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2008年02月03日

決戦、スーモーキーマウンテン、15 　「グレ・ゴリオ２世の勝利」

カテゴリ：◆　決戦、スモーキーマウンテン

■ジュピター(ゼウス)

「ジュピター、応答せよ。　ジュピター応答せよ。」

「こちら、ジュピター。」

「グレゴリオです。　今、スモーキー・マウンテンを制圧しました。」

「ごくろう。」

「ところで、敵の暴力団と、精神障害者を捕獲しておりますが、どうしますか？」

「いいか。　殺してはならない。　連中も、大切な食料だからな。　宇宙では、飢えた、かわいそうな子供たちが、待っているんだ。」

「それでは、アルファーセンチュリーまで、護送しますか。」

「そうしてくれ。」

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　ジュピターは、その報告に、満足気だったが、そこへ、ジェーコムが入って来て、

「大変です。　宇宙食品安全委員会が、うちの工場の方に来ております。」

　と、言った。

　ジュピターは、急いで、行ってみると、係官らしき男が、

「この、ジュピター・ミート・ホープについて、悪い噂を耳にしました。」

　と、言った。

「それは、どう言う事ですか？」

「あなたは、普通の人間の肉に、障害者や奇形の、グズ肉を混ぜて、ハンバーガーや、餃子(ギョウザ)を作っているらしいですね。　すでに、食中毒患者が出ているんですよ。」

「私は、反差別主義者です。　だからこそ、そう言う人間も、平等に食肉にしているだけです。」

「いいですか。　障害、奇形の肉は、有害物質を含んでいる可能性があるので、食品衛生法で禁じられているのを知っていますね。　このまま、行けば、営業停止ですよ。」

「そう言う事でしたか。　どうです。　私は、法律のことは、よく知りませんので、あなたに、うちの会社に入社していただいて、その事を、詳しく、教えていただきたいと思うのですが、専務と言う地位は、いかがでしょうか？　給料の方も、今の１０倍にはなるはずですが？」

■天下り酒場

「わかりました。　そう言う事なら・・・少し、考えさせて下さい。」

「そうですか。　じっくり検討してみて下さい。　そうすれば、私の、平等主義についても、もう少し、ご理解していただけると思うのですが、・・・何しろ、宇宙では、食糧が不足していますからな。」

　ジュピターは、係官に近寄り、耳うちして、小声で、

「そう言う肉を使わなければ、やって行けないのは、ご承知ですよね。　これも、かわいそうな、宇宙の子供達の為ですよ。」

　と、言った。

　数日後、その食品衛生管理管は、ジュピター・ミート・ホープに入社し、その後、悪い噂は、パッタリと消えた。