ついにVista登場! 市場へのインパクトやいかに?
ついにVista登場! 市場へのインパクトやいかに?マイクロソフトが、新OS「Windows Vista」をついに発売した。「Windows XP」の発売から実に5年ぶりのアップグレードとあって、世界中のパソコン・ユーザー、IT業界が注目と期待をしている。しかし同時に「目新しい機能が少ない」などシニカルな報道も多い。はたしてWindows Vistaは、どれだけのインパクトを市場にもたらすのか。調査会社ガートナージャパンの2人のアナリスト、蒔田佳苗氏(PC市場担当)と針生恵理氏(OS市場担当)に聞いた。ついにVista登場! 市場へのインパクトやいかに? ■新OSの内容や魅力は、パソコンの売れ行きを決定づける大きなポイントだと思います。過去のマイクロソフトのOSはどの程度のインパクトを市場に与えたのでしょう? 蒔田 私はパソコンの売れ行きを決定するポイントは3つあると考えています。1つがハードウエア、OSなど製品自体の魅力、2つめがユーザーのニーズの高まり、もう1つは法人市場に限られますが、企業の買い換えニーズです。 では過去のWindows OSはどうだったか。Windows 95の場合は間違いなく「OSの魅力」がパソコンの販売を押し上げました。大きなインパクトを示したといえます。GUI(グラフィック・ユーザー・インターフェース)などの採用によって、それまでのパソコンでは想像もつかないほど操作性が向上。それまでパソコンを縁遠く感じていた人たちを惹きつけたのです。 ■確かに出荷実績推移のグラフを見ると、1995年は前年比120%増の伸びを示していますね。ところがその後はいったん縮小傾向に。もう一度市場が伸び始めたのは1998年から。となればWindows 98のインパクトも相当大きかったのでは? 蒔田 1998年から市場は出荷ベースで3年連続2けた成長しています。そこにWindows 98が貢献したのは間違いありません。ただし、この時は、いつくかの要素が複合的に絡んでいました。例えば同時期にアップルがiMacという画期的なマシンを発表。従来のパソコンのイメージを一新するようなファッショナブルなボディデザインによって、これまでパソコンに興味を持たなかった層までが「パソコンが欲しい」と思うようになりました。 eメールやインターネットを使いたいというニーズが幅広い人たちの間で広がった時期とも重なりました。つまり、メールとネットがキラーアプリケーション/コンテンツとなり、パソコンの普及にとっての追い風として作用したのです。NTTドコモが携帯電話で打ち出したiモードも急速に浸透。下地となる利用人口がしてすでに増加し始めていました。 こうしてWindows 98搭載パソコンは順調に売れていった。冒頭で説明した2番目のポイントが色濃く表れたのです。 ■その後OSはWindows Meをはさんで2001年にWindows XPが登場しました。出荷台数は目に見えて伸びてはいませんね。 蒔田 メールやネットを購入の動機とした新規ユーザーの需要が一巡したことが影響しています。そして、メールやネットに代わる「広い層に訴える魅力的な新機能やキラーアプリケーション/コンテンツ」を、マイクロソフトのOSのみならず、あらゆるIT企業が提示できなかった結果だと言えます。もちろんWindows XPの発売時は、今回のWindows Vistaと同様に注目も期待もされました。発売直後の四半期だけ見れば、パソコン出荷台数は2けた成長しました。一定のインパクトを市場に与えたのは事実です。しかし、2001年通年で見ればマイナス成長。その後もパソコン市場はマイナス成長を続けていくことになりました。 ちょっとしたグレードUPでは。。。★ 産業総合(新事業・新商品など)ニュース ★★ 社会問題 ★