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[科学談義] カテゴリの記事

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• 高価だと良く感じられる

  高価なワインはおいしく感じる？　米研究(CNNニュース)High Prices Just Feel Good(ScienceNOW Daily News)PNAS（米国アカデミー紀要）オンライン版に掲載された論文の話が話題。被験者20人に、5杯のワインを飲んでもらう。ただし、実際は3種類でいずれもカベルネソーヴィニョンだが、もともとは$5, $35, $90のもの。それらに加え、$5のものに$45だと嘘のラベルを貼ったもの、$90にも関わらず$10と嘘のラベルを貼ったものを加えて、5種類を飲み比べてもらう。その結果、ワインの味よりも値段が高いとされているものほど評価が高かった。さらに、快感を感じる指標とされる内側眼窩前頭皮質の活性をfMRIという機械で測定すると、高いものほどありがたかって、飲んだときにもおいしく感じているということが示唆された。これは薬のプラセボ効果と似たような現象で、どんな安物でも高いものと思い込んで飲んだ方がおいしいと感じてしまうということ。逆にどんな高いワインでも安いと騙されて飲むと、評価が下がる訳だ。これって、化粧品あたりにも当てはまりそうですね。ただし、今回の20名の被験者は、値段をマスクして飲んだ場合、$5のワインに高評価を与えたというコメントもついているので、値段に引きずられるのは初心者の場合に限られるかもしれない。ソムリエで同じことをやってみたら面白そう。今回、ニュースサイトから文章を読み取りましたが、原文はこちらから。

  2008年01月23日

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  ヤバい経済学

  どうもあけましておめでとうございます。久しぶりの更新です。今日は年末にかけて、読んだ本の話。昨年、海外の空港の本屋さんで「Freakeconomics」という本がベストセラーになっていたので気になっていたのだが、実は日本語版がでていた。そのタイトルが「ヤバい経済学」。訳すのにもっといい訳はないのかなと思うが。でも、とりあえず買いました。本書の内容は、日常生活や社会的な事象や仕組みをインセンティブで明解に説明するもの。例えば、不動産屋さんは、第三者から預かった不動産の販売には、多少安くても売り抜く方を選ぶ・・手数料の比率から考えて、多少値上がりしてもあまり得でないから。一番面白かったのが、因果関係の話。ある地域で調査したら、子供の学力と家の蔵書の冊数に相関があった。そこで、ある州の知事は各家庭に本を配ろうとした・・よい考えだと思います？でも、因果関係が逆なんですよね。例えば、警察官と犯罪の検挙数が相関するのは当たり前で、だからといって警察官が犯罪を犯している訳ではないし。前にニュースでやっていた「サザエさんの視聴率と株価は逆相関する」というものも、サザエさんの放映を一時的にやめれば景気が上向くとは誰も思わないはず。だけど、教育なんかだと因果関係がはっきりわからなくなってしまうようだ。他にも「麻薬の売人はなぜママと一緒に住んでいるのか」のような魅惑的なタイトルが並んでいて、全般的に楽しみながら読めたのでおすすめ。ヤバい経済学増補改訂版

  2008年01月05日

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• ノーベル賞／ES細胞でのマウスへの遺伝子導入

  カロリンスカ研究所により今年のノーベル医学生理学賞が発表。認められた業績は、胚肝細胞（ES細胞：embryonic stem cells）を用いたマウスへの特異的遺伝子改変の原理の発見とのことです（Nobel Foundation）。ユタ大学のCapecchi教授、英国カーディフ大学Evans教授、ノースカロライナ大学のSmithies教授と3名に授与となったとのこと。数年前にヒトのES細胞では、それ自体の倫理的問題やアカデミックでの疑惑など、さんざん騒がれてきたES細胞だけど、そもそも何なのかというと、全能性の細胞株のこと。通常、細胞は受精卵から分裂を繰り返す途中にいろいろな特徴を持った細胞に分化して、様々な臓器を構成するわけだけど、脳細胞は肝臓になれないし、その逆も無理ということになる。このES細胞はどんなものにも分化できるという特徴がある。彼らはこの細胞を作り出したところから、その細胞を使って、目的の遺伝子を置き換えたり、働きを止めることで、その機能を調べたりすることができるようにしたというのが今回の業績な訳だ。いまだにマウスでしかできないことなのだけど、マウスでは既に一般的な技術になっているくらい普及しているし、それがもとで明らかになった事象も多いし、医学に与えたインパクトは非常に大きいと思う。普段気にも留めていなかったのだけど、The Nobel Prize in Physiology or Medicine という表現、「and」じゃなくて「or」だったのだなあと思う。

