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カテゴリ:銘柄分析
今日は、ベルーナについて書いてみようと思います。
この銘柄は、KENさんの銘柄分析レポートが出ていまして、投資に当たり、定性面での買いの根拠として参考にさせていただきました。どうもありがとうございます。 いつものように定量分析からです。 財務データは04年のものを使用。ベルーナの業績データは05年3月期の速報値を使用、他の会社は、05年12月期の予想数値を使用しています。 セシールのPERが低くなっていますが、これは明らかに異常値です。繰り延べ税金資産の計上による特別利益かな?(よく調べてません)セシールははっきり言って、私の投資の対象には絶対になりません。 ざっと四季報を見た感じでは、買うとしたらベルーナしか考えられませんね。 総合通販会社をこうして比べて見ると、ベルーナの営業利益率の高さが目立ちます。売り上げ規模は、ニッセン、千趣会、ベルーナ、セシールの順になりますが、営業利益額は、ニッセンとベルーナでほぼ同じ額になっています。総合通販は、それほど製品による差別化は出来ないだろうと思えるので、何故これだけ差が出てしまうのか?少々不思議でした。過去のデータを見ても、業績の安定度も、ベルーナはピカイチです。その分、時価総額が一番高くなっています。当然ですね。 私なりに多少は調べてみたのですが、やはりKENさんのようには行きません。でもまぁ、私なりの私見を書いていきたいと思います。 総合通販業で売り上げを上げるためにはどうしたらよいか?一つの答えは「カタログの発行部数を増やす」事です。カタログの発行部数を増やせば、売り上げ自体は伸びます。しかし、ばら撒きに近い形でカタログを配布しても、レスポンス率が下がり、カタログ発行経費が嵩み、逆に利益率が下がる事になります。総合通販の課題は、売り上げを増やしながら、利益率を維持、または増やすことにあると考えます。 ベルーナの強さの最大の武器は、チラシ戦略のようです。少し古い資料ですが、年間52週のうち、チラシの発行頻度は40~45週、チラシをまく世帯数は全国紙、地方紙をまじえて全国の7割程度だそうで、その規模は凄まじい。 またチラシも、多くの企画の中から厳選したアイテムを掲載する。掲載アイテム数は16アイテムだけだそうです。チラシの効果は短く、大体2日間で売り上げが決まる。チラシでヒットした商品をカタログに掲載すると、大ヒットにつながる。もちろん当たり外れはあるのでしょうが、大きくぶれる事は無いようです。この戦略により、利益率の維持が図られているのでしょう。 チラシの利益率は低く、採算には乗りにくいようですが、集客力が大きい。つまり、チラシで見込み客を掴み、カタログで固定化を図っています。この一連の動きの中で、優良顧客を抽出し、レスポンス率を上げているようです。もちろんその背景には、経験に裏打ちされた検証、仮説に基づく優秀な企画力が存在します。 ベルーナのチラシ、カタログは、同業のニッセンあたりと比べると、明らかにファッション性と言う面では劣っていると思います。しかし、それは全て計算ずくの路線のようです。 女房と妹に、ベルーナの株式を買ったと言ったら、「何であんなダサい会社を」と責められました。まぁ、確かに30代前半だと、そう感じるんでしょうね。それが人気薄の最大の原因だと思います。しかし利益率を見ると、この会社が一番優秀ですね。 この様な営業戦略は、同業他社も知るところでしょうが、利益率の溝はなくなりません。安定度もピカイチです。かなり高度なノウハウを持っていると推察できます。 また、新興勢力がこの業界に参入しようとしても、優良な顧客情報が命でしょうから、後発企業が成功するのは、まず無理なのではないか?と思っています。 最近、ベルーナの株価が冴えませんが、特に売ろうと言う気にはなっていません。同業他社に対する優位性は明らかです。じっくり行く心づもりです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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