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2016年02月12日
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カテゴリ:洋画 [SF]

新旧ファンの琴線を掴む、歴史的SF映画の新章

スター・ウォーズ
フォースの覚醒


STAR WARS:THE FORCE AWAKENS

アメリカ(2015年12月18日公開)136分

■ 監督 J・J・エイブラムス
■ 出演者 ハリソン・フォード/ キャリー・フィッシャー/ アダム・ドライバー
     デイジー・リドリー/ ジョン・ボイエガ


- INTRO -

■ はじめに

1977年の登場から映画史を塗り替えてきたSF映画の金字塔
『スター・ウォーズ』が

アメリカの国民的SFTVドラマ『スター・トレック』をリブートし
一躍21世紀を担うクリエイターとして注目を浴びた
J・J・エイブラムスを監督に迎え

『スター・ウォーズ エピソードVI/ジェダイの帰還』の公開から
実に30年ぶりの新作続編となり
新たな三部作の幕開けとして 全世界が待ちに待ったSF超大作として

歴史的SF映画の名に相応しく
公開後わずか20日で『アバター』超えの全米歴代興行収入1位という
歴史的大ヒットを成し遂げ話題となった

『スター・ウォーズ フォースの覚醒』が遂に公開され

日本でも興行収入100億円突破という記録を更新し
『アナと雪の女王』に続く歴史的イベントとして更なる話題を集めております


▲目次へ▲
■■ 本作制作の経緯に付いて

第一作に当たる『エピソード4 新たなる希望』の公開時に
全9作の超大作となる事は ファンであれば誰もが知る事でしたが

ルーク三部作の終了から16年後の
1999年の『エピソード1~3:アナキン三部作』の制作時に

これを持ってシリーズ終了とのアナウンスがあった事もあり

現在70歳になるジョージ・ルーカスの年齢を考慮すれば
残りの3作が制作される可能性は無いだろうと誰もが思っておりました。

そんな事態が急転するのは
2012年にルーカス・フィルムがディズニーによって買収された事を機に

新たな三部作の制作が決定したとのニュースが
世界中を駆け巡った事に始まります。


George Lucas cropped 2009
George Lucas (wikimedia)
ジョージ・ルーカス
1944年5月14日生まれ(2016年現在71歳)

73年『アメリカン・グラフィティー』のヒットで一躍注目され
『スター・ウォーズシリーズ』
『インディージョーンズシリーズ』の大ヒットで世界的にも知られる
映画監督、プロデューサー、クリエイター。


▲目次へ▲
■■■ ルーカス・フィルムが買収に応じたのは

既に世界的なアメリカン・コミックの大手マーベルを買収し
『アベンジャーズ』シリーズで成功を収めていたディズニーであれば

『スター・トレック』シリーズの様に、新たなクリエイター達によって
『スター・ウォーズ』シリーズを今後も存続させる

大きな期待に応えてくれる巨大企業である事が大きな理由でした


新作制作にあたっては
現代にアピールする新時代の物語を構想するルーカスに対して

そのルーカスの思惑とは 少しだけズレたパブリシティーの観点から
特に、ルーク3部作からの筋金入りのスター・ウォーズファンに訴える様な

レトロなビジュアルのオマージュに満ちたSF冒険活劇の制作を検討し
2年のインターバルで三本を制作し、間にスピンオフシリーズを加えた
年一本のスター・ウォーズ映画公開の計画を推し進めるディズニーの

