「この世の中、悪いヤツが多すぎますね。」
「でも、悪い人がいるから、新聞屋さんとか、TV屋さんが、もうかるんでしよう。」
「確かに、そうですね。」
「あの人達も、仲間みたいなものですよね。」
「そう言われれば、そう言う気もします。」
「偽善者である事は、確かだと思いますが、もっと、面白い番組を流して欲しいですね。」
「何か、話が、変な方向に行ってませんか?」
「言われてみれば、」
その時、風が吹き抜けた。
「何ですか?」
「・・・おおっ!」
「アッ!」
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人影が、近づいて来る。
「あんた。 緒方拳さんでしょう。 必殺必中・仕事屋稼業に出ていた!」
「はやく、テーマ曲をかけてくれ! さすらいの唄だ。 はやくしろ!」
「そう言えば、すでに、死んでいるはずですよね。」
「死んでるだと、おれは、ちゃんと生きているじゃないか。 それより、曲だ、すぐかけろ。 リクエストは、さすらいの唄だ。 いいな!」
すると、曲が流れて来た。
「この曲だ。 おれは、今から、さすらいの旅に出るからな。」
人影は、そのまま消えて行った。
「・・・。」
「今の見ました! あれって、神霊現象ですよね。」
「・・・。」
「どうしたんですか?」
「こんな曲は、用意してなかった、はずだけど、しかし、確かに、流れてる・・・。」
「えっ、」
「いや、こんな事って、あるんですかねえ・・・。」
「曲が、宇宙空間を、さすらっていた、とは考えられません。」
「さすらいの唄か・・・、あるいは、そうかもね、」
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