カテゴリ:カテゴリ未分類
福島県の原発事故は連日マスコミで取り上げられている.さまざまな解説がされているが,どうも要領をえない.おまけに私の物理学の知識は高校どまりで,以後あまり使うこともなく,錆び付いている.マスコミの解説を基に,不明の点も含め自分なりの言葉で整理してみよう.
地震が起こって原子炉は運転を停止した,と報道されている.「運転を停止」とはどういう状態を指すのだろう.いろいろ聞いていると,どうやら「制御棒を完全に上端まで差し込んだ」という意味らしい(それなら最初からそう言って欲しい). 「運転を停止」しても,核原料からの熱発生は止まらないらしい.なぜ止まらないのかは初期のTV解説では全く理解できなかった.核分裂は止まっているけれども余分の熱が...とか言っていたな. 要するに,ウランの核分裂は止まっている,という意味らしい.ウラン原子核が分裂してできた様々な物質は,多くは放射線を出す.つまり原子核の核崩壊は継続している.だから熱を出し続ける. だから「運転を停止」しても冷却水は流し続けねばならない.ところが電力が供給されなくなったので,冷却水の流れが止まった.これが今回の事故の主要な原因らしい. 「運転を停止」しても,上記の通り熱は発生し続けるわけだから,タービンは回るのでないか? だから発電は低レベルでも続行できるし,その電力で冷却水を還流させられるのでは? と疑問に思った(これだからシロウトは...と言われるかな?). もう1つの方法はディーゼルエンジンによる自家発電.地震か津波の影響で,そのエンジンの燃料(重油)がなくて,自家発電が十分に機能しなかったらしい.ディーゼルエンジンが冠水したため動かなくなったとも聞いた. 第1原発の4号機は,運転休止中だったが,核燃料を保管してあったプールの水が減った.このため核燃料が過熱し,発生した水素が爆発した. どうして水素が発生するのかは,よく理解できない.核反応の生成物なのか,それとも水の分解? 前者だとすれば水素のほか重水素,三重水素も発生するのだろうか.三重水素は放射性物質である. このプールは普段どのような方法で冷却していたのかが不明.随時水を加えて蒸発ぶんを補うような管理方法だったのか? それとも,プールの水も循環させて冷却させるような仕組みなのか? 連日あれほど報道と解説がされているのに,聞けば聞くほど混乱する.報道で伝えられる情報とはこういうものか,と少々あきれている. 追記. これを書いて以後,いろいろ判明した.たとえば水素が発生するのは,核燃料を入れている金属管の材料であるジルコニウムが酸化された結果だという.水(または水蒸気)がジルコニウムに酸素を奪われた結果,水素が発生する. すると「使用済み核燃料」の水が「蒸発によって減ったため」,とNHKが何度も報道しているのは,正しくないことになる.この報道を信じて私は水素発生の原因は核燃料そのものだと勘違いしていた.正しくは,水が減った理由は,ひとつは蒸発のため,もう1つは「水素の原料として消費された」ためである. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 20, 2011 06:48:30 PM
コメント(0) | コメントを書く |
|