ケース(2)...運動はしていない、慢性腰痛を抱えている。
前回のケース(1)にくらべて厄介なのは、「運動不足の人の腰痛」だ。
見た目は普通の体つきでも、体の中身は脂肪だらけで、筋肉の絶対量が少ない。
つまり、自分の体を支え、かつ歩いたり走ったりするための、車でいえば、頑丈なボディと車軸が貧弱なのだ。当然エンジンである心臓も、それほど頑健ではないはず。
一日の歩数とカロリー換算
一日の平均歩数6000歩を消費エネルギー(kcal)に換算すると、一体どれくらいになるでしょうか。
6000歩を距離に換算すると、一般的な成人男性の歩幅75cmとして、6000歩を距離になおすと、0.75×6000=4500m、すなわち約4.5kmとなります。
6000歩歩いた場合の時間を計算すると、人の歩く速度は平均して3.6~3.8km/hというから、男性の速い人で、4.5(km)÷3.8(km/h)×60(分)=71。
つまり、約70分間歩くとと、6000歩に達するということがわかりました。最後はこれをエネルギー消費量(kcal)にします。エネルギー消費量=1.05×体重(キロ)×運動量(METS)×(時間)という計算式で計算できます。厚生労働省の提示する指標によると、普通速度の歩行の運動量は4METSにあてはまりますので、体重65キロの男性が70分間歩いた場合のエネルギー消費量は、1.05×65キロ)×4(METS)×1.17(時間)=319.41kcalとなります。
これはランニングなら約30分間、水泳なら約15分間に相当する量です。意外と多いものですね。ということはつまり、特に決まった運動をしなくとも、歩く時に少し姿勢や速度などを意識すれば、それなりのエネルギーが消費できるといえます。仕事や通常の生活を送りながら、ボディラインを整えられるなら、しめたもの。
さらなる脂肪燃焼をねらう、歩き方のポイント
最後に、歩きの質を高め、さらなる脂肪燃焼をねらうためのポイントを、簡単にご紹介します。
■姿勢を真っ直ぐ正す
なにより正しい姿勢でないと、正しい効果はもたらされません。肩~腰~かかとが真っ直ぐになっているよう、常に意識しましょう。
■かかとで着地し、親指の付け根でしっかり地面を押す
かかとでの着地ができている人は多いと思いますが、問題は地面を蹴る時。この時にしっかり足の親指の付け根あたりで地面を押し、体を送ることを意識するとよいでしょう。
■大きめの歩幅で歩く
小さな歩幅で、細かくチョコチョコと歩くのはNG。大きなストライドでガシガシ歩くことで、腹筋も引き締まります。
正しい姿勢で歩くよう心がけるだけで、運動効果は何倍にもなるはず。毎日ほぼ必ず行っている「歩く」という動きを上手に利用して、手軽に体を引き締めていきましょう。