遍路ころがしー21番札所太龍寺ー遍路日記その9
さて、20番鶴林寺から21番太龍寺に至る道が難所です。来た道を下り、登り口の生名に戻ることも考えましたが、時間もまだありますので、直接山道で21番札所へ向かうことにしました。距離は6,5K標高500Mから50Mまで下り、再び520Mまで登ります。まず、下りが問題です。かなり急な下りです。荷物の負荷が足にかかり、意外に体力を使います。さらに疲れているときは足を痛めやすいので、ゆっくり慎重に下りていきます。かつては、20番→21番を1時間半を切り、車のお遍路さんより早く着いたものですが、今は昔(*^_^*)一部の道では草が生い茂り、通行しにくいところがありました。この時期になると通行不能になるへんろ道も少なくありません。四国の温暖な気候は驚くほど草木を成長させます。わずか二キロで45分もかかりましたが、無事に降りられたことに感謝して、麓の八幡神社にお参りしました。八幡神社のすぐ下のあずまやで休憩します。先ほどの青年が先客です。少し下ると集落があり、那賀川を渡ります。那賀川は渇水と言われており、水は少ないですが、川幅は驚くほど広いです。橋を渡ってしばらくは舗装路を谷沿いにだらだら登って民家がない山の中を進んで行きます。途中にあずまやがあり、再び青年と出会います。さらに進むと急に視界が開け、こんな山奥に田畑が現れます。そこから急な山道に入ります。途中で休み休み登っていきます。坂道では滝のように汗が噴き出します。もし雨天で合羽を着ていたら登れないでしょう。しかし、少し休むと汗がすっと引き、涼しくなってきます。しばらく、休んでいると鳥の声が聞こえてきます。必至になって登っているときは、周りの景色を見えない、音も耳に入らない。こうやって、静かにしていると周りもだんだん見えてきます。少し登ると、道は緩やかになり、コンクリートの道に出て、太龍寺の山門が見えてきました。もう1時近くなっており、鶴林寺から3時間経過していました。境内に入ると4人の歩きらしいお遍路さんがいました。どこから出現したのでしょう?一人は、先ほどの青年。二人は夫婦?カップル?もう一人は、先ほど鶴林寺の登りで抜いた年配の女性でした。私が抜かれていないのになぜ???話を聞くと、お接待でロープウェイ乗り場まで車で乗せてもらったということです。今日は21番の麓の宿に泊まると言います。やっと納得しました。太龍寺は弘法大師の「三教指帰」に出てくる阿国大瀧嶽と言われています。ここにはかつて奥の院である龍王の窟という洞窟がありました。弘法大師が求聞持法をしたとしたらここだったのではないかと思われます。戦前までは存在していましたが、現在はありません。驚くべきことにセメント会社に売られてしまい失われてしまいました!貴重な霊場であっただけに残念極まりありません。大きな杉の木立に囲まれた静かな場所です。西の高野と言われています。最初ここへ来た時には大きな寺院なので、なるほどと思ったものですが、多少大袈裟です。確かに、大師堂は高野山の奥の院の雰囲気に似ています。ミニ高野ぐらいが適当です!お参りしているうちに、4人の歩き遍路さんはいなくなっていました。ロープウエイを使うので、もう彼らとは会うことはないでしょう。人気ブログランキングに参加しています。クリックよろしくお願いします。 ↓