赤坂×早稲田大学と題して、早稲田大学の建築学科の公開講座がありました。
坂をテーマに、早稲田大学の建築学科の学生が映像と立体を創ったというものです。
どんな作品か興味があって、ちょっと寄ってみました。
映像は、赤坂の地形、歴史、文化のさまざまな重なりを映像を通して再発見しようというもので、綜合タイトルが「アカサカサイドストーリー」になっていました。
30秒の映像表現です。
30秒で、けっこう表現できるのだなと感心しました。
早稲田大学の建築学科の講師4名と、ゲストに日本坂道学会会長の山野勝さんも来ていました。
学生の映像をまず全員、60名見て、そのうち16作品を、先生方がコメントしていきます。
赤坂、坂、サイドストーリーで、それぞれが30秒の作品を創っていますが、バレエティに富んで面白かったです。
一番分かりやすいのは、着物を着た女性が風呂敷に何か包んで、坂を歩く映像です。江戸の地図を折り込んで、江戸情緒を出していました。
どこの坂だったか、練り塀のある坂をお婆さんが上っていく姿をとらえ、そこを車が通りすぎ、大きなビルが映る映像。昔を描き、車で切って、今を捕らえたということです。
靴だけを写して、薬研坂を靴が歩く映像もありました。
ガラスや、水や、磨いた石に映る建物、人で赤坂を表現している人もいました。
裏町で暮らす、つまり、赤坂は、働く人だけの街ではなく、人が住んでいる街だということを表した、それこそサイドストーリーの映像も良かったです。
坂に囚われていないですね。
でも坂が映されているのですが、その坂の名前を次々と言い当て、その歴史も語るのが、日本坂道学会会長の山野勝さん。
さすがですね。
日本坂道学会は、山野勝さんとタモリさんの2人だけの会です。
タモリさんは、 NHKで「ブラタモリ」をやっています。
この番組とても面白いのですが、つい見逃してしまい、しまったと思う番組です。
「坂」というのは、このタモリさんの著書『タモリのTOKYO坂道美学入門』( 講談社、2004年)でパッと火がつきました。
それ以後、「坂」がいろんなところで取り上げられています。
この早稲田大学の建築学科もいくらか、その流れに乗っているのかな、と思いますが、建築学部としては、もともと持っていたテーマだったかもしれません。
坂をどう見るか、学生の映像からいろいろ考えました。
坂の道を見るか、側面の表情を見るか、登りと下りの違い、階段、雨の日、音、光、・・・。
ちなみに、山野勝さん、タモリさんが坂道を見る鑑賞の点は、
1. 勾配の具合を自分の目で確かめる。
2. 湾曲の行き方(角度・傾斜)はどうなっているか。
3. 周囲に江戸などの歴史、景色、風情を出す物があるかどうか。
4. 坂道の名前の由来など、由緒を自ら調べ感じとれるか
この4点だそうです。
今回も山野勝さんがこの視点での話をされました。
江戸の地図に載っているところで、多くの坂はそのまま残っているのだそうで、私も坂のファンになりそうです。
早速、会場のそばの坂を撮って撮ってみました。
![赤坂の坂](https://image.space.rakuten.co.jp/lg01/63/0000466463/87/img55573867zik5zj.jpeg)