気になっていた判決が下りた。無罪だった。詳しい内容は分からないが、割り箸事件であったようなおかしなコメントもないようだ。当然のことが当然でないことも予想されていたので、素直に嬉しい。ほっとした。
医師、遺族 重苦しく 「無罪」に思いめぐる
「被告人は無罪」。20日午前10時すぎ、福島県立大野病院事件の判決公判が開かれた福島地裁1号法廷に鈴木信行裁判長の声が響いた瞬間も、業務上過失致死罪などに問われた加藤克彦医師(40)は直立のまま、前を見据え続けた。手術中の措置をめぐり産科医の刑事責任が問われた医療界注視の事件。地裁の外で判決を待った医師の支援者らには喜びが広がったが、死亡した女性患者=当時(29)=の遺族は傍聴席でハンカチを手に目をぬぐった。明暗が分かれた法廷を重苦しい空気が包んだ。
濃いグレーのスーツに赤系のネクタイ姿で法廷に現れた加藤医師。冒頭の主文言い渡しを聞き、被告席に戻った後も表情をほとんど変えず、背筋を伸ばしたまま判決理由の朗読に聞き入った。午後零時20分に言い渡しが終わり閉廷すると、遺族に一礼して法廷を後にした。
事件をめぐっては、医療界から「医師の産科離れなど、医療崩壊を加速させた」と厳しい批判の声が上がった。関心の高さを反映し、この日は25の一般傍聴席を求め、788人が抽選の列に並んだ。
地裁の外に無罪の知らせが伝わると、加藤医師の元患者らの中には「ほんとに良かった」と泣き出す人も。千葉県から訪れた男性医師(45)は「安心した。逮捕が行き過ぎだったと思う。医師側も異変があれば事実と向き合い、患者側に理解してもらう努力が必要だろう」と話した。
真相究明を待ち望んだ遺族には厳しい判決となった。血圧低下や出血量の増大など、つらい手術経過の事実認定が読み上げられていくと、女性患者の父親はうつむきながら耳を傾けていた。
2008年08月20日水曜日 河北新報社
この件では、遺族も被害者なのだと思う。普通なら、当初は医師を恨んだとしても、時が経つにつれて死を受け入れていくものだ。それなのに逮捕・起訴となれば、やはり悪いのは医師だと言うことになり、何時までも恨みは消えないだろう。挙げ句の果てに無罪で、実は医師は悪くありませんでしたと言われても、素直に納得できないのはよく分かる。警察・検察は罪なことをしたものだと思う。これ以上罪を重ねることなく、
控訴しないことを望む。