商魂たくましい姿勢 (別名ビジネスモデル) に難色を示したルーカスが
製作から身を引くという事態へと発展し

新作制作に多大な期待を寄せる 世のスター・ウォーズ・ファンの
不安を駆り立てる事となりました。

しかし公開された新作はそんな憂いを吹き飛ばす様な
初公開の時の興奮を呼び起こすかの歴史的大ヒットを遂げるのでした。


後にルーカスは、大ヒットを受けてか

買収したディズニーに対して『奴隷業者』と激しく非難した事を含めて
感情的過ぎたと後に発言を全て撤回しておりますが

以前『スパイダーマン3』の時、「くだらない映画」と爆弾発言した時と同様に
『フォースの覚醒』に対して
「嫌いだ」と激しく批判する爆弾発言をしております。


元々ジョージ・ルーカスは
あからさまな商魂に走り、規約で縛るハリウッドスタイルが

昔から好きではなかったらしく

その為か、アメリカの映画協会の
「全米監督協会」「全米脚本家組合」「映画芸術科学アカデミー」
にも属していないという

自分が目指す理想を貫いたワンアンドオンリーな作品作りをして来た事でも
異色な存在でした。

例えば、アメリカのTV映画事情は 日本とは異なり

作品のオープニングには主要スタッフにキャスト、
エンディングには全スタッフ、キャスト と
一律様式が決まっているのは

アメリカの映画関係者であれば、必ず属している映画組合が
非常に強い権限を持っている事による

映画関係者達の権利保護の観点からの
法的な取り決めという理由があるのですが

スター・ウォーズの様式でもある
文字引きの後 そのまま物語が始まるオープニングは 違反行為として
『帝国の逆襲』公開時に映画組合に対して罰金を払う事態が発生し

それを期にルーカスが組合を脱退したという経緯があり

たとえハリウッドでの活動に支障をきたす結果を招いたとしても
オープニング一つにも 決して妥協しない

ルーカスの映画にかける熾烈なまでの姿勢の一端を見るものがあります。


以降20世紀フォックスは、単なる配給先として
『スター・ウォーズ』はルーカスのポケットマネーで作られる
壮大なインディーズ映画として上映される事となり

ジョージ・ルーカスは
ハリウッドの誰も成し遂げられない位置付けの作品を生み出す
歴史的な映画人となるのでした。



通常なら困難な巨大企業M&Aが速やかに行われたのも

ルーカス・フィルムが巨大企業でありながら
ほぼ ジョージ・ルーカスの個人会社でもあり

最高決定権を持つ人間がルーカスのみだった事が
大きな理由の様に思いましたが

ルーカス自身が語った
「ルーカスフィルムを守る力のある巨大企業」
「スターウォーズのコンテンツを託すにふさわしいクリエイティブなスタジオ」
の生みの親でもある

ウォルト・ディズニー自身もまたクリエイターにして実業家という

アニメ作家に留まらない誰も成し遂げられなかった
ワン・アンド・オンリーな理想を追求して来た人物だった事で

ルーカス自身と似た理念を持つ人物が作り上げた企業だったのが

ルーカス・フィルムを託した
大きな理由の一つとなったのかも しれません。



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■■■■ 賛否両論の話題作の行方

世紀の大ヒットを記録した『フォースの覚醒』は
この手の超大作の続編には付きものの作品批判も多種多様に渡りました

その多くは スター・ウォーズが余りに好き過ぎる故の過敏な反応から
「期待通り過ぎて期待はずれ」「ファンが喜ぶ映画でしかない」などの
本作の造りそのものに真っ向から疑問をぶつける 鋭い意見など数多くあり

これも本作が 歴史的SFシリーズたる所以と言える所ですが

何よりも本作はルーカス本人からも
一時激しい批判を受けた事でも大きな話題となりました

これについては今にしてみればある意味
映画界の元横綱自ら大関候補にしごき稽古を付けた

「かわいがり」の様なものだったと(好意的に)捉えれば

これらの顛末とは巨大な世代交代が行われた儀式として
私たちはその一部始終を間近に目撃し歴史の生き証人になったと

言う事なのかもしれません☆



■ という訳で今回は 公開から2ヶ月が過ぎ
既にネットのレビューが散々立ち上がり切ったこの時期に

映画レビュー激戦区ですら無くなったこの気楽なタイミングで
さして心の琴線をくすぐる様な記事内容でもない事を承知の上で

ほとんど物語にも触れず
どんな映画なのかも面白いのかどうかも全く見えてこない

いつもの切り口でレビューしようと思いますw



▲目次へ▲

-STORY-

遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。

エンドアの戦いから30年、帝国軍の残党によって組織化された新勢力「ファーストオーダー」と
レイア・オーガナ(キャリー・フィッシャー)が率いるレジスタンスは
共に最後のジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカー(マークハミル)の行方を追っていた

レジスタンスのエース・パイロット ボー・ダメロン(オスカー・アイザック)は
ルークの手がかりとなる地図を入手する為、
惑星ジャクーにあるレイアの支援者の住む村に訪れるが
その直後カイ・ロレン(アダム・ドライバー)率いるファースト・オーダーの襲撃を受ける

ボーは捕虜となり連行される前にドロイドのBB-8に受け取った地図を託すが・・・

-解説-


■ ウォルト・ディズニー・スタジオ制作、
  大ヒット・クリエイター、J・J・エイブラムス監督作 ■


■ 既に記録的な世界的大ヒットを成し遂げ、今もなお記録更新中の
歴史的SF映画の金字塔、『スター・ウォーズ』シリーズの最新作で
新たなる三部作の第一作となるのが本作です

