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1957年1月15日 ワシントンD.C. ホワイトハウス
「ニクソン。私はこれよりロンドンに行き、核兵器の保有を宣言する。異論はないな?」 「もちろんです。核兵器の開発監視を国連に委託するという大統領の基本方針にも異存はございません」 「そうか。核兵器の存在が明らかになれば、今度こそ国家間の戦争は撲滅されるだろう」 「そうですね。そしてその栄誉は貴方のものです、大統領」 「私個人の栄誉など・・・。嬉しいことには違いないがね。・・・さて、1つ質問がある」 「何なりと」 「キューバ、ウルグアイ、ドミニカ、エルサルバドル、リベリア、フィリピン、ハイチ、ビルマ、ポルトガル・・・これらの国の共通項は?」 「・・・?」 「分からんか? 分かるはずだぞ」 「・・・第2次世界大戦以降、我国と同盟を結んだ国家・・・でもありませんね」 「そうだな。キューバ、ドミニカ、ポルトガルなどは連合国に参加していないな」 「・・・分かりません。答えを教えて下さい」 「・・・本気で言っているのか? まあ、いい。答えは第2次世界大戦終了以降・・・いや、この政権が発足する前後から、クーデターが発生した国家だ」 「・・・ああ、そうでしたか」 「そして・・・そのクーデターが発生する直前、『君』が訪問した国々でもある」 「・・・」 「ニクソン。それらの国々のクーデターに、君は関与していたのか?」 「・・・」 「答えよ。私しか聞いておらんし、誰にも言わん」 「・・・困ったものですね。そう言われればますます答えにくくなる」 「認めた、ということでいいな?」 「それを知って、どうするのですか?」 「どうもせんよ。・・・今は」 「・・・怖い言葉ですね。分かりました。言いましょう。確かに、各国の親米組織のトップと会談し、支援してきました。ですが、これもアメリカのため。クーデターの成功により、反米勢力は淘汰されようとしています。非同盟国にはすでにスパイが入り込み、いつでもクーデターを起こせる段階にあります」 「・・・たまげたな。核兵器に続き、私に黙ってそんなことまでやっていたとは。バレたら首が飛ぶぞ?」 「飛ばすも飛ばさないも判断は貴方次第ですよ、大統領」 「ふん、まぁいいさ。答えただけマシだ。だが・・・ニクソン。これだけは覚えておけ。愛国心は、免罪符とはなり得ない」 「・・・はい。肝に命じます」 「それから、君がこれからの身の振り方をどう考えているかは知らんが・・・大統領選に出るとしても、私の支援はないと思え」 「・・・了解しました」 「それでは、行ってくるよ」 「行ってらっしゃいませ。御武運を祈ります」 続く。 HoI2集 アメリカAAR お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.11.26 12:06:35
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