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「気に食わないけど、気になる。」
タツマキさん、
それ(少女漫画なら)
間違いなく恋のはじまりです
前回の
「穿いてた」ショックから2週間、
待ち遠しかったような
早かったような最新話。
ONE版104~106撃目あたりの
流れを下敷きにしながらも、
タツマキの内面に
かなり踏み込んだ回でした。
まさかここまで描写されるとは
思ってもみなかったですよ
※【以下、画像・解説は公式より】
ワンパンマン
原作/ONE/漫画/村田雄介
時代が求めたニューヒーロー『一撃男』と言えば?!?
『WEB界のカリスマ』と『最強ジャンプ遺伝子』の
超強力タッグが描き出す!
平熱系最強ヒーロー“サイタマ”の日常ノックアウトコミック!!
となりのヤングジャンプにて「ワンパンマン」連載中です!
◆原作/ONE,作画/村田雄介
「ワンパンマン」227話 (感想)
内容のネタバレ普通に含みます。未読の方はご注意。
前回もそうでしたが、
今回も原作補完と言うべきか、
登場人物、
特にタツマキの心情・立ち位置・過去などの
物語の骨組み強化感半端ないです。
おおまかな今回の流れは
・サイタマもう一度吹っ飛ばされ
フォルテがリベンジを断念する
・タツマキさらに荒ぶり
出力の限界を感じるレベルに至りつつも、
・ブラスト以外に全力をぶつけられる相手として
サイタマとの戦いが楽しくなる
・サイタマ無傷
・幼少時のタツマキ回想
〇フブキが力に目覚めたのも姉がきっかけと判明
→タツマキが妹を守る責任、責務を抱くことに
〇タツマキのブラストへの精神的依存
・フブキとフブキ組の覚悟
・さりげにサイタマの過去を少々含みつつ、
「今弱くても」
「そいつの限界がどこかなんて誰にもわかんない」
けだし名言。
・タツマキがサイタマの言葉に耳を貸すようになる
・ヒーロー協会本部に異変あり
私、前回の感想で、
「ここまでタツマキの心情を描写したからには
次(今回)のダメージ回が重くなるのでは……」
と懸念や不安を抱いておりましたが、
そんなことなかった
むしろその重さが過去補完となって
物語の土台をガッチリと固めて、
サイタマはいつも通りとしても、
タツマキ&フブキ姉妹の心の動きと行動とが
読者側にも理解しやすい形で描写され、
存在していたそれぞれの心の鬱屈が
何も意図していないながらも
サイタマの言葉や行動によって
かなり綺麗な形で解消されてゆくという、
とてもスッキリとした
ひとつながりの物語の締め方になっていると感じました。
それにしても、
今回は本当に
タツマキの内面にさらに大きく踏み込んで、
「強くなった自分を認めてほしい」
「生き方の指針を与えてほしい」
という
これまで育ち切れなかった満たされなかった望み、
回想中の幼女姿で表現されている
タツマキの心の一部分を
まずは、
ブラストと同等に
自分に向き合うことができるサイタマが
タツマキの強さと努力を
ストレートに全肯定。
さらには、
「基本スキに生きりゃいい」
「暴れたいなら人のもん壊すな」
「そこだけ守れば大したヒーロー」
というサイタマの言葉が
図らずもタツマキへの答えとなるという流れ。
これ、タツマキの望みを叶えるのと同時に
タツマキの中でサイタマの存在が
ブラストと同じレベルにくるフラグだと思われますが、
それの何よりの証明となるのが、
この場面
(画像は村田版「ワンパンマン」227話より)
……これ、
気づいた人も多いと思われますが、
単なる「頭に手をぽん」という
慣れ親しみという意味だけではなく、
以前描かれたこの場面
(画像は村田版「ワンパンマン」182話より)
ブラストが幼いタツマキを救い出し、
強すぎるヒーローの心得であり、
かつタツマキにとっては救いでもあり呪いにもなっている
「家族を守ってあげなさい」
「いざという時に誰かが助けてくれると思ってはいけない」
という言葉を授けた時との
見事な対比になっているんですよー
つまりはタツマキの中には、
今回のサイタマのセリフの内容
「好きに生きろ」
「壊すな」
「それだけ守れば立派なヒーロー」
が、上記のブラストのセリフと同じくらいの重みで
刻みつけられたのではないかと。
こういう物語の組み上げ方
本当に大好きですー
「過去と現在と未来が
繋がりをもちながら一続きになっている」
「何でもない出来事や行動が何かの象徴になっている」
ドラクエ1~3をリアルタイムで数年にわたりプレイしてきて
3のアレフガルド到達時に涙したことがある人なら
きっとこの気持ちをわかってくれるに違いない……
今回は本当に
物語としても漫画としても
凄く力のある回でした。
次回はヒーロー協会に一事アリということで
「ネオヒーローズ」絡みの話に移ってゆきそうですが、
また色々なヒーローたちが登場するかなと
ちょっとワクワク中です
ところで、
今回は本当に凄い回だったと思いますが、
正直に言うと、ONE版105撃目の
地中から頭半分出したハゲが
渦巻状に地面を抉る
あの場面はぜひ村田絵で見たかった……