本映画は1999年制作のルーク三部作以前の物語を描いた
「エピソード・ゼロ」という呼称の元祖的な存在となった

『アナキン三部作』とは異なり

1977年より制作公開された エピソード4~6 ルーク三部作の
純然たる続編の「エピソード7」として制作され

今回、新キャストに加え、旧キャストが再集結し

監督をジョージ・ルーカスから、「スピルバーグの後継者」との呼び声も高い
大ヒットクリエイター、J・J・エイブラムスが制作、監督したことでも
大きな話題となった作品です。


■ 本作はルーカスフィルムの大型買収で世間を驚かせた
ウォルト・ディズニースタジオが制作した事でも
大きな話題となりましたが、

制作発表からわずか2年のスパンでシリーズを制作し
尚且つ、空いた一年の間にスピンオフ作品を制作する

年一本のスター・ウォーズ作品の公開を可能にした
ディズニー・スタジオの企画力と機動力があってこそ

今回のシリーズ復活が実現し
歴史的大ヒットに繋がった印象があります


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J. J. Abrams (23201281535)
J. J. Abrams (wikimedia)
■■ 大ヒットクリエイターJ・J・エイブラムス

本作の監督のJ・J・エイブラムスは

最新のテクノロジーを駆使した映像にレトロな味付けを施したビジュアルで
ドラマを描く事を得意とするクリエイターで

これまで見た様で見た事の無かったレトロな既視感を感じる
一風変わったミステリアスな世界観で描いた

『エイリアス』『ロスト』『フリンジ』などの
数多くの大ヒットTVシリーズを世に送り出し

21世紀のヒットメーカーとして
アメリカの国民的TVシリーズ『スタートレック』のリブートや
トム・クルーズの大ヒットシリーズ『M: I』シリーズにも関わった

今やハリウッドを代表する、押しも押されもせぬ存在となった人物です。


本作はエイブラムスの持ち味でもある、
レトロな既視感を感じるビジュアルを用いた
第一作エピソード4の作風に倣ったオマージュ的な内容となり

第1作から鑑賞して来た往年のスター・ウォーズ・ファンの琴線に触れる作りと
本作から鑑賞する若い世代が歴史的SF作品の初演の興奮を追体験する機会として

更に、複雑な人間ドラマを描いた群像劇でありながら
「情報を持ったロボットを巡る争奪戦」という
現代的な物語のシンプルさが加わり

どの世代にもアピールする作りになった印象が強く

現代に向けた新時代の物語を構想していたルーカスのビジョンとは
真っ向からぶつかる結果となった事でルーカス降板の大きな理由にもなった
曰く付きの作品でもありましたが

これは本作に限らずエイブラムス作品に見られる特徴としての一環として作られた
いつも通りのエイブラムス作品とも言える内容だった事が

本作の成功に繋がった一つの要因になった様に思われました。



▲目次へ▲

■ 強い正義を描く可能性


『インディー・ジョーンズ』シリーズ他、大ヒット作を抱え
当時の油が乗り切ったジョージ・ルーカスが制作し
重厚なドラマ展開ながらも勧善懲悪なハリウッド娯楽作的カタルシスに満ちた
サービス満点の『ルーク三部作』は

当時の複雑な国際問題が絡むベトナム戦争敗戦後の冷戦下の時勢に置いて、
大国としてのアメリカが失速し、先の見えない不安が蔓延する世相の中

再び「強いアメリカ」を見る思いの痛快娯楽シリーズとして
爆発的ヒットを遂げる作品となりました。


それから約30年後の 21世紀を迎えた現在

複雑な国際情勢の様々な価値観で揺れ動く中の国内で
根深い人種問題に、格差社会の問題に加えて

テロの脅威に晒される日常を送る現代のアメリカが
第一作公開77年当時同様の 先行き不安な世相となった事から

「強いアメリカ」を見る、純粋でシンプルな娯楽作を求める動きに応える
第一作目を踏襲した内容になった様に感じました。

Daisy Ridley by Gage Skidmore
Daisy Ridley (wikimedia)



