Via USA

こっちでよく見るＴＶ番組は、History Channel、Discovery Channel、National Geographic Channel、etc である（でも最近は電球の取替えから詰まった排水口の処理まで私がするので、DIY（Do It Yourself＝自分で何でもしようね）ネットワークばかり見る）。中でもNational GeographicのMega Structureは結構好きで、特に日本特集は自分が日本人であることを誇りに思えるのである。

例えば、本州と淡路島を結ぶ明石大橋。構想から完成まで30年を費やし、その間阪神大震災にあいながらもほとんど遅れることなく完成した。何がすごいかって、日本人の大胆でユニークな発想や緻密な計算力。（この際、明石大橋が本当に必要であったか、あの位置で良かったのか、これだけの時間、費用、叡智を費やす価値があったのか、他に使い道はなかったのか は置いておいて。）

海中に建てる支柱の基礎（重さ数トン）を８隻のタグボートなどを使って引っ張る方法。そしてその誤差は30cm（数字はうろ覚え。だってフィートかインチで言ってたから。）程。

阪神大震災で、位置が当初の計画より１ｍ（これもうろ覚え。）程ずれてしまったが、計画を中断することなく緻密な計算でやり遂げてしまう。たかが１ｍ程のずれであるが、この１ｍの位置に合わせて海中にある支柱までの距離や角度の変化を全てを計算し直さなければならないのである。これはとぉ～っても大変なことなのである。

この番組を見終わった時、頭の中には、年末里帰りした時に見た紅白歌合戦で中島みゆきが黒部ダムで歌った「地上の星」が響いていた。←最初の頃、この歌はＮＨＫの「忍たま乱太郎」か何かのアニメのテーマソングと思い込んでいた。


ところで、所変わってアメリカ。数学、何がすごいかって！？ 電卓！！ 学校では電卓を買わされる。高校生になれば、グラフもマトリックスも全て電卓を使って答える。大学へ行けば、電卓の種類も豊富になり、ファイナンス、物理（今の所これだけしか知らない）とそれぞれ違う電卓を使うのである。

式を入力する。グラフのボタンを押すと、にゃららら～とグラフが出てくる。おおっ！ 最初は声が出たものである。統計も積分も全てグラフが表示される。つまり答えが先にわかって、それを元に計算式を考えればいいのである。（かなりずっこいけど、成績のためならいたしかたない。お陰で良い成績をとれても理解はできてない）

では実際に電卓を使いこなしている学生はどうか。電卓を取り上げると、かなりキツイけど何もできない人が多いように思う。以前読んだ大前研一の本にも書いてあったが、アメリカ人は計算能力があまりない。これは事実だと思う。日本の叡智の中にいては、かな～りの落ちこぼれの私が良い成績が取れるのである。

以前、ＧＭＡＴのクラスをとったことがある。ＧＭＡＴとはビジネススクールに行くために受ける試験である。このテストの数学は日本の中学生程度の問題であるが、電卓が使えない。日頃は、電卓でチャッチャッと計算している学生がクラスメートであったが、何と20問の問題に３時間費やした。

言い換えれば、いかにアメリカの電卓が優れていることか！！またアメリカの数学の授業もユニークである。実社会とあまり関係ないことを教える日本の数学よりも、さっさと基礎を終わらせて、アメリカの電卓を与えると叡智を持った高校生は自由な発想でもっともっと高度なことができるのではないかと思う。

Mega Structureを見終わると、いつも日本人であることを誇りに思いながら、電卓について考えてしまうのである。

※私が使っている電卓は、Texas Instrumentsで約15,000円ほど。日本では半導体が有名だが､電卓が売られているかどうかは謎。アメリカの高校、大学ではこの電卓がスタンダード。