切開が必要のようだ。
出産時の過失で4歳児死亡 福島県立医大に賠償命令 「分娩経過を注意深く監視し、緊急の事態に対応する準備をしておくべきだった。いずれかの注意義務を果たしていれば、事態は避けられた可能性が高い」と言うのは簡単です。でも、たとえすぐに手術が可能だったとしても、母児ともに何事もなく助かったはずだというのは楽観的に過ぎるでしょう。母親だけでも助けたのはファインプレーだと言えるかも知れません。 可能性の話はともかく、遅滞なく帝王切開が出来る必要があったとしましょうか。そのためには産科医二人と小児科医・麻酔科医を各一名、助産師一名、手術部看護師二名がスタンバイする必要があります。そんな贅沢が出来るようなマンパワーはもちろんありませんし、何事もなく経膣分娩で生まれてしまえば、準備の費用は誰も払ってくれません。社会がそのような義務を病院に課すのであれば、それなりの環境を整えるのは行政の責任です。そのような体制が可能となるような費用、負担する気がありますか、国民のみなさん。税金は所得の70%くらいは必要でしょうね。(大して根拠があるわけではありません) 追記 いつも情報源としてお世話になっているブログ、「産科医療のこれから」 に詳しい情報が出ています。臨場感あふれるエントリです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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