ソ連AAR 第5回
1943年1月1日 モスクワ クレムリン「フィンランドに侵攻する」「新年最初の言葉がそれか。毎度毎度唐突すぎるぞ」「問題ない。私はいつも通りだ」「いや、それも分かってるから。したけりゃしなよ、止めやしないからさ」「フィンランドは潜在的な敵性勢力だ。故に滅びねばならぬ」「だあぁっ、うるさいわ、ボケ!」 徐にスターリンの左胸へコークスクリューをぶち込み、更に身体を八の字に動かしながら左右からのラッシュ! そしてとどめに上から叩きつけるような右!!「ミ、ミラクル!」 ともあれ、かつて赤軍将兵や共産党幹部に向けられていたスターリンの猜疑心は、今やソビエトと国境を接する国家に向けられていたのである。*「しまった・・・」「間違えて講和を選んでしまった・・・」「ダメだこの国」 フィンランドとの講和条約の期限は1年後までだったため、スターリンのプランは1年ずれ込む事になった。スターリンは、この1年の間にモロトフの進言を聞き入れ、悪化した自由主義各国との関係改善に努める事になるのである。 * 赤軍はフィンランドとの講和条約期間中に最新鋭戦車であるT34/85の生産、配備に着手し、1個軍団をまず極東に配備した。フィンランドとの国境付近に配備された部隊はすでにフィンランド軍の十倍に達しており、航空戦力においても圧倒しているため、今後警戒を要する極東方面に優先的に配備される事になった。そして、タンヌトゥヴァがソビエトに吸収された。同国への中国の影響力は完全に失われ、ソ中関係に微妙な空気が流れるのに、そう時間はかからなかった。*「さぁてこれで心おきなくフィンランドと戦争できるというもの。併合ボタンを押すのが今から楽しみだ」「しかし同志書記長。何故そうもフィンランドに拘るのです? 確かに史実では、冬戦争において苦戦しましたが、もはやドイツなきこのプレイではフィンランドを相手にしなくてもよいのではないですか?」「何を言うか、同志モロトフ。あの忌々しいマンネルヘイムはソ連人民最大の敵だ。一刻も早く排除しなければならない」「それならば、暗殺コマンドを実行すればよいのではないでしょうか」「バカ野郎、あれはHoI2ドゥームズデイから始まったコマンドだ。いまだに無印の我々に暗殺などと言う手段はない」「それもそうですね」「というわけでレッツ宣戦布告!」「全軍突撃せよ!」 史実において、フィンランド軍は優秀だったが、1944年にもなると質的にも赤軍に劣っていた。質、量ともに劣るフィンランド軍に勝ち目はなく、短期間でソビエトに併合された。「まだだ、まだ終わらんよ!」 しかし、スターリンの北欧への執着は、まだ終わりではなかったのである。*1945年1月1日「Happy new year,同志ジューコフ。赤軍参謀総長就任おめでとう」「ありがとうございます、同志書記長。しかし、新年早々私がここに呼ばれた理由は?」「うむ。現在フィンランドに駐留している部隊を使い、スカンジナビアを手中に収めて欲しい」「スカンジナビアを・・・スウェーデンもですか?」「もちろんだ」「しかし、スウェーデンは武装中立国で・・・」「いいかね、同志。スカンジナビアは我国が北海、北大西洋に進出するための重要拠点になる要素を持っている。また、現在開発が進められている戦略ロケットの発射基地としても最適だ。故に、我国はスカンジナビアを占領する」「・・・分かりました。偉大なる同志、スターリン閣下の仰せのままに」 実際には、よそのプレイ日記で見た「スカンジナビア」という国を建国したいから、という本当の理由を、スターリンは結局誰にも言わなかった。 こうして、ソビエトはスカンジナビアを占領した。しかし、スターリンが「スカンジナビア」がデンマークも併合しないと建国できないと知るのは、後になっての事である。 続く。HoI2集ソ連AAR