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カテゴリ:テレビ番組
■6才の女の子が葬儀場で見たという空の色。それは薄いピンクがかった青空とは言えない薄曇りの空で、彼女はその景色を一生忘れないと言う。そんな抽象的で、どこか文学的でもある風景を実写化すること。それはこのドラマにとってはストーリーの展開以上に重要な場面でもあったと思う。
■彼女の描いた彼の似顔絵が似ていようがいまいが、その空の色を綺麗だと共感できる人が確かに存在するのだと思わせるような画面が描き出せたかどうかを演出家は問われるわけだ。 ■恋愛は衣食住だという高畑充希の提言から始まった話だが、素敵な青いドレスを着て、ワインを飲みながらフランス料理を食べ、さてどんな暮らしをふたりはするのかという「住」の部分が想像できない。おそらくテーブルをはさんで彼と彼女がする会話は好きなものについて湯水のように湧いてくるそれではない。 ■一方、毛玉の付いたセーターを着て、苺のショートケーキを食べながら、テレビのない部屋でする生活には無敵の安らぎがある。経済的な安定は確かに重要な決定要素だが発想を変えてみれば精神的な安定はそれを上回る優先事項にもなりうる。適齢期の全ての女性にアンケートをとったとしたら多数決で下回るかもしれないが強力な賛同者がそこにいるのなら少数意見も負けてはいないのだ。 ■こうして書くと有村さんには西島君よりも高良君と一緒になってもらいたいと思っているようにきこえるかもしれないが、実は私はあまりその事に関して興味関心はない。きっと彼女はどちらも選ばないし選べないと思う。 ■そんなことより今回うたれたのは介護患者役草村礼子さんの最初に思い出す人が好きな人という万感込めたセリフ回しで、思い出すたび鳥肌が立つ。声の力はすごい。画面の話で始めたが、今回に関しては目を瞑って音だけ(役名の方ではなく)聞いても充分鑑賞に堪える傑作回だったように思う。 PS 小日向社長、レレレのおじさんだと思えば、そんなに憎めない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/03/08 12:37:43 AM
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