続けて、出光美術館の「ユートピア-描かれし夢と楽園-」展に行って来ました。
金曜日の夜行きました。20日の日曜日で終わりです。
久しぶりの出光美術館。夜だと別天地です。都心の皇居前のビルの上だとはとても思えません。
「ユートピア-描かれし夢と楽園-」というちょっと変わった展覧会名ですが、構成は次のようになっていました。
1:夢ものがたり -夢見と夢想、そして幻想
2:描かれし蓬莱仙境 -福寿と富貴
3:美人衆芳 -恋と雅
4:花楽園 -永遠なる四季
ユートピアutopiaは理想郷ですね。
(ユートピアという言葉は、もともと16世紀のイギリス人トマス・モアが書いた本の題名で、その物語中に登場する架空の国の名前です。モアはその虚構の理想国家に照らして同時代の国家、社会の現実を批判し、そこから転じて「ユートピア」という言葉は現実の社会よりも優れた、理想的な社会のことを指すようになりました。)
寝てみる夢も、豊かだとユートピアなのだ。自然の美と、美しい人、これも夢、ユートピアですね。
「吉野龍田図屏風」は圧巻ですね。吉野の桜、龍田の紅葉。あでやか。しばし酔いしれます。2双の大きな屏風です。
桜の吉野は白い絵の具・胡粉を盛り上げるようにして、花弁を一枚ずつ塗り込み埋め尽くしています。龍田の楓、色づく紅葉を満面に描いています。
酒井抱一の「十二ヶ月花鳥図貼付屏風」。この絵は、平成19年10月1日、日本郵政公社が民営化した際に発行された「民営会社発足記念(琳派)」に用いられているのだとか。
俵屋宗達「伊勢物語図色紙『武蔵野』」江戸時代
伊勢物語12段。
むかし、男ありけり。人のむすめを盗みて、武蔵野へ率てゆく程に、盗人なりければ、国の守にからめられにけり。女をば草むらのなかにおきて逃げにけり。道くる人、「この野は盗人あなり」とて火つけむとす。女わびて、
武蔵野は今日はな焼きそ若草のつまもこもれりわれもこもれり
とよみけるを聞きて、女をばとりて、ともに率てけり。
「伊勢物語」、かつて、講座で聞いたことを懐かしく思い出して、観ました。
かなりの人が来ていましたが、ゆっくり観ることが出来ました。
出口近くのルオーとムンクの絵もすてきです。
特に、ムンクの「大きな犬と小さな犬」が、ムクを思い出せて、みとれました。