  2007年10月08日

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  三葉虫の謎

  三葉虫という言葉に何となくわくわくさせられるものである。特に疲れているときに、仕事と関係のない本を読みたくて、書店で見かけたときに購入してみた。普通の人の頭の中には「三葉虫」という姿があるように思うが、その時代に一大グループを形成していた種であるから、その多様性はかなり広く驚くほどである。この本を手にして知ったのだが、目の数ですら多種多様で無眼のものから複眼のものまでいる。その複眼ですら、顕微鏡で観察できるほど保存されて、六角形のレンズで埋まっているものや、円形のものなど全く異なる進化を遂げているようである。なんだか化石とかって買ってもどうしようと思うけど、一個ぐらいなら飾ってみたいかな。楽天でも結構売ってるみたいだ。これくらいきれいなら、飾ってみたいものです。思い浮かぶのは新宿　紀伊国屋の1階の店くらいだけど。

  2007年02月28日

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• じゃあニセ科学なんてのは・・

  捏造話題のついでで、最近は「トンデモ科学」なんて人気を呼んでいるニセ科学についても触れてみましょう。ご存知の通り、現代の科学といわれるものは、理論にしろ実験的なものにしろ、証明できる事が前提になっています。「幽霊がいる」と言い張っても、証明はできていないわけですよね。でも、勝手にいるんだと思うのは自由なんですが、社会的通年としていないというものを、いるといって人をだますと大変な事になるわけです。これを体に良いナントカに置き換えると、今回みたいなことになってしまうわけですね。幽霊とは違うという人も、ダイエットのように信じたいという話題だと落ちやすいみたいです。許せないのは、末期がんが治ったみたいな広告に加担していた医師。自分の親を癌で失う前にアガリクスだの何だのと調べただけに本当に許せない。ここで、ニセ科学に話を戻しますが、有名な「水からの伝言」という話があって（このページで経緯が詳しい）、水の入った瓶に「ありがとう」と書いて凍らせるときれいな結晶が、「ばかやろう」とかくと汚い結晶ができるということを提唱している人たちがいて、その一人が日本物理学会で発表してしまったわけです。ようは科学を専門に歩んできてるはずの人でもこんなものということ。これで個人的に嫌なのが、この話が学校の道徳の教科書に載ったということ。なんとなく美談なので、教材に都合がいいとばかりに飛びついたこと。これを信じて大人になっていくのだろうな。面白いのはリンク先に書いてあったこと。引用しますが、「実は、物理学会の発表には審査がない。・・・過去にも「UFOの飛行原理」とか「重力発電」とか「タイムマシン製造法」とかの発表も行われている。」安心してほしいのは、リンク先の記述の通り、学会の発表というのは研究者として業績にならないということ。業績と認めるためには審査のある学術雑誌に投稿して、パスする必要があります。もちろん、雑誌にもグレードがあって、反響の大きいものほど、基本的には審査が厳しいことになっている。でも、常温核融合のように、審査に通ってから物議を醸し出すこともあるんですけどね。

  2007年01月23日

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• あるある大事典の捏造

  不二家の事件の渦中に今度は関西テレビ・日本テレワーク制作の「発掘!あるある大事典II」で捏造の問題で大騒ぎですね。不二家のときは隠蔽、今回は捏造と質は違うものの、テレビ局側は他人の事を言えない状態になっちゃいましたね。しかも、捏造というのは無いものをでっち上げるので、あるものを隠すよりもたちが悪いとも言えます。この捏造というのは、アカデミックな場でも問題になっていて、阪大といい、ついこの間も東大の多比良先生が免職になったばかり。あるある大事典ですが、この手の番組と研究の違うところは、統計的な判断をしていないというところ。2、3人で比べたりしているのを見ていると、誤差じゃないのなんて思って、私はもともと信用してません。なので、実験が架空であったといわれても、ここまでみんな信じてたのかって感じ。今回、納豆がダイエットに効くというのにだまされてしまった人も、食べた人に害が及ぶわけではなく、ダイエット効果はともかく、体には良いと思いますよ。科学的でない考え方をする人はなぜか、ダイエットに効くというのがでっち上げだったというのが、そのまま健康に良くないものだったかぐらいに反発するのがおかしいです。で、今回の被害者は、納豆を製造する人たちだと思う。いきなり、大量の注文が入って増産した矢先だそうです。なので、皆さん食べてあげましょうね。ところで、日本テレワークというのは、テレビ番組の制作プロダクションで、1976年にフジテレビからスピンアウトした人たちで作った会社だそうです。wikipediaをみると、今までにも2005年にテレビ東京系の番組で花粉症の試験を歪曲して放送して、番組を打ち止めにされたばっかりのようです。1月22日時点で既にやらせの項目が増えているところがすごいですね。この制作プロダクションというのを調べたのだけど、「発掘!あるある大事典II」の場合は、週ごとに制作会社が交代で変わっているようです。このネタの大きさで競争のようなものもあったのかもしれないですね。

