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カテゴリ:読書週間スペシャル
読書週間スペシャル、5年生の先生方のリクエストは宮沢賢治。
やれそうなのは「注文の多い料理店」かなということで、私がたたみかけるような読みで速さを測ってみたけれど、子どもに伝わる速度では13分切るのが限界。これ以上急いで読んでもそれはただの早口言葉になってしまう。賢治ファンであるらしい主任の先生にご相談する。この日だけいつもより多めに時間をとってもらうか、2日にわけるか、それともこの話は下げるか。結果、なるべく近い日取りをとって2日間でということに。 たっぷり読むなら朗読より絵本で行きたいね。図書館でパート職員もされている読み手さんと、もう一人は1年生のお母さんなので今年新加入だけれど実は幼児向けの読みボラをしてきた勉強熱心な方にお任せすることに(特急で読むなら私が入ることになったかもしれなかった)。なら誰の挿絵で行く? 賢治絵本を版画で何冊も出している小林敏也はさすがに味わい深い。借りた本ではできない芸当だが、ラストは切り抜きがあって、紳士ふたりの顔をくしゃくしゃにできる仕掛け付き。「注文の多い絵本」とは画家の弁である。楽天では画像がないので絵本ナビ他でご覧下さい。でもこの表紙では今一つ魅力が伝わりにくいかな。パロル舎から。この刷り具合は木版でなく石版かな。
こちらは東洋大の仏教科を出て大工さんになって、賢治を版画に彫るのに熱中するあまり版画家になったという佐藤国男の木版画。洗練された小林絵とはまた違う素朴なあったかい感じの、でもこの話らしくきちんと怖さもしのばせているというバランスのいい絵。低学年向きならこちらでもよいかも。 紳士より化け猫を描くのに夢中になってしまっている猫好きの三浦幸子の福武書店版(今のベネッセ、福武の賢治シリーズは気鋭の現代画家を次々起用した野心的なシリーズであった。絶版なのが残念)、短編集の表紙で飯野和好、和田誠(いくらそれに近い単語で書かれているからと言って、バッキンガム宮殿の衛兵さんのような服は…)、日本語版が見つけられなかったけれど英語版で司修の絵もあった。講談社版の池田浩彰はユニークだけれど若いというよりおじさん過ぎないか? 紳士という単語に引きずられたか。 やっぱりこれしかないと満場一致で推されたのはやはりこれだった。
黒が基調のいかにもスズキコージらしい1冊。完成度も高い。彼の代表作に挙げてもいいと私は思っていて、自分で読み聞かせるときも必ずこれを使っている。そういえば偕成社版の島田睦子も版画だったが、この話は画家に版画をつけさせたくなるような何かを持っているのだろうか。 版元の三起商行はあのミキハウス。賢治絵本も、え、こんなのまでという面白いタイトルをいろいろ出してくれている。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.11.07 14:27:48
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