四国で見た藤の花の思い出
もう一昔も前になりますが、オフロードのオートバイのラリーに狂ってました。普通の会社員がそんなに暇と金が使えるわけもないのですが、それでも5月の連休に四国でやる7日間で2200kmくらい走るラリーには3年連続で出ました。ある年の何日目だったか後半だったと思うのですが、雨か霧の午前中のリエゾン、川沿いの未舗装路だったと思います。一本の背の高い木がゆっくり姿を表したのですが、息を呑むような美しさでした。30m近い巨木に上から下までびっしりと藤の花が咲き誇っていました。霧の中、大きな木が一本 丸ごと藤色、紫色です。花を見て感激する余裕などあまり無い睡眠不足と筋肉痛や肩凝りの毎日でしたが、思わずバイクを止めて見惚れました。あぁ、いつか将来 戦が終わったら、またここへ来てこの花を見たい。また来ることがあるだろうか。たぶん無いだろうな、一期一会ですね。そう思ったら柄にも無く 涙出ました。1台同じラリーの出場車が通り過ぎて、我に返り また走り出しました。--------山野に自生する藤はヤマフジ Wisteria brachybotrys と言って、花房が長く垂れ下がらないことと、蔓が左巻きに巻き付くのが特徴だそうです。二輪のラリーはあまりゆとりが無く、カメラは持っていなかったので、写真は当時撮った物ではありません。その後ラリーの最中で無いときに同じ花を見ても、四国の時ほど感激しないのはやはり歳のせいだろうか。(笑)