  2007年01月22日

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• ミーム

  ミームという言葉を知っていますか？memeとかいてミームです。この言葉は、リチャード・ドーキンスの利己的遺伝子（selfish gene）という著書の中で語られる「文化の遺伝子」という定義から始まっているそうだ。通常、私たちが遺伝子と呼ぶものは、デオキシリボ核酸（DNAといった方がわかりやすいか）という実体のある化学物質を情報担体にしている。社会生物学の世界では、生物をある側面から見ると、遺伝子のセットを次世代に伝えるための道具であるということになる。当然、種としてはその立場で優勢な能力を身につけることが重要で、何も個体が強い必要は無くて、どんどん数を増やすというのも立派な武器になる。それから解釈を広げていくと、実体のある世界に限らず、ある情報があって自分自身のコピーをできるだけ増やそうとするシステムがあるとすると、生物と同じような挙動を示すわけで、コンピュータの世界のウィルスやワームを見ていると、生物学に非常に近いと思う場合が多い。そこで、ミームという話になるわけだが、これは文化と特に個人の意識、精神世界を情報担体として、形質を伝える因子ということを提唱した概念であるといえる。文化の中でもミームという遺伝子同士の進化と生存競争が行われているということで、同じニッチ（すんでるところ）を奪い合って、さらに新たなニッチを求めて変化したりする訳だ。わかりやすいところでいうと、売れるアイドル歌手の数の枠は決まっているとかのようなものか。遺伝子というと理科の影響を受けて、優性だの劣性だの話になって、遺伝子は優れたものが残るという印象が強いけど、実際にはそれ以外にも選択や淘汰がなくても、ひょっこりと適当な遺伝子が支配的になるランダムドリフトという現象がある。要は売れるのに、歌唱力や事務所の強さという性質も必要だけど、時の運みたいなもの。あと、うわさ話なんかを見ていると本当かどうかよりも、話を聞く人に受けがよい話の方が広まりやすいところをみると何となく納得できる。例えば、都市伝説に注目してみると、「口裂け女」の話が面白い。リアルタイムではまだ小さかったのでよくは覚えてないが、小学校では集団下校させるくらいの騒ぎだったらしい。昔流行ったときには話の広まり方も緩やかで、いきなり離れた場所に飛び火したりするのも追跡できたそうだ。多分、誰かが親戚の子に話したりとかそういう事なんだろう。さらに、無事に逃げるには「ポマード」を3回いうとか、その理由が口が裂けた原因が歯科医のポマードが臭くて顔を背けたからとか、もっともらしく話に尾ひれがついたりしていくところも遺伝子の進化みたいだし、噂の流れ方を調べるために起こしたCIAの陰謀だとするような他の都市伝説とシャッフルされていたりする。なぜか、韓国で2004年とほんの最近に流行ったというのも不思議な感じ。でも、最近はインターネットが普及して、その広まり方も変わってきてるようだ。ミームの実験じゃないかと思えるのが、ブログで良くやられている「バトン」。進化バトンなんていうのがあって、項目の一つを違うものに換えて次の人にまわすらしい。これって、面白い項目が長く残る事になるわけだから、それを辿っていくと面白いかもしれない。memeという言葉、「gene」と掛けたら「mean」だから同じ発音の「meme」にしたのかと思ったら、「mimetic」とかで使う「模倣する」という語根から来ているようだ。ちょっと洒落かと思ったのに。

  2007年01月13日

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• パーセントとポイント

  今日はすごい雨ですね。12月も終わりというのに、夏のような降り方だよ。ああ、カミナリまで鳴ってるし。ネコがどっひゃーって逃げ回ってるし。さて、常識問題です。ある統計があって、昨年は50％だったものが、今年はなんと60%になりました。さて何パーセントの上昇でしょう？答えは20%ですよね。ん？変だと思いました？パーセントというのは、元の数値次第で増加分が変わってくるということ。もし基準が100%で120%になったら、増加分も20%でも20ポイントでも一緒なんですけどね。後輩と話していて気づいたのだけど、何だか10パーセントという人が多いことにびっくり・・テレビでも、ニュースなんかを見てるとちゃんと10ポイントって言ってると思う。ちなみに50%の10パーセント増加だと、55%ですね。

