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テーマ:子供の病気(2166)
カテゴリ:息子とのあゆみ
マクドナルドハウスに戻ってからは、 母との会話が少しづつ減った。 1日中働き、車を飛ばし面会、買い物、料理… 還暦を過ぎた母は顔を見ればどれだけ疲れているか 分かりやすく、目の下のクマが目立ち、 夕方よりもずっとシワも目立つ顔になっていた。 『お母さんちょっと横になるね。』 というと、ハウスの共有スペースのソファにコロンと 寒そうにジャンパーを着たまま横になって 胸の前で腕組みをして紅白を観始める。 『部屋に戻って少し寝る?』 私がそう聞くと、 『いい。響ちゃんこそ寝てきてもいいよ。』 と、寝た体勢のまま頭を振った。 変に生真面目な母は、宿泊料金を払ってないのに 部屋で休めないと、いつも必ず部屋に行くのを嫌がったし、 行ったとしても 早く共有スペースに戻ろうと私を急かした。 沢山擢斗にも会いたいから、 マクドナルドハウスにはこれからも沢山お世話になるね。 だから、お母さんあまり良く思われないようなこと なるべくしたくないの。 いつもそう言って、 長時間、ハウスに滞在した日は必ずロビーにおいてある 募金箱に募金して帰った。 もう1つのテレビの前には男性が1人。 椅子に腰掛け、テレビを観ていた。 静かな広い共有スペースで、 人影が減るのは寂しい気がして、 何となく、その男性が部屋に戻らなければいいと思った。 次の面会まであと2時間。 時間はまだ21時なのに、本当に静かな夜だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.12.10 12:16:49
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