仕事と向き合いながら、親との関わりに悩む曜子。結婚・出産を経て平穏な日々を過ごすも、何か満たされぬ紀子。人に言えない秘密を抱える朋美。3人の人生の鍵を握るのは、金木犀の甘い香りと、不思議な小人の都市伝説?
中学2年のときに同じクラスだった、28歳の女性3人。設計士として仕事と向き合いながらも、突如豹変した母親との関わりに悩む曜子。結婚し、娘を保育園に通わせる日々。幸せなはずなのになぜか満たされない紀子。優雅な実家暮らしだが、誰にも明かせない“秘密”を一人で抱えている朋美。仕事、家族、恋愛―同窓会で再会した3人の人生が交錯するとき、そこには神社に潜むという、あの不思議な小人がいて???
本書は、第15回ボイルドエッグズ新人賞受賞作。物語は、30代を控えた3人の女性の人生を描いたもので、「小さいおじさん」という実際に存在するのかわからない都市伝説を物語に絡めた作品。展開は淡々としていたものの、物語としてのテンポも良く、3人の女性のオムニバスドラマを見ているような感じでもありました。どちらかというと女性向きの物語ではありましたが、読みやすく、登場人物の日常ドラマとして面白かったです。
【満足度】 ★★★☆