  2006年12月26日

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• ノロウィルス

  最近はやっているとのこと。下痢や嘔吐で非常に苦しいらしいので、できたら避けたいもの。牡蠣なんかも原因じゃないかといわれていますが、ちゃんと火を通してから食べれば大丈夫なそうですよ。さて、そもそもウィルスって何でしょう？定義としては、感染した生物のシステムを利用して、自己複製を行う構造体のこと。「細菌」とかと似たものと思う人もいると思うけど、それより小さくて正式には生物ではないです。ようは感染した相手をだまして、自分の複製を作らせて、最後に感染した相手を壊して大量のコピーがでてくるという怖いやつです。それが、AIDSのHIVウィルスの場合は免疫の細胞に感染するので、免疫が不全になってしまうということ。コンピュータウィルスの場合も有機物の世界ではないですが、感染したコンピュータのシステムを利用して、自己複製する場合が多いので、挙動が似ているといえます。このウィルスは発見されたのが1968年だそうなので、まだまだ新しい。それより前にもそれらしいのは知られていたが、実体が認識されていなかったようだ。名前の由来は、米国オハイオ州ノーウォークNorwalkの小学校で起きた集団感染により発見されたからNorwalk virus。その後に札幌でも同じような感染が起きたが、明らかに別種でSapporo virusと名付けられた。それが最近の2002年に正式に学名として呼ぶときに、それぞれの3文字をとって、ノロウイルス(Norovirus)、サポウイルス(Sapovirus )としたという嘘のような話。これがなぜ最近騒がれているのかというと、数が多いのは免疫の型が変わったせいでこれはインフルエンザの流行と同じ感じ。RNAウィルスであるので、変異が入りやすいのだ。あとは最近、やっとノロウィルスと特定するようになったせいでもあるみたいだ。このウィルスはプラス鎖の一本鎖RNAウイルスで、いまだに実験的に増やす方法が無いという。ただ、検出という意味ではRT-PCRをかければ良いが、多少時間がかかっていた。それが、ELISAで検出できるようになったというのが大きいと思う。個人的には、栄研化学のLAMP法のキットが便利そうだと思う。このウィルスは、エンベロープタンパクを持たないのが特徴。そのために、普通のウィルスのように、アルコールや塩化ベンザルコニウムのような逆性石鹸では予防できないらしい。食べ物経由での感染が一番怖いと思うが、気をつけるのは空気感染。これは、感染者の近くにいるだけでは感染しないみたいだが、吐瀉物が乾燥したりしてそれが空気中に漂うということが危ないようだ。だから食器とか、嘔吐物のような汚染する可能性のあるものには次亜塩素酸ナトリウムで処理することがいいそうなので、キッチンハイターとか漂白剤を使えばいい。ただ、熱には弱いということは、まずは加熱して食べるというのが一番良さそうだ。追記：メトロポリタンの集団感染も、じゅうたんにこびりついた嘔吐物が乾燥して、踏まれるたびに飛散したため、被害が大きくなったようだ。通常の衛生管理では対処しきれなかったと考えられるし、今回はホテル側に落ち度は無いと思う。追記２：島津製作所から迅速に検出できるキットが発売されるようだ（プレスリリース）。ただし、RT-PCRは一緒で、RNAの抽出操作を簡略化できるというもの。でも糞便から簡単に検出できるようになっても、症状が軽くなる訳じゃないから、とりあえずはかからない努力しましょう。

  2006年12月11日

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• DHMOの話

  さてさてクイズです。この話、聞いた事がある人は笑って読んでください。ときどき読ませてもらっているブログの記事に追従して、本家に近いこんな話をしたい。（パンは危険な食べ物　内科開業医のお勉強日記）まず、問題編。1997年、アメリカの中学生Nathan Zohnerが、人間はいかにだまされやすいかという研究でレポートを書いて話題になったものです。彼は以下のように（オリジナルと異なり適当に改変してます）DHMOの危険性を訴え、その物質の使用規制を求め、周囲の大人50人に署名を頼んだところ、43人が署名したそうです。まあ、見てみてください。1.　DHMOは無色の液体で、無臭、無味であるが、毎年、大量の人を死に至らしめている。2.　DHMOは酸性雨の主成分であり、温室効果にも大きな効果を持つ。3.　DHMOは呼吸器系に作用し、急性の呼吸不全を引き起こすことがある。4.　固体のDHMOが長時間人体に触れていると体組織障害を起こし、壊死を引き起こす。5.　大量の中性子を含み、微量の放射性を有する。6.　科学実験で使用されていますが、河川に流しから垂れ流しされている。あなたは、この物質DHMOの使用は危険なので規制するべきだと思いますか？答えを決めたら解答編。・・・DHMO(dihydrogen monooxide)なんて仰々しく書いていますが、実は全て水のことなんですよね。これは環境問題や食の安全についての討論なんかで、どれだけいい加減なデータにだまされやすくて、感情的に流されやすいかを表しているブラックジョークのようなものらしいです。ようは説明の仕方で、どうにでもなる。「パンは危険な食べ物」というのも、同じような趣向ですが、DHMOが水というのを伏せているのに比べると、まだだまされにくいですね。問題提起され、「適当なデータ」と「権威っぽい人（本物である必要なし）」が揃っていると、科学的討論に慣れていないとたいていはだまされる運命にあるのかもしれないですね。上の項目も全て正しいですが、下のようにも言い換えられますし。1.　津波とか海難事故とか大変ですよね。2.　酸性雨だけでなく、普通の雨の成分でもある。温室効果ともいいますが、逆に水が少ないと氷河期になる。3.　急性の呼吸不全って、「溺れる」ともいいますね。4.　凍傷は注意しましょう。5.　中性子を持っていて当然、微量の放射性もあって当然。6.　科学実験で使用されていますが、料理にも使用されている。流しはもともと水を流すためのもの。ついでに「ゾウを冷蔵庫に入れる」方法なんてのもありましたね。

