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カテゴリ:哀
母から頼みごとをされた
何事かと思いきや、申し訳なさそうな顔をして、『お金を貸して欲しい』と言ってきたのである もう財布の中には2千円しかなく、生活費に困っているのだという 昔は、毎月のお小遣いでは足りなくて、しばしば母から小遣いをせびっていた自分だったが、まさか逆の立場となり、親からお金を貸して欲しいと言われるだなんて思いもしなかった それも、生活費の為の僅かなお金である 我が家はそこまで切羽詰っているのだろうか 以前、母は実家の飲食店を手伝っていたが、祖父が亡くなり店を畳んでからは無職となり、収入がゼロとなった それ以来、『生活が苦しい』『お金が無い』が口癖になるようになる どこかに出かけたり遊びに行く訳でもなく、外食する訳でもなく、派手な生活をしてきたわけではない 母の収入が無くなってからは、贅沢は望まずに、質素で慎ましやかな生活を送ってきたつもりである 食事もろくに摂らないことも多くなり、我が家のエンゲル係数は下がるのみ… なのに、なぜ生活費が足りないのだろうか? 一体、何にお金を使っているのだろうか? 稼いだお金はどこに消えているのだろうか… 謎である 自分に遠慮がちにお金の事を口にする母を見て、何とも居た堪れない、やるせない気持ちになった できれば、そんな母の姿は見たくない 財布からお札を出すと、母は『ありがとう』と、頭を下げた なんだか、母がいつになく小さく見えた 【エンゲル係数】 家計の消費支出総額中に占める食料費の割合 (辞書調べ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年10月16日 17時46分29秒
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