483101 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

箱庭

箱庭

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

鳥海摩耶

鳥海摩耶

カテゴリ

サイド自由欄


非常口

Twitterアカ。ブログ情報他、アニメ、ゲーム、ラジオの感想等呟いております。
2012.11.19
XML
カテゴリ:HoI2AAR
1953年1月1日 ワシントンD.C. ホワイトハウス

ドワイト・D・アイゼンハワー2.jpg アメリカ合衆国大統領 ドワイト・D・アイゼンハワー
「ハッピーニューイヤー、諸君」

リチャード・M・ニクソン.jpg アメリカ合衆国副大統領 リチャード・M・ニクソン
「明けましておめでとうございます、大統領閣下」

ジョージ・C・マーシャル.jpg アメリカ合衆国国務長官 ジョージ・C・マーシャル
「当選、おめでとうございます」

ドワイト・D・アイゼンハワー2.jpg
「いやいや、皆の献身的な支えがあってこその今の地位だよ。これからも、よろしくお願いする」

リチャード・M・ニクソン.jpg
「ありがたきお言葉」

ドワイト・D・アイゼンハワー2.jpg
「・・・さて、まず我々のやるべきことは、アメリカを差し迫った戦争の危険から遠ざけることだ。さしあたって、軍の展開状況を確認したい」

マシュー・B・リッジウェイ.jpg アメリカ合衆国国防長官 マシュー・B・リッジウェイ
「はい、大統領」

 国防長官の人事を巡っては、前任者のマッカーサーが第1候補であった。しかし、枢軸国との緊張緩和を掲げたアイゼンハワーと激しく対立、大統領選の出馬まで匂わしたマッカーサーを排斥する動きが盛んになり、大統領選期間中にマッカーサーが「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」という言葉を残して退任するという一幕があった。新国防長官に就いたのは、アイゼンハワーや国務長官マーシャルと親しいリッジウェイである。

マシュー・B・リッジウェイ.jpg
「現在、陸軍の大陸派遣軍はトリポリの前面に主力を置いています。航空戦力も軒並みリビアに配置されて待機中です。海軍については、第5艦隊を北海、第6艦隊が地中海を担当に常時哨戒に当たっています」

ドワイト・D・アイゼンハワー2.jpg
「リビアにいる兵力は?」

マシュー・B・リッジウェイ.jpg
「280個師団、約250万名。空軍も合わせれば300万を超えます」

ドワイト・D・アイゼンハワー2.jpg
「枢軸国の兵力はどうかね?」

マシュー・B・リッジウェイ.jpg
「正確な数は掴みきれておりませんが、偵察機の報告や通信の度合いから勘案しますと、150個師団程度がトリポリ周辺に展開しているものと考えられます」

ドワイト・D・アイゼンハワー2.jpg
「・・・本当に、よく戦争にならなかったものだ。最初にも言った通り、リビアにおける緊張を緩和することを当面の目標とする。まずは、トリポリ前面の部隊からいくつかの歩兵軍団を引き抜き、エジプトに入れよう。我国はあくまで戦争を望んでいないことを世界に示すのだ」

マシュー・B・リッジウェイ.jpg
「了解しました」

・・・・・・・・・

リチャード・M・ニクソン.jpg
「お疲れさん」

ジョージ・C・マーシャル.jpg
「・・・本当にアレをやるのか? ニクソン」

マシュー・B・リッジウェイ.jpg
「明らかに越権行為だぞ、あの計画は」

リチャード・M・ニクソン.jpg
「これもアメリカのためだ。大統領も言っていただろう? 戦争を回避する手段として実行したと言えばいい」

ジョージ・C・マーシャル.jpg
「しかし・・・」

マシュー・B・リッジウェイ.jpg
「・・・大統領には言わなかったが、国連に枢軸国を取り込めなかった時点でいくら譲歩しても戦争は不可避だぞ。言い訳になるか?」

リチャード・M・ニクソン.jpg
「いずれにしても同盟の引き締めは必要だし、『彼ら』の存在はアメリカにとって不利益だ。計画通り国務長官には同盟国の経済復興を、国防長官には対枢軸戦の計画立案と、アレについて根回しをお願いする」

ジョージ・C・マーシャル.jpg
「・・・分かった」

マシュー・B・リッジウェイ.jpg
「・・・」



 アイゼンハワーが大統領選に勝利した1952年には、左翼政権が政権に就いたビルマが連合国から離脱。盟主としてのアメリカの指導力に疑問の声が出始めていた。アイゼンハワーが枢軸国との緊張緩和に率先して尽力する一方で、閣僚は同盟の強化を進めた。副大統領のニクソンは精力的に友好的、非友好的に関わらず同盟国や中立国を訪問してアメリカとの協調を訴え、マーシャルは世界中に跨る同盟国に対しマーシャルプランと呼ばれる積極的な復興支援を実施した。

 アイゼンハワー、マーシャルが特に重視したのはグレートブリテン3ヶ国、すなわちイングランド、スコットランド、ウェールズである。対枢軸国戦略の重要な拠点であるグレートブリテン島の経済や市民たちは長期戦と本土決戦で消耗しており、国内でくすぶる反米感情を和らげるためにも必要とされたのである。トルーマン政権時代よりイングランドには駆逐艦の譲渡など軍事的支援が行われていたが、これに工業用の原材料や食料に至るまで贈与や借款の形で経済を復興させるための要素を送り込んだ。一見アメリカにとって一方的な支出を強いられたように思えるが、第2次世界大戦によりだぶつき始めたアメリカの供給力の捌け口として機能したため双方に恩恵がもたらされた。

 一方で、リッジウェイの指導の下軍の強化も合わせて推進された。ドイツ第三帝国やイタリアなどは相も変わらず軍備を増強しており、それに対抗すべく動員がかけられたのである。特に伸張著しいクリーグスマリーネとイタリア海軍を同時に抑えるため、海軍は優遇された。制海権の確保は、アメリカにとって国家戦略上必要不可欠だったためである。結果、アメリカ海軍は1954年までに戦闘艦艇だけでも空母72隻、戦艦28隻等280隻を保有する世界最大最強の海軍になっていた。艦艇の総数では潜水艦を重視したドイツ国防海軍にやや劣ったものの、艦船建造や乗員の練度では劣るわけもなく、海軍首脳陣も自信に満ち溢れていた。

 過熱した軍拡競争は世界中の注目の的であり、人々は否が応にも第2次世界大戦の勃発直前を思い出していた。イギリスのチェンバレンらが推進した宥和政策が、結果的に第2次世界大戦勃発を止められなかったのも事実であり、いつしか「譲歩した方が負け」という「空気」が醸成されて行った。世界が二極化される中でヒトラーの敷いた情報統制は強固なもので、イギリスのチャーチル元首相(戦後アメリカに移住)に「ドーバー海峡とピレネー山脈には鉄のカーテンが降ろされている」と言わしめた。


続く。

HoI2集

アメリカAAR






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012.11.19 20:47:17
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.