  2006年12月04日

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• ネアンデルタール人

  もう二週間前の話だが、ネアンデルタール人のゲノムの一部が解析されたというニュース。今回、NatureとScienceにほぼ同時に掲載。1980年にクロアチアのヴィンディヤ洞窟で発見された3万8000年前の状態の良い骨から抽出したDNAを使って塩基配列を解析。二つのグループが別の手法を使って報告に至った。3万年前に絶滅してしまったという人類の遺伝子をどうやって取って来れるのかというと、化石の骨髄から取り出すという事。片方のドイツのグループはパイロシークエンス法という多数の短い断片の配列を片っ端から読んでいく手法を用いたのだけど、ネアンデルタール人のものと思われるのはわずか6%。それ以外はコンタミかよくわからないものという。DNAって化学的に強い物質ですが、さすがとここまで古いとかなり断片化しているんだな。今回この解析で何がわかったかというと、現生ヒトと交雑があったか議論されてきたけど、交雑はなかったという事のようです。37万年前にはわかれて、ヒトとは別の種類であるという事。もし交雑ができるなら、今の人種レベルと同じということになるから。ちなみにマンモスについても同じような事が行われていて（Science ）、そのときはシベリアで氷付けになったサンプルなだけにマンモスの遺伝子は45%は得られたそうだ。そのときにヒト、イヌを見てみるといずれも1％以上。研究者のもの、飼っているペットのものがこんなに影響してしまうということだ。もしかしたらお昼のツナサンドのかけらが飛び散ってマグロの遺伝子が引っかかるという事もあり得るかも知れないし。さてさて、じゃあクライトンのジュラシックパークは現実的なのかというと。まず化石からは無理だと思う。時代自体が違いすぎる。ティラノサウルスの白亜紀で6500万年前・・桁が違い過ぎ。前に核酸の痕跡のようなものは残っているという話は聞いたことあるが、PCRで増幅してもなかなかゲノムをカバーするのは難しいだろう。琥珀に内包された蚊の消化器に残された血はどうかというと、ティラノサウルスの血なんか吸えるのか？でも、小さい恐竜ならありえる？恐竜に近いといわれる鳥も赤血球に核があるのでヒトよりはとれてくるはず。ただ、消化器官だから分解が早いのでは。ロマンがあって面白い話ですけどね。

  2006年11月30日

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• 本当に笑いで糖尿病が治るの？

  笑う門には血糖値が下がる！？学会が検証へそういえば以前も筑波大学と吉本興業（！？）が共同で、2型糖尿病患者21人に最初の日はつまらない講義を聴いてもらい、二日目に漫才を聴いてもらったところ、有意に血糖値が低下したという話があったっけ（asahi.com 2003年の記事）。起用した漫才師がB&Bっていうのが渋いな・・ただ、笑うことは副交感神経優位な状態になって、ストレス状態にも良いわけだ。血流とかも改善するだろうし、NK細胞が活性化して免疫系がなんて話もそれなりにあり得るかなと思う。ただ、現象論としてはともかく、これで糖尿病を改善したという話には結びつけたくない。一時的にはそういう状態になっても、病状を改善したとは言い切れないんじゃないかと思うのだ。そこで、誰もが思うもっと長い目で見てどうなのかというのが今回の趣旨のようだ。今回は「笑いと健康学会」なる組織。上の記事は「心と遺伝子研究会」だし、いろいろありますね。「実験は多くの被験者に１００回以上行わないと医学的根拠とならない。学会でそれをきっちりやっていく」というのは、非常にもっともな話だ。長期的な血糖コントロールの指標となるHbA1cを検査するという。「いつか“笑い療法士”を正式な国家資格にする」・・ん？ちなみに顔の筋肉を動かすだけで同じ効果が得られるという話があります。なので、本気で笑わなくても、鏡の前で5分ほど作り笑いをするだけでも効果あるかもしれないです。どうせただなんだし、国民総出で「だめもと」でやってみるというのはどうでしょう？表情筋も発達して、笑顔も素敵になれる可能性あり。

  2006年11月20日

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  ふぐの子糠漬

  毒が消える理由が謎のままの「ふぐの珍味」日本は発酵食品のメッカですが、こんなものもあるようです。フグはテトロドトキシンtetrodotoxinという毒をもっていて、肝臓だけでなく卵巣なんてのはその中でも危険な部位。テトロドトキシンはアダマンタンという熱にも強い構造をしているのが特徴で、300℃くらいまで安定らしいので、火を通したぐらいでは全然応えない。LD50で5.0 - 8.0 ?g/kgというので、ヒトならmg単位で飲めば致死だというくらい危ない。微生物による醗酵で分解され、旨味成分だけが残るといわれているが、どうして毒が消えるのかはまだ解明されておらず、その製法を変えることができないとのこと。誰かが条件を変えながら、新たな製法を見つけ出すのも可能だけど多大な努力が必要そうだ。売っているものはちゃんと毒性試験もパスしているというところが、安心でもあり怖くもある。

