尖閣諸島付近で日本の民間機と中国の偵察機が原因不明の墜落事故を起こした。その裏には、各国がしのぎを削る国産ステルス戦闘機開発プロジェクトの影が…。AI時代の国際インテリジェンス小説。
航空自衛隊のベテランパイロット郷谷良平は、日本初の国産ステルス戦闘機誕生を目指して開発されている先端技術実証機ATD-X(通称・心神)にからむあるプロジェクトに参加するため岐阜基地内の飛行開発実験団に呼ばれる。だが、そこからさらに連れて行かれた研究室で告げられた研究対象は「ステルスハンター」、ステルス機を狩る戦闘機であった。時を同じくして、尖閣諸島付近で日本の民間機と中国の偵察機がそれぞれ原因不明の墜落事故を起こす。緊迫する東アジアの空で何があったのか……。航空サスペンスで一世を風靡してきた著者だからこそ書ける、新時代の国際航空インテリジェンス小説。
物語は、人工知能による無人兵器の脅威を描いた航空サスペンス。特に空中戦は迫力満点で、航空サスペンスを多く描いている著者ならではの描写です。日本と中国との国際情勢を背景に、ベテランパイロットと全能兵器の対決は読み応えがあり、スピード感と緊張感が伝わる作品です。
【満足度】 ★★★★