本作の主人公、フォース初心者のデイジー・リドリー演じる「レイ」が
アダム・ドライバー演じる宿敵「カイロ・レン」をあっさりとあしらい、

いきなり過ぎるフォースの覚醒と、弱過ぎる敵の暗黒面の描写に
違和感を感じるファンも少なくありませんでしたが

『ルーク三部作』ではベトナム戦争敗戦の影が降りた様な、
純粋に主人公が悪を打負かす内容では無かった事に対して

今回、悪を打ち負かす強い主人公を描く前振りの様にも感じ

新たな敵となった「カイ・ロレン」の
ベイダーの影を追う事に取り憑かれた若者の
心の闇を見る様な描き方になったのも

アメリカ国内で社会問題化した
相次ぐ若者による銃乱射事件などの
過激化する負の連鎖の行動を彷彿させるものがあり

あるいは、
歴史的巨大シリーズを任された エイブラムス監督自身のプレッシャーを
投影した様にも見えますし

2012年ごろから引退を宣言し
クリエイターとして業界との感覚の差異を実感したかの発言をした
ジョージ・ルーカスを彷彿する様な

まるで引きこもったかの 「アノ」 人物の登場が
新旧の世代交代を意味しながら

今後の展開を予感させる内容でもあった様な印象がありました。



▲目次へ▲

■カイロ・レンの人物設定について (※注意ネタバレあり)

■ 壊れた人物が悪となる恐怖を描く



前シリーズの敵「ダース・ベイダー」は
絶対悪としてカリスマ性を放った映画史にも残る程の巨大な存在でした

本作の制作が決定した時に全世界が期待を寄せたのは
主役がどうなるか以上に

まず「ダース・ベイダー」に次ぐ新たなる強大な敵となる存在は
一体どの様な人物になるかで話題となりました


本作はCM解禁後も同じビジュアルを流すのみという
徹底した秘密主義で作られ一般には一切の情報が入って来なかった為
これらの期待は 公開日が近づくに連れ 更に巨大なものへと膨らんで行きました


全世界一斉公開され、今回の主役が女性である事の他、
ストーム・トルーパーの脱走兵がレギュラーの一人になるなど

本作がこれまでのシリーズとは全く異なる切り口で描かれる作品である事が
即座に見て取れる内容となりましたが

何よりも往年のファンの多くが
本作をこれまでのシリーズに対して異色に感じたのは

前作で壊滅した帝国軍の残党で組織されたニューオーダーの指揮官で
ダースベイダーに代わり敵となって立ちはだかる
アダム・ドライバー 演じる「カイロ・レン」の存在でした

Adam Driver by Gage Skidmore
Adam Driver (wikipedia)


このニューオーダー最高指導者「スノーク」に仕える指揮官の 新たな敵役が

前シリーズでの純粋故に悪にも染まるという 悲劇の要素を含んだ
「アナキン・スカイウォーカー」の場合とは異なり

無軌道な若者の顛末の様な、ヒステリックで掴みどころのない人物という点が
ファンの間でも物議を醸した事でも話題となりました。



今後の展開を考慮すれば、元々作品が三部作だという事と

若き主役と若き敵役 が共に異なった環境でそれぞれ力を付けて行き
最後はお互い雌雄を決する巨大な存在となる運命である事を示す
展開の上の演出である事は理解出来ましたが

