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March 13, 2006
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カテゴリ:読書
これは、「詩人警視」ダルグリッシュの10作目。装幀は勝呂忠。

<あらすじ>

「ミドル・テンプル法曹学院のやり手法廷弁護士のヴェニーシャ・オールドリッジは、叔母殺しで起訴されたガリー・アッシュの弁護で勝利を勝ち取った。しかし、娘の婚約者としてアッシュが再び現れてから、彼女の運命の歯車がきしみ始めるのである。そんなある日、ヴェニーシャが学院の自室で奇妙な刺殺体となって発見された。遺体には法廷用の鬘が被せられ、その上から手術用に保管されていた、同僚弁護士の血液がかけられていたのである。要請を受けたダルグリッシュ警視長が調査に乗り出すが、次期学寮長の座を巡って争っていた同僚弁護士、契約延長を断られそうになっている主席書記官、別れ話がもつれて喧嘩別れしている下院議員など、被害者を快く思わない人物の多さに調査も困難さを増していく。果たして、ダルグリッシュは真犯人を逮捕することが出来るのか?!」



今回は、法曹界が舞台となっています。上巻の冒頭でいきなり、被害者になるヴェニーシャの「残された人生は、四週間と四時間五十分だった。」と提示されます。だんだんとカウントダウンされていく、彼女の残り時間。いつ、どこで彼女の時間が終わるのか、読んでいる読者はハラハラさせられます。一方で、叔母殺しの罪で起訴されたアッシュを弁護するヴェニーシャの姿が生き生きと描写されており、この部分を読むだけでも、手に汗を握る法廷劇の面白さが十分に伝わってくるのは、さすが、P・D・ジェイムズ!

その法廷劇を含めて、上巻の前半までに彼女が殺害されるまでの人生模様がたっぷりと描かれています。この手法は、前作の「原罪」と全く同じパターンです。やり手弁護士ではあるが、周りからはかなり嫌われていたヴェニーシャ。果たして、誰が彼女を殺すまでの殺意を抱いていたのでしょうか?また、今回の容疑者たちの大半は弁護士なので、いわば「法律のプロ」。駆け引きもうまいようで、ダルグリッシュ達の捜査も、なかなか思うように進まないようです。

さて、題名にある通り、本書は「正義 - A Certain Justice」がテーマとなっています。物語の後半部分で、ある人物からの手紙が紹介されるのですが、それを読むと「正義とは、何なのか」という作者の問いかけに、読者も考えこんでしまうのではないでしょうか。そして、この部分で、遺体に施された悪戯の主が判明します。

さあ、いよいよ最後に真犯人が読者の前に現れるのですが.........。しかし!またもや、「しかし!」なのである。物語の最後で、ダルグリッシュが犯人と対峙するシーンが出てくるのだが、ラスト・シーンがどうにも気に入らない。まあ、司法による裁きには限界があるとは言え、「これでいいのか、ダルグリッシュ!?」と、思ってしまうのだ。その前の、ある人物の手紙を読んで、「これが正義か。」なんて、考えた私にとって、この真犯人の方は「正義といえないジャン!」なんて思ってしまう。うむ。私とP・D・ジェイムズは、やはり相性が悪いのか?

とはいえ、本書は作者が77歳の時の作品であることを考えると、そのパワーには驚かされます。結末の好き・嫌いは別として、こちらも作者渾身のミステリー。一度、読んでみてはいかがでしょうか?足跡

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Last updated  March 22, 2006 12:33:31 PM
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