テーマ:おもひでぽろぽろ(152)
カテゴリ:おもひでぽろぽろ
かつては いやになるほど 家族の飯を炊き おかずを作ってきたのに 息子が実家に帰ると 暑い夏でも好物の煮物をこしらえたりする たまには外に食事でもと思うのだけれど いつも母が台所に立つ 普段は一人暮らしの母にとって かつてのように人に物を料理することが 苦労を通り越して楽しみに変化したのかもしれない 「おいしい」 という言葉と笑顔が何よりの母への労りになる それは今も昔も変わらない 変わったのは 連れ添いが玄関に靴だけを残していなくなったことである もうずいぶんと前になるのに 用心のためにと 玄関に亡き父の男靴が一足 ずっと置かれている 二度と歩き出す靴ではないけれど 父は今でも母を見守っている お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.10.20 06:00:07
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