任務に失敗したカイロ・レンが周りに子供の様に癇癪を撒き散らしたり
新たな主役のレイが フォース初心者でありながら
カイロ・レンよりも強過ぎる描写があったり と、

成長途中のキャラクターを描く物語の演出の上の事だとしても
悪役のあまりの小物な描写に 難色を示すファンも多かった事からも

作品全体の出来として「焼き直しである」「革新性が無い」「域に達していない」
などの一部の酷評にも繋がった様にも感じました


今回のカイロ・レンの描き方は、
これまでシェイクスピア的重厚なドラマ展開をしてきた
スター・ウォーズ・サーガの作風に親しんで来たファンの心情からしてみれば

ダース・ベイダーに次ぐ悪として立ちはだかるにしては、
その域に至っていない印象があったのは否めない所がありましたが

一方で、そのような壊れた人物が悪となる恐ろしさを
描く狙いを感じる所でもありました。



▲目次へ▲

■ 時代を反映させた造りの選択


又、前作の敵「銀河帝国軍」に付いては、
「ナチスドイツ軍」をモデルにした 悪の枢軸のイメージとして描かれ

「ダース・ベイダー」に付いても
善人のアナキンが洗脳され悪の権化へと豹変する
シェークスピア悲劇的な物語の根幹となる過程を特に重厚に描いた事で

超大作作品に相応しい内容となりましたが

これら昭和の世代であれば容易に真意を理解出来た作りが
戦後から70年が経過した現代に置いて

若い世代には通用しないジェネレーションギャップにより

悪の枢軸の描き方も、絶対悪の存在も
全く実感の伴わない非現実で虚構に満ちたものにしか捉えられず

真意が伝わらなくなっているという事実が存在しておりました。


本作では、
悪の定義も侵略行為の意味する価値感も大きく変化し
現在テロの驚異に晒され先行き不安の中にある
アメリカ国内の世相を考慮した

時代を反映させた造り になっていると捉えてみますと

自由な生き方を好み体制に反抗する様な
60年代フラワームーブメントを象徴する活発で純粋な若者だった
「アナキン・スカイ・ウォーカー」とは異なり

引きこもりやオタク系などの現代のサブカルチャー文化を象徴する
どこにでもいる様な気弱で悩める若者の心の闇を描きながら
今ひとつ非道になり切れない人物を

「カイロ・レン」としたのも

『機動戦士ガンダム』の「シャア・アズナブル」を見る様な
「悪の魅力」が転じて「漢の花道」と捉える
昭和の世代の鉄壁のスター・ウォーズ ファンに向けて では無く

巨大なストレスに晒される現代で、問題を一人で抱えて壊れてしまう様な
そんなどこにでも居る 繊細な若者達を含めた
新世代を担う新たなスター・ウォーズ ファンに向けて

「カイロ・レン」の境遇への理解と共有を狙った有機的な演出の一環だと
捉える事ができます。


この件に関して監督のエイブラムスは
「ダースベイダーの影として修行中の、壊れた悪人を描きたかった」
とコメントしている事から

今回そのような人物を設定したのは

巨大なストレスを抱え、様々な誘惑が蔓延し、慢性的な社会問題が耐えない
現代のアメリカに生きる若者を取り上げた という点と

「カイロ・レン」自身を犯罪者気質な邪悪な人物として描くのでは無く

どの家庭にもある
親と子の心情からの行違いのこじれを描きながら

周りの大勢の人間がかける巨大な期待や
世襲が宿命付けられた跡継ぎ問題など

他の生き方が許されない、一人の子供が抱えるには余りにも重すぎる
巨大なプレッシャーとストレスの中で多感な子供時代を過ごし

その様な特異な境遇を、誰一人として真の理解を得られぬまま、
すべてを一人で抱えて押し潰されて壊れてしまう
そんな繊細な若者が持つ孤独と恐怖と心の闇に焦点を当て

テロの影を追うかの様に
激昂した若者の突発的な銃乱射事件が同時多発的に発生する
深刻な国内事情を汲み

その渦中にある若者達を見る様な人物像をキャラクターに据えて
事件背景の家庭問題と病める社会の闇を作品に反映した

未曾有の家族ドラマにする狙いがあった為という印象がありました。



▲目次へ▲

■ 世界を巻き込んだイベント性


本作品がこの様に 巨大な影を追う内容になったのも
巨大過ぎる歴史的コンテンツとなったこの スター・ウォーズ という作品を

ハリウッドの巨人ジョージ・ルーカスから映画製作を委託され
後の世に託された J・J・エイブラムスが

正に カイロ・レン同様、世界の巨大過ぎる期待の渦中にあった
その心情を描いたかの様な所が興味深く

「先人を越えようとする気概がない」「何も革新的な点が見られない」など
一部の批判に晒された作品ではありますが、


巨大過ぎる先人を超えようとしたり、
十分革新の限りを尽くしたコンテンツに更なる革新性を見出そうとしたりと

現実性に欠る精神論から作品に新風を巻き起こそうと鼻息荒く挑むよりも

ルーカスが制作から離れて、委託された時点で

ルーカスの影を追う姿を、カイロ・レンに投影させ
これまでに無いタイプの新たなキャラクター達がその影を葬るという

その様な流れの内容になったのも、
むしろ自然の成り行きとも考えられ

いわば、エイブラムス監督が巨大なプレッシャーを一人で抱えずに

若者をめぐる社会問題を作品に投影し、
「これがもし自分の息子だったら」という形で鑑賞者に感情移入させて

世界中の家庭に見られる家族の問題を物語に反映させるという

ルーカスから委託された歴史的巨大コンテンツを、
世界中の人々にも一緒に抱えて貰う為の

壮大な観客参加型イベントだったと捉えるべき作品だったのかも

しれません☆



▲目次へ▲
「癇癪を起こしたウチの息子ソックリっつ!!!」
と誰もが思った賛否両論の人物像でしたがw
これは余計な説明を入れずに
「これがもし自分の息子だったら・・・」と
感情移入させて観客を速やかに物語に集中させる為の
誰もが理解できる『鍵』として必要な事だったのでしょうねえ~

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最終更新日  2017年03月12日 12時50分59秒
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