  2006年11月19日

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• アルゴリズム

  今日、５階で上に行こうとエレベータを待っていた。２台あって１階と６階に止まってた。それなのに、１階の方がわざわざ迎えにきてくれて、６階にいた方は１階へ向かっていった。何でやねん。こういうコンピュータの計算の手順を「アルゴリズム」なんていったりします。普通の人は「アルゴリズム体操」くらいしか思い浮かばないかも知れませんが。日常生活で見えないところでもコンピュータのお世話になっているせいか、時々こんな変なアルゴリズムにだまされたりします。カーナビなんかよくある例。なぜか意味もなく雑然と自転車が止まって歩行者の多い駅前に誘導するカーナビ。おまえは駅前が好きなのかって突っ込みたくなる。最近では、道の走りやすさにも優先順位を付けているので、ここまで変な動作はなくなってきてるようだが。アルゴリズムは重要。極端な話、同じ計算でも(1+2+3)÷4と(1÷4)+(2÷4)+(3÷4)の手順では、どちらが早いか一目瞭然。この程度の計算の場合は時間がかかるだけですむけど、エレベータの場合は、こういうときにはこうするという条件付けが下手なわけだ。作った人の腕がでるところです。プログラムがどれだけ気が利いているかで、実生活にも結構影響があると思う。＊ところで、アルゴリズム体操の仕掛人は、佐藤雅彦です。「ポリンキー」「だんご三兄弟」「バザールでござーる」の人。今は慶應に研究室を構えてる。かなりの切れ者ですね。

  2006年10月30日

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• 空飛ぶ車？

  前に日記で書いた事のある「Google Map」。ネットでうろうろしていたら、オーストラリアで空飛ぶ車が写ってたという記事を見つけた。確かに浮かんでるように見える。空飛ぶ車へのリンク世界中の衛星写真の中にはこういう変なものが写ってるのではないかと、探しまわっているようだ。以前にUFOと騒がれたものは、ウェザーバルーンという気象観測用の気球だったらしいのだけど、ミステリーサークルについては今まで知られてなかったものまで見つける事ができたらしいです。ついに世界をこうやってみる事ができるようになったんだなあというのが実感。今日はちょっと趣向の違う記事でした。

  2006年10月29日

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• 改札発電

  改札を通って発電しよう？（スラッシュドットジャパン）駅の改札を歩く人のエネルギーを発電に使っちゃおうということ。改札なら人が必ず歩くとわかっているし、効率的かもしれない。ただし、現在のままでは、発電効率が悪くてあまり有効ではないらしい。この原理というものには、圧電素子というものが利用される。これはどういうものかというと、圧力（押す力）がかかると電気が発生する結晶のような材質。逆に電気をかけるとひずみができるのでモーターでは真似のできない小さな動かす力に変えることができて、インクジェットプリンタのヘッドなんかでお世話になっているものだ。無駄にしているエネルギーって身近にあるんですよね。面白かったのがリンク先の記事のアイディア。子供発電はどうやるかはともかく、面白い。主婦の方はそういう発想が働くようで、赤ちゃんにつけるモップなんてありましたね。個人的に一番共感したのは、スポーツジム発電。わざわざお金払って負荷をかけた自転車のようなものを漕いで、さらにどこにも進めない。しかも、最近はバーチャルに進んでいる気分を楽しめる画面がついているものもある。あのエネルギーほど無駄なものはない。どうせならそのまま発電して何かの役に立った方が、ダイエットや体を鍛えるにしてもやりがいがあるんじゃないか？風力発電もクリーンなエネルギーとか言われてても、風が常時吹いているところなんて限られているし、琵琶湖の風車もたてる場所を間違って回らないなんて話もある。数億円かけて、予定の1/100しか発電できてなくて、訴訟にまでなったところもあったっけ。まだまだ改良の余地があるね。

  2006年10月07日

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• 今年のイグ・ノーベル賞

  ノーベル賞も決まったところで、今度はイグ・ノーベル賞が発表された。（イグ・ノーベル賞が何かについては、以前の日記）今年もかなりやってくれてます。（CNNサイトのニュース）個人的に一番気に入ったのは、みんな目を開いた写真を撮るために何枚撮る必要があるかというもの。これって目を閉じやすい人が混ざってると、当然枚数が増えるよね。以下上記サイトより引用　「○数学賞：「グループ写真を撮る際、目を閉じた人が１人もいない写真を撮るためには、何枚撮影する必要があるか」を計算した、オーストラリア国立科学技術研究機構のニック・スベンソン氏とピアース・バーンズ氏に授与。」あと、蚊が臭いチーズと足の匂いに同じように反応するというのも笑っちゃうけど、マラリア蚊というと一概にも変な研究と言えなかったりする。何しろ熱帯・亜熱帯の地域では深刻な感染症で、年間数億の患者、200万人もの死者を出してるのだそうだ。どのような匂いがかを引きつけるかというのは、大事な研究の一つであるだろう。少し考えさせるところが、重要なところだ。ところで、イグ・ノーベル賞の受賞式も面白いところであって、スピーチのときに話し続けると、ミス・スウィーティー・プー（Miss Sweety Pooh）という8歳の女の子が壇上に上がって、スピーチをやめるまで「飽きちゃった」を連呼させるという。話が長い人が多そうだから、ユーモアの一部で話を切ってしまえということ。これで40％も時間が短縮されたそうだ。会社の会議とかに導入してもいいかもしれない。ただ、校長先生には効かないかも。

