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カテゴリ:銘柄分析
前回の続きです。
メディキットについて、ファイブフォース分析をしてみます。 ○ 新規参入によるリスク この分野は、製品開発には技術の蓄積が必要な上、工場の品質保証認証を受ける必要があり、製品も特許で守られています。新規にこの業界に進出するのは難しいと思います。また、市場自体も数量ベースでの拡大は見込めますが、医療費抑制策のため利益率の圧迫要因が多いため、他企業の新規参入意欲もそれほど大きくはないでしょう。 新規参入リスクは、「低い」と判断しています。 ○ 仕入れ先との力関係によるリスク 製造は100%子会社である、東郷メディキットで行っており、仕入れで困ることは無いと思います。もちろん、原材料費の高騰などはリスク要因でしょうが、販売製品が付加価値の高い消耗品であるため、リスクは「低い」と思われます。 ○ 顧客との力関係によるリスク 医療機器販売の価格競争は激しさを増しているようです。国立病院機構での共同購入の拡大、SPD(医療材料の物流管理の効率化)の進展などを契機に流通業者の淘汰と再編が進んでいます。共同購入が拡大されれば、顧客の交渉力は拡大するでしょうし、SPDの進展により卸業者の規模拡大が達成されれば、やはり卸業者の交渉力が増し、価格下落圧力は増すでしょう。病院側もDPC(包括払い)制度が進めば、やはりコスト意識が働くため、価格下落圧力は増すのではないか?と考えています。 それに対して、市場の数量ベースの需要は今後増え続けることが確実と思われ、需要面でのリスクは低く、それほど「足元を見られる」ような、強引な値下げ圧力とは行かないでしょう。 また、製品の性質上、製品の質が重要視されると思います。顧客にとってはサーチコストが高く、先行企業である同社に取っては有利に働くと思います。 顧客に対するリスクは「どちらかと言えば高い」と判断しています。 ○ 代替品の登場によるリスク これは実際に現実化しています。「MRI等の画像診断機器の発展により、血管造影による症例数が減少傾向にある」と言う事で、アンギオ類の売上げが低下傾向です。 この分野は、技術革新による技術の陳腐化は、ある程度出てくるだろうなと思います。しかし、会社の開発努力次第で、これがプラスに転じる事もありえるますし、現時点で心配してもしかたないかな?と思ってます。専門知識がないので、判断つきませんから。 ○ 業界内の競争によるリスク 価格競争は、今後進展すると思われます。しかし、各社それぞれ特許を取って製品製造をしており、新機能を付加させた新製品の模倣品が出る可能性は低いと思われます。市場も数量ベースでの拡大が見込まれる上、医療費抑制策のため利益率の圧迫要因が多いため、他企業の新規参入意欲もそれほど大きくはないでしょう。 以上のことから、他社との競合はそれほど激烈なものにはなりそうにないと考えています。リスクは「低い」と判断してます。 以上のように判断しました。 上記だけを見ると、かなり事業素質が良さそうですが、実はこの他に薬事法の改正に伴う、償還価格の下落と言うリスク要因があります。恐らくこれが最も大きなリスクでしょうね。私は国内事業の収益性は弱含むと考えています。 同業他社は、多くがコスト低減を狙い海外工場で生産をしています。また、成長分野を海外に求め、グローバル展開している企業が目立ちます。例えばテルモは海外比率が35%に達しています。これは製薬会社でも見られる動向で、大手製薬会社は国内の採算性が低いため、近年欧米での臨床試験を優先して実施しています。 で、メディキットも成長分野を海外に求めているようで、海外への事業展開を重点項目の一つに入れています。しかし、まだ海外売上げ比率は前期4.8%程度で、まだまだ収益貢献するところまで行っていません。今後の成長性は、海外事業の進展次第ではないかと考えています。 海外生産では、同社は出遅れていますが、今期ベトナム工場の稼働を予定しています。効果が出るまで時間がかかるでしょうが、将来の利益率維持に貢献してくれるのでは?と思います。 事業展開としては、今期からアンギオ類の、北米輸出を本格化するようです。 同業他社に対して、株価の割安度はかなり高いと思います。安定的な需要も見込めます。キャッシュも豊富で、利益もある程度見込めそうです。現在の価格近辺で購入すれば、リスクはかなり低くなると考え、投資を決断しました。 * * * * * * * 今回は、IRに電話せずにレポート書いてます。足元業績もノーチェック、チョットまずかったかな。 確認しなきゃな~と思ってたことに、季節要因があります。病院側の予算執行の関係で、売上げの季節要因あるはずなんですが、そういえば確認するの忘れてました。レポート書いてて思い出したんです。 今日は土曜で電話できないので、今度聞いとこうと思います。順番あべこべだ~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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