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2017年12月17日
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カテゴリ:漫画・アニメ
★ 『日に流れて橋に行く』 日高ショーコ (2017年~)



電子書籍にて 既刊1巻読了。


以前、「この人の “BL以外の” 作品も読んでみたい」と、ここで書いたことがあったが、念願かなって(?)、メジャー誌(『月刊 YOU』)掲載作品である(実際には4~5年前、同誌に前後編の作品を描いてるらしいので、初めてではないようだが)。


舞台は明治時代後期の日本橋、時代の波に乗り遅れた老舗の呉服屋の経営を立て直そうと奮闘する青年らを中心に描かれる。


相変わらず、絵柄に関しては、適度な写実性を保ちつつ、漫画的な美化の加減が絶妙で、(少なくとも男性キャラに関しては)万人に受けるデザインだと思う。 ファッションやポーズ、表情を含めて、人物の佇まいに品がある。

各メインキャラの印象的な登場で読者の興味を引き付けつつ、時代的な背景や人心の動静などもテンポよく織り込まれており、物語の滑り出しとしては申し分ない。


日高ショーコさんは、原作と作画担当の二人組らしいが、恐らく、非常に趣味嗜好の合うコンビなのだろう、ストーリーと作画のマッチングが絶妙だ。

同じく明治期が舞台の 『憂鬱な朝』 は、絵的には時代の雰囲気を捉え、ストーリーもよく練られているものの、BL要素がかなり濃厚な為、読者層が限定されて残念、と指摘したが、この作品は、このまま「朝ドラ」のシナリオにでもなりそうな、設定も絵的にも、健全でリアルなムードに溢れている。


BL漫画家では、他にウノハナさんなども二人組だが、ジャンル的に、趣味さえ合えば方向性は変わりにくいこと、元々、同人誌など仲良しの集まりから始まることが多い(世間一般からの目線も厳しいだけに絆も深かろう)こと、等々から考えると、二人組が成功し、かつ長続きするケースは多いのかもしれない。


日本では、ストーリー(ネーム)も作画も両方デキる漫画家が多数存在する為、それが当たり前のように捉えられがちだが、潜在的には、絵は描けないけどアイデアはある人、或いはその逆も沢山いるだろうし、寧ろ、手分けをすることによって、より緻密な作品を産み出せるケースも当然あるだろう。

まあ、藤子不二雄のように、双方がストーリーも作画も出来るが故に、実際には共同制作が長続きしなかったり、レアケースではあるが、原作者と漫画家との間で権利関係のドロドロの争いを繰り広げた挙げ句、作品そのものが絶版状態になってしまっている 『キャンディキャンディ』 の例もあるので、ノーリスクとは言い切れないが…。


それにしても、実は「この作家のBL以外の作品を読みたい」と書いた時は、私がBLを読みだして間もない頃で、当時は純粋に「健全な」作品を期待していたのだが、すっかり「腐女子化?」してしまった今、心のどこかでつい、この作品に対しても、BL展開を妄想してしまいそうになる自分に恐怖している。


BLがジャンルとして確立して以来、いわゆる「フツーの漫画」ファンとの間に溝が生まれ、中には、ちょっとしたBL展開や BL漫画家そのものに対して、憎悪にも近い批判感情をぶつけてくる読者もいるようなので、「BL作家の日高ショーコ」の新作として、この作品を紹介することは、足を引っ張ることにもなりかねないなと、ここまで書いておいてちょっと反省している。


ともかく、才能のある作家さんなので、偏見を持たずに読んで欲しいと思う。




<関連日記>
2013.9.19 日高ショーコ 『 花は咲くか 』…… この人の 「普通の作品」 も読んでみたい

2015.12.30. 無駄に(?)作画のいい BL漫画家たち


2016.12.13. 日高ショーコ 『 憂鬱な朝 』 ・・・ 明治期の華族の意識を とことんまで描く


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最終更新日  2017年12月17日 00時16分34秒
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