  2006年10月06日

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• 今年のノーベル賞

  ＜ノーベル医学生理学賞＞米の２氏に…「ＲＮＡ干渉」発見スウェーデンのカロリンスカ研究所は２日、０６年のノーベル医学生理学賞をアンドルー・ファイアー・米スタンフォード大医学部教授（４７）と、クレイグ・メロー・米マサチューセッツ大教授（４５）の２氏に授与すると発表した。(exciteニュースより引用)たぶん普段の日記を読んでくださる方にはわかりづらい記事なので、さらりと。RNA干渉という現象を発見した両名に授与。遺伝子は体の中でいろいろな機能を持って動いている訳だけど、その一個一個だけをスイッチを切ることができるとその機能が調べられる訳で、研究の役に立つ。それを簡単にできるようにしたってことが画期的かな。この発見もいわばセレンディピティで、最初は線虫という小さな生き物でのみ現象が見られたけど、ほ乳類のような高等生物では無理だと言われていた。これは使う物質を短くするだけで良かったんだけど、それを地道に機構を解明していったのが、大発見への推進力かもしれない。ちなみにセレンディピティとは、「セレンディップの三人の王子」という童話から作られた造語で、途中で計画が崩れて、その結果として偶然に予想以上の幸運をつかむということ。いい言葉です。カロリンスカは私がスウェーデンにいる間にお世話になってたところ。

  2006年10月02日

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  イグ・ノーベル賞

  ブラックユーモアという話から、今日はイグ・ノーベル賞 Ig Nobel Prizesの話を。日本人でも「バウリンガル」が受賞したり有名な賞であるが、Harvard大学の施設で受賞式をやってることはご存知だろうか。名前の由来は「ignoble」から。それをノーベル賞にかけている。この賞の趣旨は、「笑わせること」「考えさせること」だそうだ。その中にはいくつものパターンがあり、良い方では「バウリンガル」や「カラオケ」のようなものもある。と思うと、「カラオケ」と同じ年に、「バーコードはげ」という髪型を編み出した人が受賞していたりする。たいていはばかばかしいものらしい。特にスパムは、これを食べ続けられる「味覚のひどさ」と、スパムメールを作り出したことの二重受賞。個人的に気に入ったのが、ジャコウネコの糞から取り出した「ルアクコーヒー」。このイタチに似た動物は果実を主食としているがグルメだそうで、上質のコーヒー豆を好んで食すのだそうだ。それが腸の中で適度に熟成され、インドネシア最高級のコーヒー豆となる。もちろん、糞の中からより分け、ローストされるため汚いということはない。糞を集めるのは大変な作業であり、動物の数からいってもさほど大量に集められるわけもなく、珍重されているようである。実はこのルアクコーヒー、主な輸出先としてほとんどがアメリカと「日本」だそうだ。楽天で買うと、100gが3000円のところ、2200円となるがなかなか高級な豆である。「最高の人生の見つけ方」で紹介されたコーヒーギフトに!人生の一コマの演出に!極上の一杯で♪幻のコーヒー・ルアクコーヒー100G（コピ・ルアック）深刻なものとしては、1994年のカリフォルニア州のオレンジ郡（Orange County:ディズニーランドのあるアナハイムなんかあるところ）の財務局長による破綻などが上げられている。ここの郡はお金持ちが多くて、裕福な地区だと言われていたのにたった一人の使い込みで借金生活だ。被害総額としては17億ドル（2000億円）。こんなのを笑い飛ばしてということになるが、すぐに記憶の隅に押しやられてしまうニュースを忘れにくくする効果があるのかもしれない。夕張の話が日本でも問題になっていたけど、もうみんな忘れ始めてるからね。ちなみに参考になる本も紹介しておこう・・

  2006年09月19日

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• Google

  Googleのマップ機能は、「サテライト」ボタンを押すと世界のあちこちの衛星写真が見られたりする。これがなかなか楽しい。日本からグーグルにつなぐと、最初は日本全体がデフォルトになっているが、例えば、「東京タワー」と入力してから、右上のサテライトボタンを押すと、こんな感じになる。アメリカだと気に入っているのがここ。飛行機がずらっと並んでいる場所があるのだ(MacPeople誌より)。ちなみに、ここはDavis Monthan Air Force Base。使われなくなった飛行機らしいが。さすがとエジプトとかだと細かい衛星写真がないのだが、Googleの本拠地のアメリカはもちろんかなり鮮明な写真が見られる。日本も首都圏に関しては、かなり鮮明なようだ。

  2006年08月02日

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  エコキュート

  空気でお湯を沸かすというCMのやつですが。どういう意味なのかということで。ヒートポンプという仕組みがある。まず、熱を伝えやすい性質をもつ「冷媒」といわれる物質を閉じ込める。エコキュートの場合は二酸化炭素を使う。その二酸化炭素を外界の空気と同じ温度にしてから、電気の力で圧縮すると体積あたりの熱量が大きくなるので、お湯を沸かせるくらいになるということ。もともと電気を直接「熱」に変えるのはかなり無駄の多い作業だといえる。ヒートポンプが効率がいいといえるのは、電気を動力としてだけ使っていて、熱を集めるためだけに使っているから。熱自体は外界にあまりあるものだからね。これで意外と普段考えていないこと。例えば風船でも膨らませていくと、熱くなってるということ。外界より圧が高い訳で、そうすると風船の中は熱いのだそうだ。まあ、風船ぐらいだと圧はさほど高くないので、熱くなったことに気づかないし、もう一つ重要なことは断熱されていないから、熱はすぐに逃げていってしまうから気づかないってことだね。ダイキン　エコキュート　EQ37GV（給湯専用）

  2006年07月24日

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• 律速

  たまには研究者らしい話を。理系の人でかなりの人が使っていると思う「律速」という言葉がある。化学反応の中で時間的に支配的な段階のことをいう訳ですが、医学系の生化学的な反応でも使われる。この言葉、日常生活でも便利なので、結構使うんです。時間に支配的な段階、たとえ他で急いでもそこの部分である程度は所要時間が決まってしまうところに使うと思う。「～に行きたいのに、電車の接続が悪くて、待ち時間が律速」とか。「～の料理もオーブンで焼くところが律速」とか。それで、文章を打つときに「りっそく」と打って変換されないことに驚いたりして。最近では「ボトルネック」という言葉も普及していますが、日本人は「律速」でしょうというわけか、こんなページがあった。でも、新しく入社してきた子でもほとんどが律速を日常生活で使っていたので、どうやら大学では全国的に浸透しているらしい。

  2006年07月21日

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• 超臨界流体

  物質の温度・圧力をどんどん上げていくと、ある条件（臨界点）以上で気体と液体の境目がなくなって、超臨界流体という状態になる。これは気体に近い拡散・浸透性と液体に近い溶解性を持つことから、新たな溶媒として注目されていたりするのだが、意外と昔からお世話になってきたようだ。まず、利用が考えられるものに水と二酸化炭素があるのだが、この二つでは物性が全く異なることから、用途も全く異なる。水の場合は、臨界点が374℃、22MPaと非常に高温、それに対して二酸化炭素は31℃、7.3MPaと圧力はともかく温度に関しては著しい加熱を伴わない。それで、デカフェというカフェインを取り除いたコーヒー。これは豆のまま、超臨界二酸化炭素を浸透させて、カフェインを抽出しているのだそうだ。浸透力抜群なので、電子部品の洗浄の用途も使っているだけじゃなく、ドライクリーニングにも応用しているところがあるらしい。水の方は、とてつもなく高温のため、とても食べ物なんかに使用している場合ではない。木材のセルロースですらばらばらに溶解してしまうようだ。用途としては、排水のダイオキシン分解、汚泥の分解除去、鉱物資源の抽出などらしい。面白いところでは、溶かしておいて温度を下げて、析出させることで水晶の製造技術にも利用されているとか。詳しくは神戸製鋼　リンク

  2006年07月04日

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• マーフィーの法則

  一時期本が売れたりしたのですごく懐かしい。マーフィーの法則（Murphy's law）とは何かというと、「失敗するものは、必ず失敗する」ということになる。法則というより疑似科学といった方が正しいし、違う言葉で表すとしたら「ジンクス」で片付いてしまう訳であるが、これを法則と名付けて使うようになったのは科学者的なウィットの一つであると思う。これを本にまとめ話題のきっかけとなったのが、「マーフィーの法則?現代アメリカの知性」であって、現在絶版のようだ。「部屋においたものは、邪魔な場所へ移動する」「洗車した次の日には雨が降る」のような笑い飛ばす要素が強く、この本が売れた理由に、当時の経済的危機があるのではという意見もあるようだ。（Wikipedia）実際、「二度あることは三度ある」とか「泣きっ面に蜂」みたいに、ネガティブなものほどジンクスは多いように見えるが、これは特に記憶に残りやすいから、ジンクスになるだけなのではないかと思う。あと重要な点は、日常には成功して当たり前（というか正常）のものが多いという点。例えば運転は無事に目的地にたどり着けるのが当たり前であって、大成功はあり得ない。失敗のみがある得る訳である。

  2006年06月10日

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